高野秀行のレビュー一覧
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「腰痛探検家」
始まりは三十八の夏、前触れも無く始まった腰痛はいつもと違った。
高野秀行。辺境作家。誰も行かないところに行き、誰もやらないことをし、誰も書かない本を書くことがモットーである。未知なる世界を探し歩く中、いつもの腰痛が始まった。本書は、頭の中が腰痛のことばかりになった辺境作家の腰痛探検である。あの高野秀行の作品の一発目として果たして適切かどうかは自信はないが、おススメによくあがってきてしまえば読むしかない。ジャンルはある種の辺境であり、馴染み深い辺境だ。腰痛はハマればなかなか抜けきれない砂漠に違いない。
そういう私も軽い腰痛になったことがある。単なる寝違えに違いないはずなのに!小さなミスであったはずなのに!なってしまう。腰痛は厄介この上ない。だからこそ、腰痛探検家になった著者には興味が湧く。オチもオチ。
たかが腰痛。されど腰痛。いや、たかがではない要注意な腰痛だ。この深さはなかなか伝えづらい。この腰痛一本でストーリーを書き上げる、この人は探検家であり、やはり作家であった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ今まで色々と見聞きしていたこととほぼ同じような内容だったけど、著者は現役プロ棋士で将棋教室等で長年指導されてるということもあり興味深く読めた。
なるほどなぁ、と思ったことをいくつか。
・「負けました」と言えるようになった子どもは言い訳をしなくなる。
・将棋は選択の連続。いい選択はいい人生を創りる。
・一緒にたのしめるようにルールやマナーを守るようになる。
・自分、相手、自分の三手思考。気づくと相手のことを考えるようになる。
・セルフジャッジなので揉め事を自分たちで解決する機会が増え、自主性が育まれる。
・情報化社会は高速道路。創意工夫、オリジナリティを育むべき。
・集中と俯瞰を両立させるための細分化と順序。
・待つのも将棋のうちだから。待つ、我慢するトレーニングに。
・予測不能な現代社会にフィットする対応力が磨かれる。
このうちの殆どは将棋でなくても育めるんじゃないかなと思うけど、1番目のは将棋にしかないかな。
すでに遅いかもしれないけど、うちの息子にも将棋やって欲しいなぁ。 -
Posted by ブクログ
高野さんの新しい本出た❗と読んでみたら、8年前に出たのを出し直したものだった。未読だったから問題ないけど。
高野さんがどれほど努力家で才能があるか(そしてとんでもないか)知っているので、高野さんの言うことを真に受けて実践してもなあ、一般人には厳しいよ、などと思いながら読んでいたのだが、良かった。
気が小さいから人の言うことに従って生きてたけど、リーダーやってみたら案外楽だし、一人で好きにやったらもっと楽だ、とか、長期スパンでものを考えるな(だいたいその通りにならないんだから)とか、思いついたらとにかくやってみるとか、本当にそうだなと思った。
特にテサロニキのブラインドサッカーの話は印象的だったな。日本の国家レベルでこういうことは無理だとしても、個人レベルならできるよな。
しかし、社交性はないと言いながら、電車で見かけた外国人に言葉を教わったり、リンガラ語を学ぶために池尻を走り回ってコンゴ人を探した、って、めちゃめちゃあるじゃん。まあ外国に行くと日本人には信じられないほど人懐っこい人がいるけど、そういう人と比べるとないってことでしょうね。
なんだかんだ言って凄い人です。でも、いいこと書いてあると思うよ。アヘン中毒はいかんけども、それ以外のことは若い人にも大いに参考になると思う。 -
Posted by ブクログ
これも待望の一冊!
前作『謎の独立国家ソマリランド』の続編です。
今作は、更にソマリランドにハマっていこうとする筆者の、お客様から脱しはじめたと言える、ソマリ人との密な交流と、やはりお客様だからこそ遭遇する危険、という二つの側面がある。
家庭の顔や、前作で登場したワイヤッブやハムディのその後。
また南部ソマリアの危険地帯に潜入という後半部分も非常に面白く読める。
というのも、やっぱり書き手のキャラクターが絶妙で、命を賭しての場面と、便秘に苦しむ場面のダブルブッキングなんかは、もう笑うしかない。
そして、そんな高野さんだから、きっとソマリランドはより魅力的に写るのだと思う。
このシリーズが好きなので、嫌がらずソマリランドにハマっていって欲しいと願う、今日この頃。 -
Posted by ブクログ
前回のハードボイルド室町時代よりこちらの方が好きかも。書評集とか書評対談って読むと案外面白くなくて、読んだことがある本以外は興味湧かないのが事実。でもこの本は掲載されている本を読んでもらう事を前提で書いていないです。読めんだろうと思う位長い本もありますし。
二人が読んだ本に対して話す内容として、歴史や人類学の枝として持論を主として話を展開しているので、単純に興味深い読み物として魅力的。
不思議な民族や過去の興味深い歴史を垣間見せてくれます。
早く高野秀行の本でないですかな。面白かったけれどやはり対談じゃなくて本読みたいですよ。純粋な新作ってアジア納豆が最後なんじゃないでしょうか。早よ出してください、待ちきれないです。 -
Posted by ブクログ
高野秀行といえば最近TVにも出て、かなりの有名人になりました。昔、「幻獣ムベンベを追え」では面白かったけどこの本で終わりだろうと漠然と思っていました。まさかここまで生き残るとは・・・。
そんな高野氏のある意味出鱈目で、しかも本人にとっては合理的であった過去の行動が色々書かれています。ある意味彼の本を読んできたものにとっては、ダイジェストを読んでいるようなものかもしれません。
彼は探検家でも冒険家でもないと思います。ではなんなのか?というと、人を笑わせたくて笑わせたくて血眼でネタを探している作家だと思います。
平易な文章でさくさく読めつつも、決して軽薄ではない文章には本への愛情が感じられます。勝手に色々していながら独りよがりになりきれない優柔不断さ。これが一過性の面白さではなく、地で行く面白さの一つの要因だと思います。
そんな彼がどれだけの勘違いやトラブルを発生させ、結果今の高野秀行が出来上がっているかが描かれております。新味はありませんが、楽しく読みました。