藤野可織のレビュー一覧

  • 泥酔懺悔

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    泥酔の失態を開き直るんじゃねぇ、と下戸の私は常々。んでも、人の泥酔を楽しむってのは面白い視点かもしんない。そんな余裕があればなぁ。
    総じて若い年代の著者のほうが面白かったかな。

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    2020年05月01日
  • 爪と目

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    芥川賞を受賞した表題作、3歳の女の子がこんなに理路整然とした語り手になれるわけないやんけ、と思いながら読んでいたのですが、ラスト近くにちゃんとからくりが書いてありました。すごく目立たないところに。この点もそうなのですが、ミスリードを誘うような書き方もされていたりして、これまで読んだ藤野さんの作品と比べてかなり技巧に凝っているなあという印象を受けました。
    一方で「いやしい鳥」で描かれていたような訳の分からないエネルギー・勢いのようなものはあまり感じられず、そのあたりに魅力を感じていた自分にとってはちょっと肩透かしをくったような読後感でした。いや、もちろん上手いんですよすごく。特にラスト3行なんかはかなり印象に残る箇所ではあるのですが、これを怖いかっていうとちょっと違うような気もします。そういう意味では玄人向けの作品と言えるのかなあと。もちろん芥川賞受賞には何の文句もありません。

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    2019年12月18日
  • いやしい鳥

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    面白かったです。久々に藤野可織さんを読みました。遂にご本を買ってしまった。
    好きです。奇妙で不気味でおかしくて。。
    表題作はピッピ多分ああなるんだろうな…の予想が当たったので気分悪くなりましたが、そのあとの展開が強烈でした。タイトルの意味…いやしい鳥は堀内なのですね。死闘。元妻はちょっと嬉しそうだったけど、高木の話を聞いてもそう思えるのか…余韻(?)が残ります。
    「溶けない」もうわぁ…となりましたが、「胡蝶蘭」もとても好きでした。あの花ならあり得る。「分け前はないの」ってよく考えたらすごい言葉。。
    グロテスクなのですが軽快なのでするする読んでしまいます、藤野さん。
    江國香織さんの解説も面白かったです。「充足を知らない痩せた小説」…言語センス、でもなんだかわかるような。

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    2019年12月04日
  • ファイナルガール

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    奇想小説とまではいかないまでも、ちょっぴり不思議な世界が描かれた7編が収録された短編集です。
    短編集とはいえ1編1編がかなり短めで、1冊の合計が200ページ弱ぐらいしかありませんが、どれも繰り返し読みたくなるような密度の濃い作品ばかりが並んでいます。
    いずれもいつの間にか非日常が日常を侵食する、といった趣ですが、著者は読者が「何となく納得できる」ところを突くのがとても上手いですね。村田沙耶香さんの解説にある通り、筋だけ聞くと荒唐無稽なように思えるのに、全体を読むと妙な納得感が残ります。

    トップを飾るのはオフィス街の真ん中に造られた人工的なキャンプ場を舞台にした「大自然」。
    本書中最小のページ数ながら、これが一番難解で、かつ読みごたえがありました。作中の「きもちわるいもの」の意味するところも興味深いですが、中盤で指導員が語った内容とラスト数行がリンクしている点が面白いです。
    でも最初がこれだと挫折する人もいるだろうなあ・・・。
    ストーカーを描いた2編目の「去勢」からは割と分かりやすくなるので、投げ出さずに読んでみて欲しいです。
    収録作はどれも面白いですが、アクション俳優について語るうちにビルの屋上から戻れなくなった男女を描いた「プファイフェンベルガー」や、赤ずきんをモチーフにした「狼」、殺人鬼との生涯を通した戦いを描いた表題作「ファイナルガール」が特に印象に残りました。

    デビュー作『いやしい鳥』の感想で「『世にも奇妙な物語』っぽい雰囲気」と書きましたが、本作もまさにそうでした。
    もっと読みたい。

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    2019年08月18日
  • 泥酔懺悔

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    ネタバレ

     12人の女性作家などの酒に関するエッセイです。「泥酔懺悔」、2016.9発行(文庫)。面白かったです。①三浦しをんさん、30代から泥酔すると記憶を失う。朝起きると下半身裸で便器を抱いた形で寝ていたと。飲酒の習慣に並ぶのは読書ぐらいとか。②角田光代さん、飲み始めたら途中でやめられない。とことん飲んで記憶がなくなる。覚えていない泥酔時間、角田さんはどうなっているのか?w。③大道珠貴さん、女のひとのグラスについた口紅を指二本で拭うしぐさ、あれ。あの指をあとどこへなすりつけるんだろう、すごうく、気になる。
     12人の女性作家の酒にまつわるエッセイ集。「泥酔懺悔」、2012.11刊行、2016.9文庫。私の懺悔度ベスト3選定は: 角田光代さん「損だけど」、三浦しをんさん「下戸一族vs飲酒派」、平松洋子さん「18の夜の話」。

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    2023年08月10日
  • ファイナルガール

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    おもしろー。
    ホラーでもSFでもないのになんかズレてて居心地悪い感じ。
    『ファイナルガール』の世界が明瞭になる感覚はなんかわかるな。

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    2019年06月02日
  • きっとあなたは、あの本が好き。 連想でつながる読書ガイド

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    作家別に紹介した読書ガイド。とても良心的だと思う。自分としては「コナンドイル」の章でピンチョンの新訳が出ているのを知ったのがよかった。希望としては、取り上げた作家が限らているのが残念なので、シリーズ化してくれるとうれしい。

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    2019年05月01日
  • 爪と目

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    文字でしか味わえないスリリングな体験。
    肝心なことは何も教えてくれないのに、過不足なくすべて書かれている感じ。

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    2019年04月06日
  • おはなしして子ちゃん

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    理科室にあった猿のホルマリン漬けに永遠と話し続けたこと。いじめっ子といじめられっ子。

    トランジのそばにいると周りが次々と不幸にあうこと。
    猿の頭と鮭の体で作られた人魚のアイデンティティ。

    撮った写真が必ず心霊写真になる人。
    壊れた宇宙船が胚細胞に念じていること。

    一日一回嘘をつかなければ死んでしまうエイプリル・フールの人生。

    頭のおかしい奴の異様な足の速さと蜂蜜と通り魔。
    夫の会社の人たちとの夢広がるホームパーティー。

    点画を鑑賞する心得と作品に掛ける情熱。
    遅読症の人と真っ黒な血を吐く本。

    ホラーでいながらもキュート。
    おはなしして子ちゃんは、怖かったなー。

    ぞくぞくして、中毒になりそうな一冊。
    著者のこういうのまた読みたい。

    ファイナルガールの襲ってくる殺人鬼を倒していくリサを思い出した。

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    2019年03月16日
  • 泥酔懺悔

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    ニヤニヤしながら読んでしまった
    私の好きな作家さんと私の飲み方が似ていて嬉しかった
    下戸の人の感覚も知れて楽しい本

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    2018年02月12日
  • パトロネ

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    「パトロネ」
    「いけにえ」

    2つの作品に共通しているなーと感じたのは、滑稽と言ってもいいくらいの寂しさ。
    恥ずかしくなるくらいの独りよがり。
    ちゃんと怖いし。
    怖い絵を観た後みたいな気持。

    すごいな。
    美人だし。
    彼女が美しいと思うものを知りたい。

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    2018年01月01日
  • きっとあなたは、あの本が好き。 連想でつながる読書ガイド

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    村上春樹/ルイス・キャロル/大島弓子/谷崎潤一郎/コナン・ドイル/J・R・R・トールキン/伊坂幸太郎/太宰治

    どれかの名前にピンときたら読んでみてもいいかもしれない。
    書評家、作家、翻訳家が10人。
    ブコウスキーの訳者として知られる都甲幸治さんをホスト役にして1作家3人ずつの鼎談方式のブックガイド。

    ブックガイド好きな上に本について語り合ってる人たちも好きな自分には楽しかった。

    各テーマも興味深く、例えばキャロルは「あえて男三人で『不思議の国のアリス』を語る」とか太宰は「ダメ人間を描く小説の作者はダメ人間か」とか。

    なるほど~と膝を打ちたくなるような考察もあって面白かった。いやあ、自分頭固いわ。

    ただ他の方も書かれているようにネタバレも激しく、映画『ファイト・クラブ』のどんでん返しもしゃべってしまっているので、伏せ字にするとかネタバレ注意をいれるとかしてほしかった。

    あと話題に上がった作品のリストもつけてほしかったな。

    大島さんファンなのでミランダ・ジュライとケリー・リンクはひとまず読んでみようと思った。

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    2017年11月25日
  • ファイナルガール

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    短編集。特に「戦争」が好き。

    奇妙で不思議で非日常なのだけど、根底に流れる感情には普遍性がある。

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    2017年10月22日
  • アイアムアヒーロー THE NOVEL

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    元ネタのアイアムアヒーローを読んだことも観たこともないのですが、好きな作家さんが多かったので手に取ったら個人的にはあたりのアンソロジー。
    朝井リョウくんの話もさみしい青春、恋愛小説ですき。いじめっ子と人気者と一匹狼的なこのカースト。
    藤野可織さんの話も久しぶりに読んだけどよかったな。やっぱりさみしい。仲間内って難しい。
    最高だったのは佐藤友哉、島本理生夫婦の合作。こんな豪華な作品が辞めるなんて…!!! よかった、かなりよかった。引きこもりと心に傷を負ったシスターの話でよかった

    全部にもちろんゾンビのような感染症の元ネタの設定が絡んでいるのですが話を知らなくても面白かったです

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    2017年09月26日
  • 泥酔懺悔

    購入済み

    素直に読めます

    女性のみなさんの「酒」に関するエッセイ集。
    大酒飲みあり、そうでない方あり。
    みなそれぞれいろいろな思い出があることに気づかされます

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    2017年07月31日
  • おはなしして子ちゃん

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    最初の3つは文句なしに良かった

    「おはなしして子ちゃん」
    自立のため、教養を欲しがるそいつの姿は
    親の承認欲求で腰砕けにされた子供たちの自我そのもの

    「ピエタとトランジ」
    名探偵の周辺では必ず事件がおきるという現象を用いて
    学校を破壊してしまう女の子の話

    「アイデンティティ」
    出来損ないのミイラのキメラ
    その引き裂かれた心が、あるがままの自己を受け入れるまで

    「今日の心霊」
    自分のことを変な奴だとどうしても認識できないある種の天才
    そしてそれにつきまとう紳士の集団(涼宮ハルヒみたい)

    「美人は気合い」
    エゴを持たない人工知能と、それに作られた生命体のやりとり
    閉じて不毛なルーチンワークが続けられる

    「エイプリル・フール」
    世界観の綻びから目を背け、1日1回の嘘という掟を守り続けること
    それが相互依存の言い訳になっている

    「逃げろ!」
    ただの快楽殺人にそれらしい物語をつけて悦に入ってるやつ
    …としか思えないんだけどなぁ、現実は最後まで彼の欺瞞を守ってくれる

    「ホームパーティーはこれから」
    SNSにドハマリしてる若い奥さんが
    ホームパーティーの接客の忙しさから現実逃避を始める

    「ハイパーリアリズム点描画派の挑戦」
    芸術鑑賞者が芸術の本質に目覚め、制作者の側にまわるという寸劇
    乱闘の描写を、点描作業に重ねているらしいが、これは失敗かな…

    「ある遅読症患者の手記」
    人生の裏側には死の影が、その恐怖が、貼り付いている
    だから私小説は廃れたのかもしれない

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    2017年07月16日
  • 世界の8大文学賞 受賞作から読み解く現代小説の今

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    タイトル通り各文学賞について複数の方たちが好き勝手(?)話をしたものが1っ冊の本にまとめられている。面白かったのは文学賞の背景であったり、審査の仕方であったり文学賞の周辺まで考察したり説明があったりで、なかなか読み越えのある本だった。世の中にはまだまだ知らない本がたくさんあるのでとても勉強になった。

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    2016年12月11日
  • 世界の8大文学賞 受賞作から読み解く現代小説の今

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    芥川賞や直木賞なんて世界の文学賞のうちに入るのだろうか?日本の作家が書いた日本語の小説しか対象になっていないのに。なんてことを思ったけれども、読んでみました。今年も話題になっているのは、もちろんノーベル文学賞。村上春樹さんがとるかどうか、メディアで騒がれました。この本を読むとわかるのですが、その根拠になっているのがカフカ賞。この賞をとった人が二人、ノーベル文学賞をダブル受賞しているんだそうで、まだ受賞してないのが村上春樹なんだそうです。カフカ賞はチェコ語の翻訳が一冊は出ていないと受賞できないそうで、村上春樹がとった2006年は『海辺のカフカ』が翻訳された年。タイトルがよかった?

    そのノーベル文学賞。世界的に開かれているような気しますが、実はヨーロッパの主要言語しか読めない人が選考委員なので、そうした言語で書くか翻訳版が優秀であること、北欧諸国出身だとさらに有利、とのこと。タイトル関連でいうなら『ノルウェイの森』に分がありそうなものだが、どうなっているんでしょう。それはさておき、8大文学賞として取り上げているのは次の賞です(開始年)。ちなみに、受賞対象が作品になっているのが、*のついている賞で、何もついていないのが、作家に与えられる賞です。<>内が本書で取り上げている作家名。

    ノーベル文学賞(1901年)<アリス・マンロー、オルハン・パムク、V.S.ナイポール>
    ゴンクール賞(1903年)*<マルグリット・デュラス、ミシェル・ウェルベック、パトリック・モディアノ>
    ピュリツアー賞(1918年)<ジュンパ・ラヒリ、スティーヴン・ミルハウザー、E・P・ジョーンズ>
    芥川賞(1935年)*<黒田夏子、小野正嗣、目取真俊>
    直木賞(1935年)*<東山彰良、船戸与一、車谷長吉>
    エルサレム賞(1963年)<J・M・クッツェー、イアン・マキューアン、イスマイル・カダレ>
    ブッカー賞(1968年)*<ジョン・バンヴィル、マーガレット・アトウッド、ヒラリー・マンテル>
    カフカ賞(2001年)<フィリップ・ロス、閻連科、エドュアルド・メンドサ>

    この本は、都甲幸治さんを中心に、「小説家や書評家、翻訳家など本にまつわる様々な職業の人々に、一つの賞につき一冊ずつ、合計二四冊読んでもらい、全てを読んだ上、鼎談の形で論じてみたもの」。談話形式なので、口調がくだけていてとても読みやすい。鼎談の間には、都甲さんと、僕が翻訳本を選ぶ時の目安にしている翻訳家のひとりの藤井光さんのコラムもある。外国文学って、よく分からないけど、どんな本があるのだろうと考えている人には役に立ちそう。

    で、はなから外国文学好きの人たちには、もっと面白いんじゃないかな。というのも、それぞれの賞の特徴についてふれたあと、その賞の受賞者たちの小説について三人が語るんだけれど、選ばれている作家の顔ぶれが、いいんです。今までにたくさんの人が受賞しているはずだけれど、この人たちを選んでくるあたりがすごいな。本当に本のことがよく分かっていて好きなんだなあ、と思います。

    それぞれの賞につけたタイトルが、その賞の特徴を表していると思うので、下手に解説するより、それを紹介します(日本の賞は省略)。「これを獲ったら世界一?」(ノーベル賞)、「当たり作品の宝庫」(ブッカー賞)、「写真のように本を読む」(ゴンクール賞)、「アメリカとは何かを考える」(ピュリツアー賞)、「チェコの地元賞から世界の賞へ」(カフカ賞)、「理解するということについて」(エルサレム賞)。

    今年ノーベル文学賞の受賞者に選ばれたボブ・ディランから音沙汰がないので、財団はさぞ気を揉んでいることだろうと思います。それもこれも、この賞の選考基準としていちばん全面に押し出しているのが「人類にとっての理想を目指す、世界でも傑出した文学者」というものだからです。「最近の受賞者の傾向を考えると、どうやらこの「人類にとっての理想」というのは、「人権擁護」や「国内で迫害されている人を描く」という意味」らしい。で、ボブ・ディランなわけです。そんなノーベル文学賞ですが、都甲さんがこう言っています。

    今回紹介する三人はある意味「間違って獲っちゃった」人たちです(笑)。マンローはカナダのド田舎に住んでる普通のおばさんだし、パムクは『無垢の博物館』(早川書房、全二巻)のように変態的な話を面白く書く人だし、ナイポールはそもそもどの国の作家だと言いきれない。ノーベル文学賞を獲った立派な国民文学作家について国別対抗で語り合うんじゃなくて、「ノーベル文学賞獲ったにも関わらず、別の理由でいい作家です」という人たちを紹介したいです。

    すべてにおいてこの調子。マンローもパムクもナイポールも、けっこう読んでいるので、都甲さんの言いたいことはよく分かる。特にマンローはすごい。「短篇一本を読んだだけで、長篇を一冊読み切ったくらいの気持ちにさせてくれる」(都甲)という評がすべてを語ってくれています。本当にその通り。パムクについて訳者の宮下遼さんがいう「それだけで短篇、中篇になりそうな話を、一つの長篇のなかに惜しげもなくいくつも投入していく気前のよさが、僕は好きです。こんなに西欧風な人間のくせに、そこだけトルコ的な御大気質を感じてしまって。ディテールの作り込まれた奇想こそが、物語の要諦だと思います」というのもまさにその通り。

    この調子で紹介していると引用だらけになりそうなので、このへんでやめますが、ブッカー賞のところで、ジョン・バンヴィルの文章についていい話があります。毎日九時から一八時までオフィスで執筆に専念し、一日英語で二百語書けたらその日は成功だというのです。「バンヴィルはベンジャミン・ブラックという別名でミステリーも書いていますが、その時はパソコンを使って書くそうです。そのときは筆が速いらしい。バンヴィル名義は手書きで、極端に遅くなる」(都甲)。このこだわりがあの美しい文章を生むのですね。ブラック名義でチャンドラーの名作の続編を書いた『黒い瞳のブロンド』。チャンドラーには及びもつかないけど、ミステリとしてはけっこういけますよ。

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    2016年10月24日
  • きっとあなたは、あの本が好き。 連想でつながる読書ガイド

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    最近全然小説を読んでいないので、なんか読んでみたいなとまず軽くジャブぐらいの気持ちで読んでみたら、実際の本を読まなくても良いんじゃないかな?と思うぐらいに面白かった。中ではとりあえずカズオ・イシグロが気になる。それと『痴人の愛』の猛プッシュぶりに、これは読まなくてはならないのかもなと思った。

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    2016年07月23日
  • きっとあなたは、あの本が好き。 連想でつながる読書ガイド

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    鼎談してる方々が楽しんじゃってる感じでw
    それがいいんだろうけど、こちらとしては置いてかれてる感があったりw
    でも、なかなか面白い読み方もご教授いただけたりww
    固そうな文学作品も、つっこみどころ満載のようでwww

    やっぱり、エロってつっこみながら読むとヘンなツボにハマりやすいらしいww
    有名な文学作品も、あまりにくだらなくて、途中で投げ出したりしたくなるかも?ww

    伊坂幸太郎について、を期待してたんだけど、あまり語られなくて残念。
    村上春樹は、やっぱり語られやすいのね~。
    獄本野ばら読んでみよ~っとww

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    2016年07月10日