藤野可織のレビュー一覧
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村上春樹/ルイス・キャロル/大島弓子/谷崎潤一郎/コナン・ドイル/J・R・R・トールキン/伊坂幸太郎/太宰治
どれかの名前にピンときたら読んでみてもいいかもしれない。
書評家、作家、翻訳家が10人。
ブコウスキーの訳者として知られる都甲幸治さんをホスト役にして1作家3人ずつの鼎談方式のブックガイド。
ブックガイド好きな上に本について語り合ってる人たちも好きな自分には楽しかった。
各テーマも興味深く、例えばキャロルは「あえて男三人で『不思議の国のアリス』を語る」とか太宰は「ダメ人間を描く小説の作者はダメ人間か」とか。
なるほど~と膝を打ちたくなるような考察もあって面白かった。いやあ、自分 -
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元ネタのアイアムアヒーローを読んだことも観たこともないのですが、好きな作家さんが多かったので手に取ったら個人的にはあたりのアンソロジー。
朝井リョウくんの話もさみしい青春、恋愛小説ですき。いじめっ子と人気者と一匹狼的なこのカースト。
藤野可織さんの話も久しぶりに読んだけどよかったな。やっぱりさみしい。仲間内って難しい。
最高だったのは佐藤友哉、島本理生夫婦の合作。こんな豪華な作品が辞めるなんて…!!! よかった、かなりよかった。引きこもりと心に傷を負ったシスターの話でよかった
全部にもちろんゾンビのような感染症の元ネタの設定が絡んでいるのですが話を知らなくても面白かったです -
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最初の3つは文句なしに良かった
「おはなしして子ちゃん」
自立のため、教養を欲しがるそいつの姿は
親の承認欲求で腰砕けにされた子供たちの自我そのもの
「ピエタとトランジ」
名探偵の周辺では必ず事件がおきるという現象を用いて
学校を破壊してしまう女の子の話
「アイデンティティ」
出来損ないのミイラのキメラ
その引き裂かれた心が、あるがままの自己を受け入れるまで
「今日の心霊」
自分のことを変な奴だとどうしても認識できないある種の天才
そしてそれにつきまとう紳士の集団(涼宮ハルヒみたい)
「美人は気合い」
エゴを持たない人工知能と、それに作られた生命体のやりとり
閉じて不毛なルーチンワー -
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芥川賞や直木賞なんて世界の文学賞のうちに入るのだろうか?日本の作家が書いた日本語の小説しか対象になっていないのに。なんてことを思ったけれども、読んでみました。今年も話題になっているのは、もちろんノーベル文学賞。村上春樹さんがとるかどうか、メディアで騒がれました。この本を読むとわかるのですが、その根拠になっているのがカフカ賞。この賞をとった人が二人、ノーベル文学賞をダブル受賞しているんだそうで、まだ受賞してないのが村上春樹なんだそうです。カフカ賞はチェコ語の翻訳が一冊は出ていないと受賞できないそうで、村上春樹がとった2006年は『海辺のカフカ』が翻訳された年。タイトルがよかった?
そのノーベル -
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久しぶりに、何のためでもなく、「ただ活字を読む」という欲のためだけに読み終えました。時間に追われているときに読む、良質な短篇はこの上ない至福ですが。ああ怖かった。
帯の「史上最も怖い」という言葉は的を得ているからこそ、究極のネタバレというべきか、予感を促しすぎる意味で読者からすれば勿体無いような気もします。
事実、悍ましいと感じる要素が沢山詰まっています。具体的な言葉で分析し始めようものなら自分の世界にピキッとひびが入ってしまいそうな感のある、人の奥底にある不気味な禁に触れてしまっている作品です。
語ることの出来る要素で面白みを感じたのは、やはり「目」の役割です。解説にあった、動物の目の発達の -
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表題作は、どうも世界に入り込めなかったので、特に感想は書かず、併録されている「溶けない」について。
<溶けない>
子ども(小学校低学年)のころ、夜眠っているときに足を引っ張られるような感覚があり目が覚めてしまうことがたびたびあった。あの頃はオバケの仕業かとびくびくしていたのを覚えている。この小説で幼い「わたし」が恐竜に遭遇するシーンを読んだ時の印象が、ちょうどこれに似ていた気がする。
私の「足を引っ張られるような感覚」はもうなくなった。幼少時代の不思議な体験など、大人になるにしたがってそれが何か分かるあるいは気のせいだと思い、雲散霧消していくものだ。
しかし、この小説では終わらない。 -
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「いやしい鳥」「溶けない」とショートショートの「胡蝶蘭」の3篇は、いずれも不可解な怪物に出くわす話。不条理な状況に翻弄されつつも、それに抗い立ち向かうラジカルさが更に事態を悪化させるのは、初期筒井作品を彷彿とさせる。
「いやしい鳥」は、お隣に住む主婦を一方の視点に加えたことにより物語に客観性を与えスラップスティックコメディ色が薄れ、筋立ての面白さが増しているように思う。ただ、次々に登場する不快なアイテムがあまりにありふれていてややしらける。三者それぞれの切迫感は感じるのだけど精神的に追いつめられていく様子があまり見られないため全体としてエッジが立っていないように思う。読んでいる間中セサミスト -
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表題作「パトロネ」は一風変わった幽霊譚。中盤過ぎまではイメージの拡大や推測の拡がりができて面白いのだが、その後は終わらせることに意識が向かってしまっているのか、減速してしまうのが残念。皮膚病と心情をリンクさせたのは上手い。イライラ感が伝わってくる。パトロネって何かと思ったがアレだったのね。オジサンはパトローネと習いました。
「いけにえ」は普通さ凡庸さに潜在する執着や狂気といった感じ。普通のオバサンの普通の美術鑑賞がツボにはまる面白さ。美術なんて分からないと言いつつもその観賞力はただ者では無い。コミカルな文章だがこの後の作品と比べるとまだ硬い感じがする。言葉の選び方がまだこなれていないからかな -
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7つの短篇が収録されているが、前4編と後ろ3編とではテーマが異なっているように感じた。
「去勢」「狼」「ファイナルガール」に共通する非日常的なモノによる日常の破壊は、筒井の「死にかた」や「走る取的」にも似て、この後の著者の作品にも見られるスラップスティック作品群に含まれるだろう。
異常な事態に見舞われる「プファイフェンベルガー」の閉塞感。「戦争」に於ける記憶と実像の入れ子状況など、かなり重いネタにもかかわらずドライにかつユーモアすら含んだ描き方はさすがだ。
「大自然」はともかく、「プレゼント」だけは良くわからなかった。しかし身体の一部パーツへのフェティシズムにも似たこだわりは、著者の特徴