藤野可織のレビュー一覧

  • 爪と目

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    「史上最も怖い芥川賞受賞作」という触れ込み。語り手の「わたし」は幼児、「あなた」は父親の再婚相手。「あなた」は「わたし」の父親と不倫。「わたし」の母親はある日ベランダで自殺とも事故ともつかぬ不慮の死を遂げ、父親は「わたし」を連れて「あなた」と再婚します。3歳の娘がこんなふうに話せるわけもなく、その違和感が読み手の不安を誘って面白い。特に美人でもないのになぜか男性の興味を惹いて女性からは敵意を持たれる「あなた」。母性にも欠けているけれど、「わたし」を持てあまし気味だった父親は、「あなた」が来てくれて安心します。「あなた」が与えるスナック菓子をぼりぼりと食べ続けて「わたし」が太っていく様子が手に取るようで不気味。衝撃度としては高いですが、この手法は一度しか通じないと思われ、以降の作品はどうなるか。表題作以外の2編もつかみどころなく、どれも単に思わせぶりだと言えなくもありません。次も手に取るかと言われると厳しいかも。

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    2017年05月10日
  • いやしい鳥

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     胡蝶蘭はなにも言わなかった。当然だ。
     けれど、そのとおりになった。私の言ったことに従って、胡蝶蘭はしんしんと真面目に咲き、花びらに受けた茶色い傷を数日のうちに治してみせたのだ。曲がった茎まで元通りになった。私は大した手入れはしていない。
    (P.177)

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    2016年11月04日
  • きっとあなたは、あの本が好き。 連想でつながる読書ガイド

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    一つ一つの話題はあまり深みに入り込まず、それぞれのテーマ毎の対談者が連想する関連する本を上げていくような感じで進む。友達同士で、あの本って面白いよねーと語り合っているような雰囲気。特に議論が入り組むようなところがなく、この本はすごい面白いのかなと異様にひきつけられることはない。総花的にあげられた中から、よさそうな本を読んでみようかなと思うような、雑誌に表紙の絵入りで載ってたら、いい企画だなーと思うだろう本。単行本として読むとすこし軽く、物足りない気がする。
    ただ、単純にいって、なぜ今の時代でも谷崎が、普通にエンターテイメントとして楽しむことができるのか。アリスの永遠性。など。名作として考えられるものの普遍的な力のすごさに感服した。

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    2016年10月21日
  • アイアムアヒーロー THE NOVEL

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    そもそも漫画を全く読んだことがないからか、浅井リョウさんの話と、その次以降の方々の話の展開がよくわからなかった。

    でも、浅井リョウさんのは良かった。

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    2016年10月02日
  • きっとあなたは、あの本が好き。 連想でつながる読書ガイド

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     一つのテーマについてあれやこれやと語り合う鼎談集。私からしたらお偉方ばかりなのだけど、お話されている様子はとても無邪気で純粋に本が好きなのだなぁと感じられるようだった。

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    2016年03月22日
  • いやしい鳥

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    「いやしい鳥」ピッピが食いしん坊なのか、トリウチが卑しいのか。
    「溶けない」食べられても、大丈夫。恐竜は絶滅したんだから。
    「胡蝶蘭」ここまでの「鳥」や「恐竜」に比べると、この胡蝶蘭はかわいい。

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    2016年03月22日
  • きっとあなたは、あの本が好き。 連想でつながる読書ガイド

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    よく本を読むひとはあまり本を読まない人によく聞かれると思う。〇〇の本が好きなんだけどそれ系ないか、と。難しいよね、例えばこの本にもあるけど伊坂幸太郎が好きな人ってたくさんいる。伊坂幸太郎が好きな人に薦める本ってなるとわたしは東野圭吾や湊かなえを薦めてしまうけど、本書では映画なされたベストセラーとしてハニフクレイシ、アーヴィンウェルシュ、カズオイシグロなどを挙げている。伊坂幸太郎が好きと言うよりも映画化されてる面白い本というニュアンスだろうが少し違和感。
    逆に谷崎潤一郎の痴人の愛からはじまり、三島由紀夫、江國香織。大島弓子から、萩尾望都、ミランダジュライというセンスはわかる。好きだわどれも。

    読書って本当に尽きない。読んでも読んでも読んでない知らない本がたくさんある。だから面白い

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    2016年02月23日
  • パトロネ

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    妹と同棲することになった主人公。
    ある日妹は失踪し女の子が現れるーパトロネ
    悪魔を見た主人公はその美術館で働くことにするーいけにえ

    悪魔の末路が美しくて一番好きだった

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    2015年08月28日
  • ファイナルガール

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    ネタバレ

    「大自然」★★★
    「去勢」★★★
    「プファイフェンベルガー」★★★
    「プレゼント」★★★
    「狼」★★★
    「戦争」★★★
    「ファイナルガール」★★★

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    2015年04月02日
  • ファイナルガール

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    ネタバレ

    短編

    自然とは呼べない美術館でのキャンプで、眠る妹を置いて夜中にひっそりと会う深海魚。
    電話口からいつだってストーカーをしてくる存在と、少しも恐怖を感じない矛盾とクマの防犯ブザー。

    亡くなった海外の映画俳優を思いながら映画館で閉じ込められる佐藤と伊藤。
    虫歯があるとキスをしてから宣言され親知らずを抜歯した家庭教師と教え子で恋人の16歳の少女。

    5歳のときに家に来た狼が再び現れたときのために体を鍛えたが、いざというときに怖気好き細くか弱い彼女に助けられた同棲初日。
    小説の脇役サイモンに心奪われ、彼氏と別れ戦争により天涯孤独になろうとも、一番に悲しむべき死は存在しないサイモンただ一人だった。

    母は自分の命と引き換えに娘であるリサを連続殺人鬼から救ったのは母が30歳頃のことで、
    リサもきっとそのくらいで娘のために死ぬと思いきや、襲ってくる連続殺人鬼からを次々と叩きのめして生き延びる人生であった。

    不思議な話。理解できないわけではないけれど、正直なぜそうなったのかとかよくわからない。
    だけど、嫌いじゃない。爽快に連続殺人鬼を殺していくリサがうけた)^o^(

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    2015年01月08日
  • ファイナルガール

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    読み物としては、普通、かな。
    この人は客観的で冷静な視点でホラーを書くから、大仰にならず、淡々と読める。
    先日トークショーに行き、この作家を好きな理由はわかった。

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    2014年08月11日
  • ファイナルガール

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    「愛は可笑しい」を帯に冠する私にとっての不思議ちゃん、藤野可織の短編恋愛小説集。
    いやぁ笑ったね、いろんな意味で笑わせてもらいました。リノリウムの大自然を泳ぐ深海魚、熊の防犯ブザーに別れを告げられるストーカー、バイキンマンのJKに死なない狼とファイナルガール…でもやっぱり圧巻は不屈のヒーローブファイェンベルガーだろうな。
    きっとこの「可笑しい」は英訳するとsuspiciousか、いや敬意を込めて彼女にはYou are insane ! と言ってあげたい。
    何かと批判の多い昨今の芥川賞作家のリアル純文学、でも表紙を飾るマルティンクリマス氏の液体窒素でぶっ飛ぶ少女を見ればなんとなくわかるんじゃない。大事だよ「なんとなく」

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    2014年07月03日
  • ファイナルガール

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    芥川賞作家って感じ。
    (あたしの勝手なイメージ)

    暴力的で
    なんとなく気持ち悪くて
    なんとなくわけわかんない。

    みたいな。

    まぁ楽しく読めました。

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    2014年06月23日
  • ファイナルガール

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    前作よりドライで読後が複雑な感じがする短篇集だった。キャンプ物(映画『ムーンライズキングダム』ケリー・リンク『モンスター』)が好きなので『自然』『ファイナル・ガール』が特に良かった。『自然』ではいかにも現代アートにありそうな「自然」の陳腐であやしげな講釈がツボにはまった。人工の物を自然といいきる不自然な環境でのシュールなラブシーン。少年少女達のエゴが強く不器用でシュールな恋愛小説集であった。

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    2014年06月06日
  • ファイナルガール

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    ネタバレ

    装丁がすごく好き。作品の雰囲気も好き。一風変わった雰囲気の恋愛小説。藤野可織の文章というのはすごく独特。作品がもつ世界観も独特。ベタベタや甘々な恋愛小説に飽きた方におすすめ。

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    2014年04月13日
  • パトロネ

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    ネタバレ

    パトロネ、いけにえの2作だが、どちらの女性もよくわからない。
    不安定な感情のふたり。
    いけにえでは魔が出てきたり、その悪魔を捕まえて、切ったり、あぶったり
    挙句の果てには美術館の監視員もやめてしまう。
    女性の感情って、わけわかんないものなのかな。
    文章的には、なかなかいい。

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    2014年01月08日
  • いやしい鳥

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    「いやしい鳥」
    「溶けない」
    「胡蝶蘭」

    文芸誌で短編一本読んだときから何となく気になっていた作家さん。
    やはり好みな作風だった。
    いずれの話も非日常・非現実な事柄が登場するのだけれど、それがもしかしたら語り手だけの体験なのではないかと不安を抱かせる。
    この非日常との距離感がとても自分にしっくりくるもので、もっと他の作品も読みたいと思った。

    「いやしい鳥」
    即座に結びつく証拠は、この表題作でも消されている。最初に詮索好きで勝手に妄想を膨らます主婦の視点から、この物語の主要な語り手を外から描写。そして男の語りも最初は支離滅裂。とても疑わしい。
    鳥になった男の不気味さは秀逸。同じ人間とは思えないところから、本当に人外へとなってしまう。

    「溶けない」
    三編の中では一番好き。
    幼いころ「恐竜」に飲み込まれた母親は、姿形も記憶もまったく同じ別の母親になって戻ってきた。
    同じくカメレオンを見たという同じ大学の女性や、「恐竜」じゃなくコモドオオトカゲだと言う大家。
    飲まれるって何なのか?
    母親との関係性や主人公自身の変化などが、人を飲み込もうとする何かとつながりを感じられて、このつながってるぽい距離感もいい感じ。
    明白じゃないけど、意味を感じる。

    「胡蝶蘭」
    スッキリとまとまった一編。
    最後がおしゃれ。

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    2013年12月20日
  • パトロネ

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    大好きな桜木紫乃さんの直木賞受賞時に芥川賞を獲った方だったので、まずは受賞作以外を一作読んでみようと思い。
    姉と妹の話ね、と思いつつ途中まで読み進めてから、展開の理不尽さにもしやこれはと気付く。でも最後まで答えはない。意味の繋がりを見出せないストーリーは好みではないと感じ、併録の2篇目("いけにえ")は読むのを止めようか...とも思いつつ読んだら、こちらは良かった。同じ理不尽でも、ごく普通の中年主婦と悪魔という日常と非日常のバランスがおもしろく、恐ろしげな悪魔から彼女のような存在によって護られる気さえした。他の作品も読んでみようかな。

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    2013年08月30日
  • いやしい鳥

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    不知道点儿。歩くときの靴の擦れる音とか、マットに浸みついた仕舞い忘れの魚のにおいとか、日常の隙間に巨大な恐竜が現れるとか。UFS,"Unknown Flying Story"

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    2013年03月15日
  • パトロネ

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    うーん、うまくリンクできなかった中編奇譚二編。
    リンクできなければ、心に何も入ってこない。
    残念。

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    2012年07月03日