藤野可織のレビュー一覧

  • 爪と目

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    めちゃくちゃ怖い、とTwitterで見て読んだ一冊。確かにめちゃくちゃ怖かった。おかしなことが起きているのにずっと静かで、二人称のせいで気が狂いそうだった。

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    2022年08月18日
  • 私は幽霊を見ない

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    楽しかった。幽霊を見ないという著者の語り口はユーモラスなのに伝聞の小さな不思議な話が積み重なって地味に怖くなってくる。幽霊を見ないと言いながはも不思議なことはいくつか経験されているのがちょっと羨ましいような気もしつつ、私は怖いからリアルにはいいかなとも思いつつ読んだ。

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    2022年08月16日
  • いやしい鳥

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    このデビュー作は、ガーリーは抑えられ。
    寓話でもない象徴でもない、とうとつなグロテスクが冴える。

    「いやしい鳥」
    何がどうなるかと思いきや、バトル!!

    「溶けない」
    集中もっともぼんやり。

    「胡蝶蘭」
    猫の首というイメージでぐいっと惹きつけられ。

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    2022年08月11日
  • おはなしして子ちゃん

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    「いやーな感じ」で「いい」なー。
    藤野さんの小説はどれも「わたし」の扱いが巧みで、語り口がそのままぞっとするお話に直結する。

    おはなしして子ちゃん
    ピエタとトランジ
    アイデンティティ
    今日の心霊
    美人は気合い
    エイプリル・フール
    逃げろ!
    ホームパーティーはこれから
    ハイパーリアリズム点描画派の挑戦
    ある遅読症患者の手記

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    2022年08月11日
  • 私は幽霊を見ない

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    怖がりだけど、幽霊を見たいと思っている著者の
    様々な怪談を集めた記録集です。中々幽霊に遭遇
    できない著者の思いに少し共感できる部分が多く
    ありました。信じていないけども実際に見てみたい
    し、体験してみたい。中でも四国に講演に行った時のお話が良かったです。先輩作家と四国の有名な
    心霊スポット訪れたのだが、幽霊を見ることが出来なかった。ここまで、アグレシッブに幽霊に対して
    興味がでるところが印象的でした。

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    2022年08月07日
  • 私は幽霊を見ない

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    ネタバレ

    単行本のカバーイラストは芥陽子。
    もふもふおばけが、カバーにも表紙にも中表紙にも。
    文庫ではアンジェラ・ディーンの絵へ。どっちもいいな。

    藤野可織のインタビューや対談やツイッターをウェブ上で読むのが好き。
    そもそも芥川賞待ち時間に「キューバのゾンビ映画を見てました」(ゾンビ革命ーフアン・オブ・ザ・デッドー)というのも100点の解答で、正直メロメロなくらい好き。
    初のエッセイ集をこの角度で出してくるのは、嬉しくてにんまりしてしまう。
    (柴崎友香「かわうそ堀怪談見習い」の文庫に解説を寄せているので、同じKADOKAWAということもあり、対にしてみたい。)
    実話怪談には疎いが、むしろ藤野さんの地の

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    2022年08月05日
  • 爪と目

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    怖かった
    初めて読んだ時目の描写に強い恐怖をおぼえて、発狂しそうになりながら読んだのを覚えている
    何度か読み返そうと試みたがどんなホラー映画やホラー小説よりも怖く感じでなかなか開けていない笑

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    2022年07月23日
  • 爪と目

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    少し長めの表題作と短編が2つ.「爪と目」は、父、母、わたし とあなたと母親が出てきて、父とあなたが眼科で出会い、母が死んで最終的に父、あなた、わたしが一緒に暮らすことになる話だが、あなたの生活に対する思いが独特で違和感というより、唖然とする感じだった.わたしが爪を噛む件で題名の片方が認識でき、わたしがマニュキュアの薄片を作る場面で題名のもうひとつが分かった."しょう子さん"と川端くんの関係は謎めいており、"大樹"の甘えに的確に対応したお母さんの気持ちは、大樹とよく通じている.

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    2021年11月19日
  • おはなしして子ちゃん

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    作風がすごく好き!

    ・ピエタとトランジ
    言わずもがな。2人は行く先々をめちゃくちゃにしてほしい。世界を全滅させてしまうのかな?完全版が楽しみ。

    ・アイデンティティ
    題材のセンスよ…どうやったらこの題材が思いつくんだろう。すごい。

    ・今日の心霊
    長編で読みたい。「我々」のことをもっと詳しく知りたい。

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    2021年10月16日
  • ファイナルガール

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    いつか見た、妙にリアルで奇妙な夢のよう。
    そんな表現がよく似合う短編集です。

    ほら、夢の中の自分って、目の前で起こるヘンテコな出来事を違和感なく受け入れてたりするじゃん?
    各話の主人公の視点で物語を味わっていると、まさにそんな気持ちにさせられる。
    冷静に考えれば狼や連続殺人鬼が襲ってくるなんて異常事態だしプファイフェンベルガーなんて俳優いないしストーカーが電話かけてきたら通報通報!!って感じなんだけど、主人公の淡々とした視点で見ると「あるかもしれない日常」に見えてしまう不思議。
    足元がぐらつくような読後感でした。

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    2021年02月17日
  • いやしい鳥

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    ネタバレ

    え、、、どうゆうことー!!?

    怖かった。。。
    話が三つあるうちの
    話の順番が、
    いやしい鳥→
    溶けない→胡蝶蘭
    でよかった。。。

    いやしい鳥が怖すぎて、、、


    いやしい鳥、、、なぜ色んな人の証言なのか、
    入りづらかった。。。理解するのに時間かかる。けどなんとか読んだ。そして、怖くなった。

    なんた。これは!作戦なのか。。。

    どれにも共通してるのが食われるって感覚なんだけど、夕方、グエムルって怪物出てくる映画見たせいで、余計に想像された。

    三つの話の中では、
    溶けないが、面白いと感じるところが多々あった。
    日常感が所々あったからだろうか。

    胡蝶蘭は可愛らしくも思えた。

    おんなじ人が

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    2020年11月28日
  • ドレス

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    ネタバレ

    全8作。しかし一作ごとの密度よ!
    奇想がますます前面に押し出されて、彼女が背表紙に解説を書いていたブライアン・エヴンソンっぽいなーと思っていたら、文春オンライン「作家と90分」でハサン・ブラーシムとともに言及されていて、やっぱりね。
    影響云々だけでなく、同時代性ということも思う。
    「爪と目」では人称の点で妙にうきうきしたが、そんなところをゆうに越えて、人称と文体が、語られる内容である男女の分かり合えなさ(フェミニズム)を、語ることで越える。
    もはや男女や時代を超え「人の業」を対象とする小説だ。

    【 】内は河出書房新社HPより。

    ■テキサス、オクラホマ 007 【私とドローンたちの秘めやかな

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    2020年11月11日
  • ファイナルガール

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    こういう、なんだか分かるような話を読んでいると、自分にだって書けるんじゃね?って気がしてくる。適当に文を連ねて、なんとなく。
    でもまぁ適当にも思える文を書くのに適当にできるわけもなく、無礼講と言われて無礼講らしく振る舞うのがいかに難しいか、というレベルできっと大変なんだろう。しかもどこかの素人に適当にかけるんじゃね、とか思われるんだから、もうやってられんのかも。
    まぁそんなこんなで、家に突然狼がやってきたり、ちょっと変な世界をふわりふわりと漂っているのは楽しいとか面白いとかちょっと違うけど、多分好きなんだな。

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    2020年09月19日
  • 来世の記憶

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    ネタバレ

    既視感のある現代的な場面の中に近未来的な展開があったり、普通のどこにでもある日常のようでいながら異世界が捻りこんでくるような、とっても不思議な読み応えのある20の短編小説。一見普通なのにどこかに狂気を秘めていることって実際にありますよね。それをこんなふうに物語に出来るなんて凄い。現代アートを小説にしたみたいな楽しさがありました。でもグロかったりもします。スパゲティ、パスタが好きな人も『スパゲティ禍』を読んだあとはなんかウエッとなるかもしれません。AIのニコラス・ケイジが健康相談員の『鈴木さんの映画』がユーモラスで面白かった。「ニコラス・ケイジ起動」「ニコラス・ケイジ終了」私もやってみたいです。

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    2020年08月19日
  • ドレス

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    一番面白かったのは表題作「ドレス」。恋人が付けだした一風変わったイヤリングに語り手の青年が違和感を覚えるところから始まるお話で、男の自分が読んでも打算的でイヤなやつだなあと思いつつ、決してありがちな恋人同士の帰結にならないところが良かったです。二番手は巻頭のSF「テキサス、オクラホマ」。ドローンの保養所っていうのもなかなか無い発想ですが、そこからこういうグロテスクな結末にいくとは。「マイ・ハート・イズ・ユアーズ」も妊娠と出産を扱ったSFで、夫である男の最後ばかりに目が行きがちですが、ジェンダーの問題も扱っている点が良いですね。本書ではこの三作が特に印象に残りました。
    ジェンダー・フェミニズムを

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    2020年08月16日
  • 泥酔懺悔

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    総勢11名の情勢が、酒にまつわる、まあ総じてどうしようもない、どうかしている経験とその反省と言うか自らを省みて飲酒の鋼材と何故に人は記憶を失うまで泥酔しなければならないのかをシリアスに語るエッセイ集。非常に秀逸。

    なかでも山崎オナコーラさんの「ひとりでお酒を飲む理由」には身につまされてなるほどなるほどと、自分にとってのお酒の立ち位置、のみならず人との関わり方、一人でいることの楽しみ、みたいなものを的確に表現されていて膝を打つ思い。

    しかしまあ、みんな記憶をなくすんだね。ちょっと心配していたけれど、まあ、酒飲みなら普通だわな、うんうん。

    三浦しをんさん、角田光代さん、平松洋子さんといった大

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    2020年08月15日
  • 爪と目

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    ネタバレ

    怖かった。
    読みやすく好きなタイプの文だった。
    結膜炎なりやすいので痛みがよく伝わってきて、その点やだった。

    なぜかみなさんあまりコメントしないちびっこ広場が、最後ゾッとした。
    お母さんが、何度も電話してちびっこ広場に連れ出してるから呪いは実行されてるのでは、、?
    1回だけの呪いで、夜に広場に行くだけで終わるならいいけど怖い目に遭わなきゃいいな。。と変に心配になってしまった。

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    2020年05月10日
  • 泥酔懺悔

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    泥酔の失態を開き直るんじゃねぇ、と下戸の私は常々。んでも、人の泥酔を楽しむってのは面白い視点かもしんない。そんな余裕があればなぁ。
    総じて若い年代の著者のほうが面白かったかな。

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    2020年05月01日
  • 爪と目

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    芥川賞を受賞した表題作、3歳の女の子がこんなに理路整然とした語り手になれるわけないやんけ、と思いながら読んでいたのですが、ラスト近くにちゃんとからくりが書いてありました。すごく目立たないところに。この点もそうなのですが、ミスリードを誘うような書き方もされていたりして、これまで読んだ藤野さんの作品と比べてかなり技巧に凝っているなあという印象を受けました。
    一方で「いやしい鳥」で描かれていたような訳の分からないエネルギー・勢いのようなものはあまり感じられず、そのあたりに魅力を感じていた自分にとってはちょっと肩透かしをくったような読後感でした。いや、もちろん上手いんですよすごく。特にラスト3行なんか

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    2019年12月18日
  • いやしい鳥

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    面白かったです。久々に藤野可織さんを読みました。遂にご本を買ってしまった。
    好きです。奇妙で不気味でおかしくて。。
    表題作はピッピ多分ああなるんだろうな…の予想が当たったので気分悪くなりましたが、そのあとの展開が強烈でした。タイトルの意味…いやしい鳥は堀内なのですね。死闘。元妻はちょっと嬉しそうだったけど、高木の話を聞いてもそう思えるのか…余韻(?)が残ります。
    「溶けない」もうわぁ…となりましたが、「胡蝶蘭」もとても好きでした。あの花ならあり得る。「分け前はないの」ってよく考えたらすごい言葉。。
    グロテスクなのですが軽快なのでするする読んでしまいます、藤野さん。
    江國香織さんの解説も面白かっ

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    2019年12月04日