藤野可織のレビュー一覧
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ネタバレ単行本のカバーイラストは芥陽子。
もふもふおばけが、カバーにも表紙にも中表紙にも。
文庫ではアンジェラ・ディーンの絵へ。どっちもいいな。
藤野可織のインタビューや対談やツイッターをウェブ上で読むのが好き。
そもそも芥川賞待ち時間に「キューバのゾンビ映画を見てました」(ゾンビ革命ーフアン・オブ・ザ・デッドー)というのも100点の解答で、正直メロメロなくらい好き。
初のエッセイ集をこの角度で出してくるのは、嬉しくてにんまりしてしまう。
(柴崎友香「かわうそ堀怪談見習い」の文庫に解説を寄せているので、同じKADOKAWAということもあり、対にしてみたい。)
実話怪談には疎いが、むしろ藤野さんの地の -
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ネタバレえ、、、どうゆうことー!!?
怖かった。。。
話が三つあるうちの
話の順番が、
いやしい鳥→
溶けない→胡蝶蘭
でよかった。。。
いやしい鳥が怖すぎて、、、
いやしい鳥、、、なぜ色んな人の証言なのか、
入りづらかった。。。理解するのに時間かかる。けどなんとか読んだ。そして、怖くなった。
なんた。これは!作戦なのか。。。
どれにも共通してるのが食われるって感覚なんだけど、夕方、グエムルって怪物出てくる映画見たせいで、余計に想像された。
三つの話の中では、
溶けないが、面白いと感じるところが多々あった。
日常感が所々あったからだろうか。
胡蝶蘭は可愛らしくも思えた。
おんなじ人が -
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ネタバレ全8作。しかし一作ごとの密度よ!
奇想がますます前面に押し出されて、彼女が背表紙に解説を書いていたブライアン・エヴンソンっぽいなーと思っていたら、文春オンライン「作家と90分」でハサン・ブラーシムとともに言及されていて、やっぱりね。
影響云々だけでなく、同時代性ということも思う。
「爪と目」では人称の点で妙にうきうきしたが、そんなところをゆうに越えて、人称と文体が、語られる内容である男女の分かり合えなさ(フェミニズム)を、語ることで越える。
もはや男女や時代を超え「人の業」を対象とする小説だ。
【 】内は河出書房新社HPより。
■テキサス、オクラホマ 007 【私とドローンたちの秘めやかな -
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ネタバレ既視感のある現代的な場面の中に近未来的な展開があったり、普通のどこにでもある日常のようでいながら異世界が捻りこんでくるような、とっても不思議な読み応えのある20の短編小説。一見普通なのにどこかに狂気を秘めていることって実際にありますよね。それをこんなふうに物語に出来るなんて凄い。現代アートを小説にしたみたいな楽しさがありました。でもグロかったりもします。スパゲティ、パスタが好きな人も『スパゲティ禍』を読んだあとはなんかウエッとなるかもしれません。AIのニコラス・ケイジが健康相談員の『鈴木さんの映画』がユーモラスで面白かった。「ニコラス・ケイジ起動」「ニコラス・ケイジ終了」私もやってみたいです。
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一番面白かったのは表題作「ドレス」。恋人が付けだした一風変わったイヤリングに語り手の青年が違和感を覚えるところから始まるお話で、男の自分が読んでも打算的でイヤなやつだなあと思いつつ、決してありがちな恋人同士の帰結にならないところが良かったです。二番手は巻頭のSF「テキサス、オクラホマ」。ドローンの保養所っていうのもなかなか無い発想ですが、そこからこういうグロテスクな結末にいくとは。「マイ・ハート・イズ・ユアーズ」も妊娠と出産を扱ったSFで、夫である男の最後ばかりに目が行きがちですが、ジェンダーの問題も扱っている点が良いですね。本書ではこの三作が特に印象に残りました。
ジェンダー・フェミニズムを -
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総勢11名の情勢が、酒にまつわる、まあ総じてどうしようもない、どうかしている経験とその反省と言うか自らを省みて飲酒の鋼材と何故に人は記憶を失うまで泥酔しなければならないのかをシリアスに語るエッセイ集。非常に秀逸。
なかでも山崎オナコーラさんの「ひとりでお酒を飲む理由」には身につまされてなるほどなるほどと、自分にとってのお酒の立ち位置、のみならず人との関わり方、一人でいることの楽しみ、みたいなものを的確に表現されていて膝を打つ思い。
しかしまあ、みんな記憶をなくすんだね。ちょっと心配していたけれど、まあ、酒飲みなら普通だわな、うんうん。
三浦しをんさん、角田光代さん、平松洋子さんといった大 -
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芥川賞を受賞した表題作、3歳の女の子がこんなに理路整然とした語り手になれるわけないやんけ、と思いながら読んでいたのですが、ラスト近くにちゃんとからくりが書いてありました。すごく目立たないところに。この点もそうなのですが、ミスリードを誘うような書き方もされていたりして、これまで読んだ藤野さんの作品と比べてかなり技巧に凝っているなあという印象を受けました。
一方で「いやしい鳥」で描かれていたような訳の分からないエネルギー・勢いのようなものはあまり感じられず、そのあたりに魅力を感じていた自分にとってはちょっと肩透かしをくったような読後感でした。いや、もちろん上手いんですよすごく。特にラスト3行なんか -
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面白かったです。久々に藤野可織さんを読みました。遂にご本を買ってしまった。
好きです。奇妙で不気味でおかしくて。。
表題作はピッピ多分ああなるんだろうな…の予想が当たったので気分悪くなりましたが、そのあとの展開が強烈でした。タイトルの意味…いやしい鳥は堀内なのですね。死闘。元妻はちょっと嬉しそうだったけど、高木の話を聞いてもそう思えるのか…余韻(?)が残ります。
「溶けない」もうわぁ…となりましたが、「胡蝶蘭」もとても好きでした。あの花ならあり得る。「分け前はないの」ってよく考えたらすごい言葉。。
グロテスクなのですが軽快なのでするする読んでしまいます、藤野さん。
江國香織さんの解説も面白かっ