藤野可織のレビュー一覧
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ネタバレおもしろかった〜
ピエタとトランジ、女子高生バディが次々起こる殺人事件を解決していくけど、トリックは一切出てこない。ので、たぶんミステリーじゃない。シスターフッド小説で、ノワール小説で、ジュブナイル小説で、アポカリプス小説。物語の展開と二人の関係性を楽しむ本です。トランジは優秀な探偵であるとともに殺人誘発体質でしかもそれが感染するので、彼らの周囲ではどんどん人がいなくなっていく。最終的には人類が滅ぶ寸前までいくんだけど、いつまで経っても二人はずっと変わらない相棒なんだよね。良心が薄めのピエタ視点なので、トランジのせいで人類が滅亡してなお話が暗くならなくて良い。
case12.のラストシーン、ト -
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ほとんどのお話が不穏な余韻を残していく、仄暗い世界観を纏った短編でかなり好み。
「眠りの館」
眠って眠って放棄して何もかも終わった世界、でも本当に?
「れいぞうこ」
腐ることを恐れて冷蔵庫で眠り、でも穏やかに腐りゆく未来を覚悟している少女
「スパゲティ禍」
死のかたちがあまりにもシュールすぎるディストピア
「スマートフォンたちはまだ」
なぜかはうまく言えないけどこのお話が一番好き。
自分自身に対してなんだか切実で祈りみたいなものを感じて。
「怪獣を虐待する」
怪獣の存在も、怪獣を虐待するという行為も、すべてが何か別の意味を持っている気がして。怪獣を虐待した夜に見る夢も不穏で、この世界 -
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女性作家の自身の身体にまつわるエッセイ集。特に30,40代の今人気の作家さんたちだけを集めたというのが面白い。自身の身長について書かれている方もいたが、自ずと性にまつわる話が多かった。
個人的に感動したのは村田沙耶香さんと能町みね子さん。こちらの感想で、女性なのに自慰について書かれている方が多くて引いた、という感想が少なくないのは正直ちょっと残念だなと思った。村田沙耶香さんは幼少期から行っていた自慰について、いやらしいものという周囲との認識の差に未だに慣れない、ということを書かれていたのだが、子供の頃の自分の王国という表現でその感覚について本当に美しい描写をされており、涙が出そうなほど感動し -
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Posted by ブクログ
出産入院中に読むか〜と購入。
スカート履くのが嫌で泣いてた自分が出産か〜、、、という気持ちにマッチするエッセイがいくつか。
自意識についてがテーマなので当然っちゃ当然なんだが、「こういう私、どう?」が何気ない振りして3日目の経血くらい滲んでる文章も結構あったなかで、(そのヤンキーという修飾語いるか?みたいな)藤原麻里奈、すごすぎる。
女を捨ててるのに"女なのに"のリングの中で評価されることに気持ちよさを感じる、ってところ、こんな素直に自分の欲求捉えられるのすごすぎる。(2回目)
自分も自分しか見ないような日記ですらすぐ滲ませちゃうので、ああいう文章を書けるようになりたい。 -
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Posted by ブクログ
「私は幽霊を見ない。」
という一文から各エピソードが始まる
題名通り作者には一切霊感がなく、自身の恐怖体験を集めた本ではない
…のにも関わらず、一つ一つの話に何とも言えない奇妙な読後感がある
旅行先の経験・他人から聞いた話・見た映画・いつもいく場所…
自分は何も見ない、見えない、聞こえない、感じない、ならばそれでおしまいとなるところ
飄々と淡々と、時にはクスッと笑えるような感性と想像力によって受け止めたものから思考を広げる
例え自身に怪奇現象は起きなくとも、不思議と不気味は「見出すもの」と改めて思えた
そして読む人間に作者の感じた「奇妙」をお裾分けしていただけるのは有り難い
各エピソード -
Posted by ブクログ
幽霊を見たいけど見ることができない著者が、周りの人たちから怪談を蒐集していくエッセイ。
著者の語り口がとても面白くて笑いながら読めるけど、蒐集した怪談はなかなかゾッとする話もあって、笑いと怖さの塩梅が絶妙だった。
最後の「私は今も幽霊を見ない」の本当にラストの老夫婦の話が一番ゾッとしたかもしれない。
人間だとしてもだいぶ怖い。
映画をみると必ず途中でとまってしまう人の話も怖かった。怖いというか嫌だなという気持ちのほうが大きいかもしれないけど。
本を読んだり映画を観ているときに自分が幽霊のような気持ちになる、というのはよく理解できた。
私もそう思うし、それがとても心地良い。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ3歳児の「わたし」が明らかに乳幼児を超えている違和感は強烈なのに、飲み込まれるようにして読み終えてしまった。
何が起きているのか明確に分かるような作風ではないのだけれど、随所に気味の悪さと不快感がある。嫌な音を耳元で鳴らされ続けているような、胸の内を爪でカリカリされているような。
なんでこんなに自分のこと以外興味関心が特にない人達のふるまい、様子に解像度が高いのだろう。
ただ図太さというのは、誰しも多かれ少なかれ持っていて、自分にもあるかもしれない無神経さを拡大して見せられている気分になるからこそ、不快感を持つのかもしれない。
「わたし」の元々の母親もその類で、ブログに出す部屋をお洒落にするた -
購入済み
読むのに気力のいる本だった
息子が中学にあがり、性教育を考えると男性視点の情報では難しいと思う事が多々ある
SNSでこの本のことが流れてきて書評を見た時、長男の女性に対する理解に何かしら寄与するかと思い、つい反射的に購入した。
男より女性の生き方はある意味で難しいが、性を持ち出すと安易に楽な選択を選ぶこともできる。
でも、それを選ぶと多くの場合、後でツケがまわる。だから、安売りするな、という言葉を親の世代は言う。
でも、若い世代が持て余す感情は大人の説教なんて聞き入れない。で、大人になって、同じように若い世代に言う。
そこに使える武器があってもそれを使わないって難しいこと。男が腕力で相手を従わせる選択をなかなか選べない