藤野可織のレビュー一覧

  • 私の身体を生きる

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    ラジオでも話題になっていて手に取る。著者たちの年齢がほぼ年下であるということに気づく。語ることのタブーがいろいろと無くなったけれど、文筆業である以上、読み手を引き付けるプロ意識が見え隠れしていて面白い。

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    2025年09月16日
  • 私の身体を生きる

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    赤裸々に語られる身体についてのエッセイ。
    それぞれに身体の事情を抱えて生きているのだなあ。女性の場合は嫌な目に遭う機会も多くて。

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    2025年09月05日
  • 私の身体を生きる

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    女性たちによる性のエッセイ集と聞き、女性あるあるやフェミニズム的な問題提起を想像したが予想外だった。
    冒頭の西加奈子はフェミニズムへのお誘いに近いニュアンスを感じたが、続く村田沙耶香で一気に個人の話となる。
    その後も個人的なテーマを書く人が多く女性同士だけど違うのは当然、そもそも理解不能だったりする。
    でも不思議だなと思いながら読む理解不能の中に、少しだけ自分の面影があると仲間を発見したような安心がある。
    私だけの大切な話を自分も整理して書いてみたくなったり、男性バージョンも読んでみたくなった。

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    2025年08月27日
  • 私の身体を生きる

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    出産入院中に読むか〜と購入。
    スカート履くのが嫌で泣いてた自分が出産か〜、、、という気持ちにマッチするエッセイがいくつか。

    自意識についてがテーマなので当然っちゃ当然なんだが、「こういう私、どう?」が何気ない振りして3日目の経血くらい滲んでる文章も結構あったなかで、(そのヤンキーという修飾語いるか?みたいな)藤原麻里奈、すごすぎる。
    女を捨ててるのに"女なのに"のリングの中で評価されることに気持ちよさを感じる、ってところ、こんな素直に自分の欲求捉えられるのすごすぎる。(2回目)
    自分も自分しか見ないような日記ですらすぐ滲ませちゃうので、ああいう文章を書けるようになりたい。

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    2025年08月20日
  • 私の身体を生きる

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    このくらい、身体とは何かを強く感じ、自分自身の身体を感じる本が私にはひつようだった

    リレー形式ならでは、最後の方、「私の身体を生きる」ってなんやねんって議論が進展していくのが最高だった

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    2025年08月19日
  • 私の身体を生きる

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    ネタバレ

    面白かった…!
    身体について言語化することは難しいと思いながら、言語化欲求もあって、そこをストレートに表現してくれている言葉は、ポジティブなのかネガティブなのかは分からないが震動を伝えてくるようで、ちびちび読み進めました。
    わかる、わかるよ…となるところもあれば、こんな身体感覚を持つ人もいるんだ〜と知るところもあって、何かしらそれが身体にフィードバックされて、終始不思議。

    島本理生「Better late than never」
    …直後よりも、むしろ二、三日目から、不安定さを伴った執着心はピークを迎えて、その最中には激しい恋をしているようにも感じていたが、その後、十日間かけて緩やかに下降した

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    2025年08月04日
  • 私の身体を生きる

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    女性の書き手が綴る、「身体」についてのエッセイたち。

    私がこれまでの人生誰にも言わずに、日記にすら書かずに閉じ込めてきた経験や思想や感情に近しいことが書かれていたりして、私だけじゃなかったのか……!という発見がいくつもあった。

    私みたいに、自分の中に閉じ込めている人も沢山いるであろう内容をこうして書いてくださったことに感謝したい。
    生理や身体の変化のこと、妊娠のこと、性自認のこと、性欲や自慰について、ルッキズム、性癖、尊厳などなど……
    女性の体と30年付き合ってきたからこそ、どれも興味深い内容だった。

    金原ひとみさんの「パリの砂漠〜(略)」を読んだ時にも思ったのだけど、
    金原さんの文章だ

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    2025年07月26日
  • 私の身体を生きる

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    様々な作家の性に対する(主に女性)事が書かれている。性といっても色々な主観や体験があって、知らない作家さんの事は調べて知りたくなり、好きな作家さんの事は今まで知らなかった部分を知り深く知れた様な気になった。

    生々しい描写や、親しい人であっても普段はあまり聞かない言わない性の事柄にビックリしたし、何だか安心?した。
    日本では性の話しはあまりオープンじゃないからこそ、この本で色んな人の性の事が知れて嬉しかった。次回作も出たらいいな。

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    2025年06月15日
  • 私の身体を生きる

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    性被害に遭ってる人の多さに驚いた。
    それ含め、53年共に過ごしてきた自分の体について書きたくなった。
    いい本に出会ったなー。

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    2025年06月08日
  • 私の身体を生きる

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    この本を読むとだいたいの女性はなんらかの性被害に合ってる、幼い頃から大人になるまでの期間で。
    男性も性被害にあうこともあると思うけど、女性の比ではないだろう。
    そういう危険にさらされながら生きるってどういことだろう。
    そういう話しばかりじゃないけど「私の身体を生きる」というテーマで書くとなったらそこは避けられないことなんだろう。
    特に西加奈子、柴崎友香、金原ひとみ、朝吹真理子、藤野可織、藤原麻里菜のは身につまされた。
    千早茜の「私は小さくない」は共感。(そこまで激しく大きく強くなりたいとは思わなかったけど)
    鈴木涼美の「汚してみたくて仕方なかった」はぶっとんでた。すごいアカデミックな環境だから

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    2025年06月03日
  • 私の身体を生きる

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    ネタバレ

    自分の身体、この女の身体について色々考えたりすることが最近多くてなんかつらくて手に取った。女性たちが自分たちの身体のことや性のことを話すときなぜだか安心する。わたしもそう思っていると、同じように考えている人がいるというのはそういう安心材料になるんだと思う。どの書き手も性被害を受けている人が多くて本当に社会はクソだ…… 碌でもない人ばかりで、そのせいで自分の体を大切にできない女性がいたりするんだと知った。
    わたしはもうずっと女しか子どもを産めないことが本当に許せないので、藤野可織さんの妊娠についてのエッセイは本当に本当にめちゃくちゃ凄いな〜と思った。妊娠出産の機能を持つのが女性だけである時点で

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    2025年04月30日
  • 私は幽霊を見ない

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    読めば読むほど不思議な怖さに出会えて面白い。
    藤野さん自らの体験だったり人から聞いた不思議な話や、ホラーな体験など、どの話も読んでてゾワゾワする面白い作品した。

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    2025年03月20日
  • 私は幽霊を見ない

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    「私は幽霊を見ない。」
    という一文から各エピソードが始まる
    題名通り作者には一切霊感がなく、自身の恐怖体験を集めた本ではない
    …のにも関わらず、一つ一つの話に何とも言えない奇妙な読後感がある

    旅行先の経験・他人から聞いた話・見た映画・いつもいく場所…
    自分は何も見ない、見えない、聞こえない、感じない、ならばそれでおしまいとなるところ
    飄々と淡々と、時にはクスッと笑えるような感性と想像力によって受け止めたものから思考を広げる

    例え自身に怪奇現象は起きなくとも、不思議と不気味は「見出すもの」と改めて思えた

    そして読む人間に作者の感じた「奇妙」をお裾分けしていただけるのは有り難い
    各エピソード

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    2024年10月21日
  • 私は幽霊を見ない

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    幽霊を見たいけど見ることができない著者が、周りの人たちから怪談を蒐集していくエッセイ。

    著者の語り口がとても面白くて笑いながら読めるけど、蒐集した怪談はなかなかゾッとする話もあって、笑いと怖さの塩梅が絶妙だった。

    最後の「私は今も幽霊を見ない」の本当にラストの老夫婦の話が一番ゾッとしたかもしれない。
    人間だとしてもだいぶ怖い。
    映画をみると必ず途中でとまってしまう人の話も怖かった。怖いというか嫌だなという気持ちのほうが大きいかもしれないけど。

    本を読んだり映画を観ているときに自分が幽霊のような気持ちになる、というのはよく理解できた。
    私もそう思うし、それがとても心地良い。

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    2024年08月26日
  • 爪と目

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    ネタバレ

    3歳児の「わたし」が明らかに乳幼児を超えている違和感は強烈なのに、飲み込まれるようにして読み終えてしまった。
    何が起きているのか明確に分かるような作風ではないのだけれど、随所に気味の悪さと不快感がある。嫌な音を耳元で鳴らされ続けているような、胸の内を爪でカリカリされているような。
    なんでこんなに自分のこと以外興味関心が特にない人達のふるまい、様子に解像度が高いのだろう。
    ただ図太さというのは、誰しも多かれ少なかれ持っていて、自分にもあるかもしれない無神経さを拡大して見せられている気分になるからこそ、不快感を持つのかもしれない。
    「わたし」の元々の母親もその類で、ブログに出す部屋をお洒落にするた

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    2024年08月09日
  • 私の身体を生きる

    購入済み

    読むのに気力のいる本だった

    息子が中学にあがり、性教育を考えると男性視点の情報では難しいと思う事が多々ある
    SNSでこの本のことが流れてきて書評を見た時、長男の女性に対する理解に何かしら寄与するかと思い、つい反射的に購入した。

    男より女性の生き方はある意味で難しいが、性を持ち出すと安易に楽な選択を選ぶこともできる。
    でも、それを選ぶと多くの場合、後でツケがまわる。だから、安売りするな、という言葉を親の世代は言う。
    でも、若い世代が持て余す感情は大人の説教なんて聞き入れない。で、大人になって、同じように若い世代に言う。
    そこに使える武器があってもそれを使わないって難しいこと。男が腕力で相手を従わせる選択をなかなか選べない

    #タメになる

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    2024年08月04日
  • 爪と目

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    ネタバレ

    二人称にしているのはどうしてだろう。いつ時点?
    主人公の女性がサイコパスっぽいのが芥川賞っぽいなと思いながら読んだ。
    うまく説明ができないが、不思議な雰囲気で着地点が気になって、面白かった。3つめの話もサラッとホラー感があってうまいなぁと思った。
    他の作品も読んでみたい。

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    2024年07月27日
  • 私は幽霊を見ない

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    失礼ながら、ここのところ何冊かイマイチな読書が続いてしまったので、ここでこの本を読めて良かったです。表紙も可愛いし。
    五時じじい爆誕の話とか、お父さんとおたまとか、幽霊の手形を試そうとしてブラのホックが外れた話とか、いいよね。

    基本的にラフにサラッと書かれてるけど、小学校の校舎の描写とか秀逸で、その暗さや冷たさが超想像できる。怖いところはちゃんと怖い。
    変に怖がらせようとしてないところが、逆に冷やっとする。

    でも、一番怖かったのはニューオーリンズでの話と、ご主人が悉く植物を枯らす話。
    ほんと、生きてる人間が一番手に負えんわ…

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    2024年07月21日
  • ドレス

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    爪と目の作家と知って腑に落ちました。常識が歪んでいくちょっと気持ち悪い感じ、うんうん、こんな感じの読み心地だったね〜と懐かしく思い出したけど、爪と目より大分読みやすかったのは人称が二人称じゃなかったからかしら??

    短編集でそれぞれ完全に独立した話なのですが、それぞれ読み進めていくと、「どうもこの物語世界は、こっちの世界の法則が一部通用しない世界線らしいぞ」と薄々勘付くに至ります。
    わずか数語・数行でその説明がなされた時の気持ちよさと、物語世界の法則のキミ悪さの塩梅が絶妙。


    ◉テキサス、オクラホマ
    生肉色のパーカーと、ドローン達の保養所。

    ◉マイ・ハート・イズ・ユアーズ
    はかなげな夫とた

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    2024年05月13日
  • いやしい鳥

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    オカメインコ?鳥人間?誰がピッピを殺したの?塀を歩く猫は本当に猫?恐竜?カメレオン?コモドオオトカゲ?食べられたのは誰?胡蝶蘭と分けっこするのは男?
    動物も植物も人間も入り乱れた奇天烈な世界に酔いしれる。これはヤバい!!面白かった。

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    2024年03月01日