私は幽霊を見ない

私は幽霊を見ない

880円 (税込)

4pt

私は幽霊を見ない。見たことがない。さらに目が悪い。心眼でも見えないし、知覚する脳の器官も機能しない……。だけどいつでもどこでも怖がっている筋金入りの怖がりだ。そんな著者は怪談専門誌で怪談実話を連載することに。そこで小学校時代からの恐怖体験を紹介。築百二十年の小学校の女子トイレには、“四時ばばあなる老怪女”や“病院で死んだ三つ子の霊”が出現すること。大学時代の友人たちから怖い話を聞き取りしたこと。友達の友達のお姉さんがイギリスのホテルで胸苦しくて目覚めると、金髪の白人女性がなにかをまくしたてながら首を絞めてきた話や、所属していたカメラクラブの部室の廊下を首のない女が走るという話などを思い出す。芥川賞を受賞し、上京した際には、編集者や出会った人たちからの聞き取りを怠らなかった。タクシー運転手が背負った自殺者の霊の話、マン島で見た妖精のような小さい人と目が合うとウインクしてどこかへ消えた話、自分が殺される夢を見たその夜に殺人事件が起こった話、深夜誰もいないトイレで鳴らされたナースコールなど。心霊体験をしたいがために、徳島県の廃墟ホテル訪問したり、レジデンスで訪れたアメリカで出ると言われているホテルに泊まったが幽霊には出会えず。幽霊には会えていないけれど、幽霊とは何かという問いの答えは知っている。“幽霊とは、生きているときに上げられなかった声”だ。私たちは誰であれ今でも、上げられない声を抱えながら生きているから、こんなにも幽霊を追い求めるのだろう。著者の幽霊探しの旅は続く。文庫化にあたり、書下ろし収録。【解説】朝吹真理子 【カバー絵】アンジェラ・ディーン

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私は幽霊を見ない のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    幽霊を見ない著者が人が体験した怖い話を聴いて回る様子をときにコミカルに書き綴った本。
    様々な怪異に遭遇した人の話がみちみちに詰まっているのだが聴取している本人はそういったものは見ないのでカラッとしているというか。
    私は一度だけ変なものを見た事があるが、この本に出てくる人達もそういう温度感で自身のエピ

    0
    2024年07月30日

    Posted by ブクログ

    作者さん自体が不思議な感じのする人だなーと思う
    映画に出てきた親切な幽霊になるなら手術の担当になってくれた執刀医のところに出たいという話がとても好き

    読み終える直前に部屋の中でバチッ!って音がしてすごいビビった テレビ置いてある方向からだったので配線とか見てみたけど何もなかった 普段こんな音したこ

    0
    2024年02月28日

    Posted by ブクログ

    読めば読むほど不思議な怖さに出会えて面白い。
    藤野さん自らの体験だったり人から聞いた不思議な話や、ホラーな体験など、どの話も読んでてゾワゾワする面白い作品した。

    0
    2025年03月20日

    Posted by ブクログ

    「私は幽霊を見ない。」
    という一文から各エピソードが始まる
    題名通り作者には一切霊感がなく、自身の恐怖体験を集めた本ではない
    …のにも関わらず、一つ一つの話に何とも言えない奇妙な読後感がある

    旅行先の経験・他人から聞いた話・見た映画・いつもいく場所…
    自分は何も見ない、見えない、聞こえない、感じな

    0
    2024年10月21日

    Posted by ブクログ

    幽霊を見たいけど見ることができない著者が、周りの人たちから怪談を蒐集していくエッセイ。

    著者の語り口がとても面白くて笑いながら読めるけど、蒐集した怪談はなかなかゾッとする話もあって、笑いと怖さの塩梅が絶妙だった。

    最後の「私は今も幽霊を見ない」の本当にラストの老夫婦の話が一番ゾッとしたかもしれな

    0
    2024年08月26日

    Posted by ブクログ

    失礼ながら、ここのところ何冊かイマイチな読書が続いてしまったので、ここでこの本を読めて良かったです。表紙も可愛いし。
    五時じじい爆誕の話とか、お父さんとおたまとか、幽霊の手形を試そうとしてブラのホックが外れた話とか、いいよね。

    基本的にラフにサラッと書かれてるけど、小学校の校舎の描写とか秀逸で、そ

    0
    2024年07月21日

    Posted by ブクログ

    ところどころクスッと笑える。
    私も幽霊は信じないけれど、幽霊は怖いし、不思議な話を聞くとおおっ!となる。聞くのは楽しい。
    著者のこのスタンスで集めた怖い話って読んだことがなかったので、なかなか面白く読めた。
    あと、本筋とは関係ないのだけど、ニコラス・ケイジだけでなくドニー・イェンの画像をせっせと保存

    0
    2023年05月25日

    Posted by ブクログ

    楽しかった。幽霊を見ないという著者の語り口はユーモラスなのに伝聞の小さな不思議な話が積み重なって地味に怖くなってくる。幽霊を見ないと言いながはも不思議なことはいくつか経験されているのがちょっと羨ましいような気もしつつ、私は怖いからリアルにはいいかなとも思いつつ読んだ。

    0
    2022年08月16日

    Posted by ブクログ

    怖がりだけど、幽霊を見たいと思っている著者の
    様々な怪談を集めた記録集です。中々幽霊に遭遇
    できない著者の思いに少し共感できる部分が多く
    ありました。信じていないけども実際に見てみたい
    し、体験してみたい。中でも四国に講演に行った時のお話が良かったです。先輩作家と四国の有名な
    心霊スポット訪れたのだ

    0
    2022年08月07日

    Posted by ブクログ

    読みやすく、エッセイとしても怪談話としても成立している作品だった。クスッと笑いながらどこかで怖くなっているのがよい。

    0
    2025年08月13日

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