藤野可織のレビュー一覧
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表題作「パトロネ」は一風変わった幽霊譚。中盤過ぎまではイメージの拡大や推測の拡がりができて面白いのだが、その後は終わらせることに意識が向かってしまっているのか、減速してしまうのが残念。皮膚病と心情をリンクさせたのは上手い。イライラ感が伝わってくる。パトロネって何かと思ったがアレだったのね。オジサンはパトローネと習いました。
「いけにえ」は普通さ凡庸さに潜在する執着や狂気といった感じ。普通のオバサンの普通の美術鑑賞がツボにはまる面白さ。美術なんて分からないと言いつつもその観賞力はただ者では無い。コミカルな文章だがこの後の作品と比べるとまだ硬い感じがする。言葉の選び方がまだこなれていないからかな -
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7つの短篇が収録されているが、前4編と後ろ3編とではテーマが異なっているように感じた。
「去勢」「狼」「ファイナルガール」に共通する非日常的なモノによる日常の破壊は、筒井の「死にかた」や「走る取的」にも似て、この後の著者の作品にも見られるスラップスティック作品群に含まれるだろう。
異常な事態に見舞われる「プファイフェンベルガー」の閉塞感。「戦争」に於ける記憶と実像の入れ子状況など、かなり重いネタにもかかわらずドライにかつユーモアすら含んだ描き方はさすがだ。
「大自然」はともかく、「プレゼント」だけは良くわからなかった。しかし身体の一部パーツへのフェティシズムにも似たこだわりは、著者の特徴 -
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芸術としての大自然の中でボーイフレンドと過ごす「大自然」
熊の防犯ブザーとストーカー「去勢」
プファイフェンベルガーが好きな女の子はボーイフレンドと映画館の屋上に登る「プファイフェンベルガー」
教え子で彼女である少女と歯を抜きに行く「プレゼント」
彼は狼を恐れている、倒そうとしている「狼」
ハリーとレニーと、そしてサイモンの死「戦争」
「ファイナルガール」は、小さい頃母親のおかげでアパート唯一の生き残りとなった。しかし連続殺人鬼は何度でも訪れる。
彼女は30歳で娘を守り死ぬのだと信じる。
藤野可織は、息を詰まらせる描写がうまいなあ。ホラーでありながらユーモアもあるから、安心して読める。 -
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「爪と目」「パトロネ」に続いて3冊目、相変わらず不思議ちゃん全開の藤野ワールド。
飲み会帰りにひょんなことから転がり込んで来た学生がペットのオカメインコを食ってしまったあげく自らがそのものになってしまい飼い主を攻撃するという荒唐無稽なストーリーなのだがやはり構成が冴えている。
読み手はオポチュニズム然とした隣人の主婦の目線で事件を俯瞰するという設定が面白い。そしてもっと面白いのは藤野さんが書きながらクスクス笑っているのだろうなと思わせる小技の数々。
若いのに曲者、なかなかやるな!が感想でした。
PS…ベリーショートながら「胡蝶蘭」が秀逸!新進気鋭の作家藤野可織そのもののシュールな仕上がりでし -
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奇想×フェミニズム。
エグめの描写と、唐突にボカッと空虚に投げ出される感覚
連想:マーガレット・アトウッド「侍女の物語」。
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そっちはどうですか? あいかわらず最悪ですか?
こっちはこっちでまぁまぁ最悪かな!
無責任な暴力、すれ違う意識、のしかかる思い込み――
8人のきららの8つの人生が照射する
残酷でかすかにあたたかい世界の物語
人気モデル兼女優の偽物、痴漢された女子高生、特別な日を撮影するカメラマン、推しの若き死を願う会社員……
あちこちに現れて 誰かであり 誰でもない
名前のない私たちみんなが
「きらら」として生き抜いている
目次
■トーチカ
■積み重なる密室
■スカート・デ -
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リレーエッセイ方式で17人の書き手が
『私の身体を生きる』という性をテーマに綴った作品。
想像していた感じと、かなり違っていた。
同じテーマでも書き手によって随分とみえる世界が変わるものだ。編集者から依頼された形で綴っているためか、何となく及び腰に感じる作品も少なくない。
女性しばりでリレーエッセイ集にした意味する所も、問いたいが、赤裸々告白をするものから、トラウマ的な内容を飄々と語ったものまで、多種多様・・・
トップバッターの島本理生さんの作品だけは、眠っていたような共感が呼び起こされる様な感覚があった。
恋愛ものがお得意な作家さんだけに、性の役割にも飄々と鋭い着眼点をお持ちだ。
色