小路幸也のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
きみは知らない/きみを知りたい
僕は動けなかった。恐怖心からではなく、男たちを叩きのめすその女性に見惚(みと)れてしまったんだ――。
その夜、カメラマン志望の大学生・木下英志は夜景を撮っていた。人気(ひとけ)のない公園で鈍い音を聞きつけカメラを向けると、そこには一人の女性がいた。彼女は屈強な男たちを叩きのめすと、車椅子の老人を伴い車へと消えた……。後日、改めて画像を見た英志は気づく。「似ている。横顔が、あの子に」
〈カウガール〉と名付けた彼女の画像を頼りに、その正体に近づいていく英志だったが、やがて彼女自身にも心を寄せていく。そして辿り着いた真相と、彼女の家族が背負った哀しい過去とは? -
Posted by ブクログ
湘南のとある家族の物語。
四人の子を持つ父親。だが、兄弟は皆母親が違う。一つ屋根の下。ある日、父は「楽園の話を聞いてくれないか」と、言い残し、旅立つ。
産むつもりではなかったのに産まれてしまった子、経済的理由で捨てられた子、虐待から逃れた子、望まれて産まれてこなかった子...
も、世の中にはいるわけです。
しかし、出生はなんであれ、育て上げられた環境がどんなに重要か。
赤ちゃんポストの意義と意味を反芻する。
賛否を問うのはそこなのか、と。
母になったあなたはどんな気持ちで、これを読み終えるのかな。
一冊を通して、実に爽やかで前向きな作品でした。家族ものを書かせたら、やはり小路幸