あらすじ
榎本帆奈は驚いた。金曜日の夜、行きつけのバーで隣り合ったハンサムな男性は、死神だったからだ。帆奈に召喚されたという死神は、いままで一度も“幸せ”を感じたことがないらしい。なぜなら“幸せ”を感じた瞬間、死神は……「幸せな死神」。池内雅人は貧しかった。貧乏神に取り憑かれていたのだ。ツキに見放された人生だったが、そんな人生を自ら<小吉人生>と称して楽観視していた。一方、貧乏神には雅人に取り憑かなければならない“理由”があった。なぜなら雅人が並々ならぬ……「貧乏神の災難」。人は時に、感謝したり、絶望したり、大事なものを見失いかけたりするもの。そんな人々の前に現れる神様の「意外な目的」が胸を打つ。「東京バンドワゴン」シリーズで人気の著者が紡いだちょっぴりひねりを利かせた短篇集。
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色んな神様がそれぞれ主人公の短編集でした。
初めて聞く神様もいたり、少しずつ話が繋がっていたりして面白かったです。
気軽に読めて私は好きでした。
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読みやすく、面白い作品でした。
死神や貧乏神、疫病神は人間に悪い影響を与えるイメージでしたが、この作品では死神や貧乏神、疫病神も人間のためにいて、人間のことを想っているという設定がポジティブでいいなと思いました。
短編が7話で、話が繋がっていたので読みやすかったです。
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八百万の神様の中から、死神、貧乏神、疫病神、道祖神、九十九神、福の神が登場する。
何とも不思議であったかい気もちになるお話たちでした。
ラストで、福の神の健忘症対応に現れた死神が第1話に登場する死神で、ひょんなことで出会った女性から贈られた素敵な名前がわかって、HappyEndって感じでした。
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なんとも人間ぽい神様たち(笑)
一神教のような全能ではない故に身近に感じる。
貧乏神や疫病神も厄災をもたらすだけではないのだなあ。
まさに「災い転じて福となす」(≧∇≦)b
こういう作品は小路幸也氏の持ち味がうまく生きてくる。
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なんてやさしくて、温かなお話なんでしょうか。
もうね、大好きです♪
私は十月生まれなので、
神様がみんな出雲大社にいかれてしまう神無月は淋しいなって思ってました。
でも調べてみたら留守神様がいらっしゃるんですね。
よかった。よかった。
そして神様たちが出雲大社で何をなさるのか?
会議だそうです。
読んでいて十月となんの関係があるの?と不思議でしたが、
そういうことなんですね、きっと。
死神さん、貧乏神さん、疫病神さん
なんか”さん”付けで呼びたくなるくらいです。
不幸なことを運んでくるのではなく、
そばで見守りそっと手助けしてくれているなんて…。
死神さんはどんな素敵な名前をもらったのかなぁ?
全話好きですが、なかでも一番は九十九神さんのお話。
おかまさんが割れてしまったときは「え~!」でしたけど、めでたしめでたし。
私も神社にお参りにいき、仏様に掌を合わせ、
クリスマスを楽しみにする日本人です。
それでも自分だけの神様はいらっしゃると信じて来ました。
これから自分だけが貧乏くじをひかされたなんて感じたときは、
「実は私は福の神さんなんだぞ。忘れてるだけなんだから~」
とでもつぶやきましょうか♪
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神様を身近に感じれる優しい小説。
各神様が登場する短編小説です。
個人的に「一人の九十九神」が良かったです。
なんだか物を大事に大切に使いたい気持ちになりました。
他の短編も面白く神様の捉え方が変わる小説でした。
神様は身近にいるのでしょうね。
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色んな神様が出てくる短編集。話がリンクしているものもある。優しい話。東京バンドワゴンが最新作に追いついたので別のシリーズもと思って読みました。
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神さまの閑話ってところかしら。小路らしく、優しくまったり心地よく、やわらかい。6話それぞれ独立して読ませる一方で、うまくつながっている。心地よい閑話です。
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そうなんだ、八百万の神様って貧乏神、厄病神、死神までもがそうだったのか。
どの神様も人間臭くてとても愛しいキャラクターで、ほっこりした気持ちになれるいいお話でした。
神社や神棚の前で神妙に頭を下げる遠い存在だったのが、神様をすごく身近に感じられるようになりました。そういえば子供の頃おばあちゃんがトイレにもお風呂にも神様がいるからいつも綺麗にもしとかないといけないよって言ってたな。
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人々に寄り添う死神、貧乏神、疫病神、九十九神、福の神のお話し。決して人を不幸にする存在でないこと、人も神に与えることが可能なことを教えてくれる。
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昔から居るとされる神様が現代に居るとしたら、こんな風に馴染んでるのかと思うと面白い。
どのように助けているかを主張するわけでもなく、時には人間と友人のような関係になりながらも、自分の仕事をひたすら全うする様子は切なくも感じる。
どの短編も読みやすかったが、九十九神のお話が特に好きだった。
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小路さん流の神さまたちのお話。見守る神あれば共に暮らす神あり。
「人間はいいですね。凄いですね。なろうと思えば何にでもなれる」@死神。うーん、そうきますか。
年の初めに気持ちが引き締まるような本でした。お天道様に恥じないように生きていかなくては。
カバーが二重になっていて、内側のイラストも綺麗でしたがやはり鳥居の表紙がしっくりくると思います。
福の神さまに幸あらんことを!
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あんまりエエイメージのない神様(道祖神なんかはそうでもないが)を主人公に据えた連作短編集。
こういう物語が書けるのも、日本独特の八百万神信仰があるからこそ。一神教からはちょっと成立しにくい物語なんだろうなぁ。
小路幸也の優しさあふれる文体にばっちりはまる。「あらゆるものに神様が宿る」という考え方は、優しさとか柔らかさとか許容の心、みたいな思想信条に似合う考えなのかもなぁ。
読みやすくて、ちょっと感動できてグッド。おかゆさんみたいな本です。
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か・み・さ・ま・の・い・う・と・お・り-。「幸せな死神」「貧乏神の災難」「ひとりの九十九神」など全6篇を収録した、神様たちの意外な目的が胸を打つ短篇集。月刊文庫『文蔵』掲載に書き下ろし等を加えて単行本化。
Twitterでフォローをしているものの,初めて読みました。
巡り巡ると繋がっていて,優しい気持ちで読み終えられました。
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八百万の神。
死神、貧乏神、疫病神、道粗神、九十九神、福の神。
みんな優しいのよねぇ…
生きている、生きていくってことは、守られているってことなんだなぁ…
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神様って人間っぽい。
楽しく読んだ。
日々の暮らしに司る神々の仕事とお遊び。
優しいけれど、戒めになった気がする。
子どものころ、、不幸だ、と思うことが続くと
自ら食器を割って
「これでおしまい」と祖母は言った。
「九十九神」を読んで思い出した。
今よりもう少しでいいから
丁寧に生きてみたいと思った次第。。。(^^ゞ
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神様が一堂に集まる10月。おそらく1年間にあった人間のとの関わり合いを話すのだろう。共にある存在。八百万の神。全てのものに神が宿るという日本人の想いはすばらしいと思う。
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神様と言っても古事記に出てくる様な有名な神様ではなく、八百万の神様と言われる人間の生活に身近な神様の物語。
死神、貧乏神、疫病神、道祖神、九十九神、福の神。
なぜ貧乏神や疫病神が存在するのか。
それは決して人間を不幸にする為ではないという視点が面白かった。
最後の福の神は思考が限りなく人間に近くなってしまって、うーん……という感じだった。
十月に意味があったのかは不明。
基本的にハートウォーミングな短編集。
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八百万の神様たちが人間界に自然に溶け込み、各々の役目を果たす様子を描いた物語。自分が神であることをわすれている神もおり、妙に人間くさいのが魅力。
「東京バンドワゴン」シリーズはずっと追いかけているが、著者の他の作品は初めて読む。初めは少し違和感もあったが、やはりほっとさせられる。神様っぽくなくて、なんなら人間より少し不幸に見えるところが切ない。お釜の九十九神と警備会社の道祖神、小児科に現れる疫病神が良かった。タイトルの十月は、関係があったのかはわからなかったが。
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さらーっと。
いろんな神様が人と共存してるっていう、ほんわかした話。
まぁ、幸運やら悪運やら、人の力及ばぬ何かで人生動いていると感じることも多々あり、こんな神様たちに操作されてるのならそれもありかと。
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「東京ラブワゴン」などで知られる作家さんだけど、これが初読み。優しい作品を書く作家さんという評判通り、今作も神様にまつわる連作短編集。
死神、疫病神、道祖神、福の神…日本には八百万の神がいるとされているが、その神様達が人間界で活躍する様子を描く。
決して日常的ではないが、登場人物がみんないい人で、とってもほっこりする。
神様が身近に感じられる作品。
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榎本帆奈は驚いた。金曜日の夜、行きつけのバーで隣り合ったハンサムな男性は、死神だったからだ。帆奈に召喚されたという死神は、いままで一度も「幸せ」を感じたことがないらしい。なぜなら「幸せ」を感じた瞬間、死神は…(幸せな死神)。池内雅人は貧しかった。貧乏神に取り憑かれていたのだ。ツキに見放された人生だったが、そんな人生を自ら「小吉人生」と称して楽観視していた。一方、貧乏神には雅人に取り憑かなければならない“理由”があった。なぜなら雅人が並々ならぬ…(貧乏神の災難)ほか、4篇。神様たちの意外な目的が胸を打つ短篇集。
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死神に貧乏神、厄病神、いろいろな神様の出てくる短編集。福の神が、自分は貧乏くじを引きながらも周りを幸せにしているだなんて。一番好きだったのは九十九神のお釜。