【感想・ネタバレ】すべての神様の十月のレビュー

あらすじ

榎本帆奈は驚いた。金曜日の夜、行きつけのバーで隣り合ったハンサムな男性は、死神だったからだ。帆奈に召喚されたという死神は、いままで一度も“幸せ”を感じたことがないらしい。なぜなら“幸せ”を感じた瞬間、死神は……「幸せな死神」。池内雅人は貧しかった。貧乏神に取り憑かれていたのだ。ツキに見放された人生だったが、そんな人生を自ら<小吉人生>と称して楽観視していた。一方、貧乏神には雅人に取り憑かなければならない“理由”があった。なぜなら雅人が並々ならぬ……「貧乏神の災難」。人は時に、感謝したり、絶望したり、大事なものを見失いかけたりするもの。そんな人々の前に現れる神様の「意外な目的」が胸を打つ。「東京バンドワゴン」シリーズで人気の著者が紡いだちょっぴりひねりを利かせた短篇集。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

なんてやさしくて、温かなお話なんでしょうか。
もうね、大好きです♪

私は十月生まれなので、
神様がみんな出雲大社にいかれてしまう神無月は淋しいなって思ってました。
でも調べてみたら留守神様がいらっしゃるんですね。
よかった。よかった。

そして神様たちが出雲大社で何をなさるのか?
会議だそうです。
読んでいて十月となんの関係があるの?と不思議でしたが、
そういうことなんですね、きっと。

死神さん、貧乏神さん、疫病神さん
なんか”さん”付けで呼びたくなるくらいです。
不幸なことを運んでくるのではなく、
そばで見守りそっと手助けしてくれているなんて…。
死神さんはどんな素敵な名前をもらったのかなぁ?

全話好きですが、なかでも一番は九十九神さんのお話。
おかまさんが割れてしまったときは「え~!」でしたけど、めでたしめでたし。

私も神社にお参りにいき、仏様に掌を合わせ、
クリスマスを楽しみにする日本人です。
それでも自分だけの神様はいらっしゃると信じて来ました。

これから自分だけが貧乏くじをひかされたなんて感じたときは、
「実は私は福の神さんなんだぞ。忘れてるだけなんだから~」
とでもつぶやきましょうか♪

0
2016年02月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

あんまりエエイメージのない神様(道祖神なんかはそうでもないが)を主人公に据えた連作短編集。
こういう物語が書けるのも、日本独特の八百万神信仰があるからこそ。一神教からはちょっと成立しにくい物語なんだろうなぁ。

小路幸也の優しさあふれる文体にばっちりはまる。「あらゆるものに神様が宿る」という考え方は、優しさとか柔らかさとか許容の心、みたいな思想信条に似合う考えなのかもなぁ。

読みやすくて、ちょっと感動できてグッド。おかゆさんみたいな本です。

0
2017年07月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

か・み・さ・ま・の・い・う・と・お・り-。「幸せな死神」「貧乏神の災難」「ひとりの九十九神」など全6篇を収録した、神様たちの意外な目的が胸を打つ短篇集。月刊文庫『文蔵』掲載に書き下ろし等を加えて単行本化。

Twitterでフォローをしているものの,初めて読みました。

巡り巡ると繋がっていて,優しい気持ちで読み終えられました。

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2016年12月21日

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