小路幸也のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
小説家でラジオのパーソナリティを務める主人公。
そんな槇村が子供の頃に誘拐された経験があるなんて、サスペンスフルで緊迫感があふれた展開になってもおかしくないのに、さらりと流れていくのが小路幸也さん。
番組の中で読み上げられるハガキも誰かのある一日がふんわりしていて、こういうラジオ番組ならゆったりとして気分で聴くともなしに聴いているのに似合いそう。
槇村が番組の中で「小路幸也」の名前を出したのもご愛敬。
東京に降り立った時に空気が違うと感じるのは、その通りで私も何度も実感している。
「誘拐事件」の謎もちゃんと解決して、日常は日常の中に。よかった。 -
Posted by ブクログ
また一冊、素敵な本に出会えた。
複雑な環境に育ったまひろ。「運が悪かったのかなって思ったことはあるけれども、不幸なんて思わなかった。」そんなふうに捉えられるなんて、素敵だなと思う。
からさんも、裕子さんも、タロウも柊也もみんな優しくて温かい。
からさんの言葉は心に残るものがたくさんあった。
からさんだけでなく、最後の章に登場する人たちの言葉は重くて、でも温かくて、久しぶりに読みながら目頭が熱くなった。
今を生きているということ、どう生きるかということ、人を想うこと、家族とは、いろんなことが詰まった本だった。
続きの伽羅の章も、味わって読もう。 -
Posted by ブクログ
これは忘れられない本になった!
私は松田史さんの話が印象が強かった。若い時のある日、家を出かけてから行くとこ行くとこばったり会う壮年、優しそうな人。駅で映画館で、そして友人と行ったイタリアンのお店でまで、あまりの奇遇に最後は席が足りず相席して3人でご飯を食べるという展開。そして、その5年後、結婚を考えた男性の父がなんとその壮年!驚きだった‼️あとで聞いた話はその日は亡き義母の命日で壮年は思い出の場所を一人で巡っていたと。「母さんが二人の縁をつないでくれてのかもしれないなぁ…とは思ったんだが、てもそうとは言い切れないしなぁ」
こういうことあるんだ、いい話だなと思って、その日大学生の息子が学園祭