小路幸也のレビュー一覧
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「東京バンドワゴン」シリーズの番外編。
サチさんの娘時代のお話です。
五条辻咲智子は、子爵の父親から木箱に入ったある重要文書を渡され、静岡の伯母の家へ持って行くよう頼まれる。
〈箱〉を狙われ、アメリカ兵に連れて行かれそうになる咲智子を助けたのは、堀田勘一だった。
命の危険から身を守るために、咲智子は勘一の結婚相手堀田サチとして、堀田家に世話になることになる。
勘一の父親も母親も温かく、堀田家に寝泊まりする混血の若者や元軍人や戦災孤児など、終戦直後の東京ではそれぞれみんなが何かを抱えて生きているけれど、堀田家に悲しい顔は似合わない。
堀田家の家訓に従って事が運ばれていきます。
ジャズバンド〈T -
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ネタバレ久しぶりの東京バンドワゴン!妻から4巻目はちょっと違うよ~ということで期待度大。なるほど、今回は戦後すぐの堀田家で、番外編だったんだね。国家秘密の重要文書を託された子爵の娘・咲智子(サチ)が、両親から逃げろと言われ、浜松に移動するが、途中で米軍につかまりそうになる。そこで堀田勘一に助けられ、東京下町・古本屋に辿り着く。いつもながら堀田家の優しい仲間達に守られてサチが奮闘する。秘密文書を狙いに来るヤバいやつら。それに対応する堀田家と優しい皆さん。このコントラストが良かった。勘一とサチの馴れ初めも堪能した。⑤
堀田家の家訓「文化文明に関する些事諸問題なら、如何なる事でも万事解決」 -
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人情とミステリをかけ合わせたものを書くのが上手な方だなあ、としみじみ。
時代を昭和50年にしたのも良かった。これが現代が舞台だと、「それはどうなのだろう」と首を傾げることになりそう。
昭和50年なら、携帯電話も一般に普及していないし、無線通信やパソコン通信はあっても、今みたいに
インターネットはないから、情報の拡散もそれほど速くない、というのも、ポイントかもしれない。
周平さんの判断がすべて正しいのではないかもしれないけれど、白黒つけたり、四面四角にやっていくだけだと、ギスギスすることもある。なあなあにならず、どうやって収めていくか、塩梅が難しいものだ。 -
Posted by ブクログ
引退した医師・タカさんが大家として日々健康相談にのってくれる男二人、女四人のシェアハウス生活。
初めましての小路さん。
こちらとっても良かったです!!
心に響いてくるメッセージの数々。人情にホッと和むし安心して読んでいられる。
読みながらタカ先生のカウンセリングを受けているような気分になりました。
会話にさりげなく相手への気遣いがあって心を軽くしてくれる人生のよき先輩。こんな人がそばに一人いてくれたら心強いし安心だろうなぁ。
料理上手で優しい佳人くんもいて、いいなー、私も仲間に入りたい。
住人同士の距離が少しずつ近づいていく感じや人間模様、謎、ちょっとした事件もあったりしておもしろかった!