あらすじ
終戦直後の東京。華族の娘、咲智子は父親からある文書が入った「箱」を託される。それを狙う敵から、彼女の窮地を救ったのは、堀田勘一という青年だった。古本屋「東京バンドワゴン」を営む堀田家で、咲智子はひと癖もふた癖もある仲間たちと出会い、敵に連れ去られた両親の行方と「箱」の謎を探るため、奮闘する。いつも皆を温かく見守るおばあちゃん・サチの娘時代を描く人気シリーズ感動の番外編!
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めちゃくちゃ良かった。時代背景も戦後混乱期の物凄い時間で、上野に谷根千に、サチの名前も違うしご令嬢だったんだ、出会いも劇的な、というかがなととまるで同じじゃないか。今では大家族でも、当時から土台があったんだよね、かずみちゃんも出てくるし、ゆうえんの父親に草平が、お母さんが、なんだか嬉しいし。十郎にマリアにジョーに曲者があの家で生活するとか、飛び交う会話も現れて笑った。語りもサチさんなんだよね、独特だね、知ってるから尚更面白い。血生臭い終わり方ならんで良かったよ、海坊主でてたし、そうか勘一と同じ歳なのか。
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東京バンドワゴンシリーズのスピンオフ
いつもの天の声 サチさんが勘一のお嫁さんになった頃のお話でした。
どことなく上品な雰囲気が漂う素敵な方だなぁと思っていましたが、元華族のお嬢様!なるほど‼︎
戦後のゴタゴタの中個性的なほんとに素敵な仲間たちとのお話 とてもよかった。
このお話を読んでグンと親近感が増して更に次回からが楽しみになった。
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「東京バンドワゴン」シリーズの番外編。
サチさんの娘時代のお話です。
五条辻咲智子は、子爵の父親から木箱に入ったある重要文書を渡され、静岡の伯母の家へ持って行くよう頼まれる。
〈箱〉を狙われ、アメリカ兵に連れて行かれそうになる咲智子を助けたのは、堀田勘一だった。
命の危険から身を守るために、咲智子は勘一の結婚相手堀田サチとして、堀田家に世話になることになる。
勘一の父親も母親も温かく、堀田家に寝泊まりする混血の若者や元軍人や戦災孤児など、終戦直後の東京ではそれぞれみんなが何かを抱えて生きているけれど、堀田家に悲しい顔は似合わない。
堀田家の家訓に従って事が運ばれていきます。
ジャズバンド〈TOKYO BANDWAGON〉も登場し、粋な流れになっていきます。
この物語を読んで、勘一とサチの素敵な馴れ初めを知ることができ、堀田家をますます好きになりそうです。
そして、サチを重い荷物から解放し、命がけで守ってくれたあの頃の仲間たちがいたからこそ、いつも家族を温かく見守るサチおばあちゃんの存在があるのですね。
あの昭和20年の夏に見た、まるで台風の過ぎ去った後のような空の色、紺、藍、青は、のちに生まれるサチさんの孫たちの名前になっているようです。
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久しぶりの東京バンドワゴン!妻から4巻目はちょっと違うよ~ということで期待度大。なるほど、今回は戦後すぐの堀田家で、番外編だったんだね。国家秘密の重要文書を託された子爵の娘・咲智子(サチ)が、両親から逃げろと言われ、浜松に移動するが、途中で米軍につかまりそうになる。そこで堀田勘一に助けられ、東京下町・古本屋に辿り着く。いつもながら堀田家の優しい仲間達に守られてサチが奮闘する。秘密文書を狙いに来るヤバいやつら。それに対応する堀田家と優しい皆さん。このコントラストが良かった。勘一とサチの馴れ初めも堪能した。⑤
堀田家の家訓「文化文明に関する些事諸問題なら、如何なる事でも万事解決」
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1作目から通して読んできましたが、本作は最高傑作です!
作中で重要人物として白州次郎氏が登場されたことも、非常に嬉しかったです。
私が尊敬する人物ということもあり。
本作だけ読んでも、とても楽しめるお話でした。
家族の歴史を語る番外編
いつも語り手を務めている、亡き「サチさん」が、東京バンドワゴンへやってきて勘一さんと結婚する頃のお話でした!!
戦後の、各人の複雑な胸中や、力関係などなど、すごく良く描かれていて面白かったです!
サチさん、すんごいお嬢様だったんですねぇ…
なのに、この擦れてない、だけど度胸ある性格。素敵です。そりゃ勘一さんも惚れるわね。
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東京バンドワゴンシリーズ第4弾!!
読み始めてすぐの「登場人物」のページを見て、番外編だと気付いた。
1巻から3巻までの堀田家が大好きだったから、サチさんと勘一さんが若かった頃の話はどんなだろうと思って読み進めていたが、とても良かった。
5巻目から読むとき、今まで読んでいたのとまた違った感覚で読めそう。
1〜3巻までを再読したくなった(o^^o)
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語り部として本シリーズで重要な役割を果たしているサチさんの少女時代を描く番外編。
東京バンドワゴンがこんなに凄い歴史を持つ古書店だったとは衝撃です。この頃から真っ直ぐ強い心を持つ人たちが集まる場所で、堀田家の面々がその伝統をしっかりと引き継いでいると思うと、今後の読み方が少し変わりそうです。
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東京バンドワゴン第4巻。今回は少し遡って勘一とサチさんの出会いから結婚までを描いた作品。時代は戦後間も無く、GHQが日本を再編成している頃まで戻りますが、そこはやはり全作品を通しての人情ものというか人間味あふれるストーリーになっていて何度も泣かされてしまいました。やはり、映像も見てみたいなぁと。おススメです。
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小路幸也著「マイ・ブルー・ヘブン」
東京バンドワゴンシリーズの四作目、というよりもシリーズの番外編と見るべきか。
シリーズ中に大きな存在である幽霊語り部、「サチ」の姿が明らかにされる。
なんと魅力的な作品だろう。シリーズの軸をなす日常ミステリーの枠を超え、そのテーマは戦後日本の復興と自立に関わってくる。
著者はこのシリーズを書くにあたって、本作品を最初から念頭に置いて書き始めたのだろうか?
だとしたらばとても凄い頭脳の回路なのだろうと感心してしまう。
なぜなら一作目から始まって現代の東京の古書店に集まる人々の日常に浸っていた読者(私)はこの四作目でいきなり終戦直後の日本に引き戻されるのだ。
初代店主の堀田達吉、息子の草平、その息子勘一と妻のサチ、彼らの生い立ちもここで初めて明かされる。
でありながら、この時系列をさかのぼった作品「マイ・ブルー・ヘブン」は他の現代のシリーズにきっちりと繋がり、登場人物達をくっきりと浮き立たせもっと深く読ませてくれるようになる。
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『東京バンドワゴン』の第四弾。
今回は番外編。
いつも温かな目線で家族を見守り語る、サチさんの娘時代を描く。
終戦直後。
咲智子は父から「ある、政治に関わる文章が入っている」と木箱を託された。
その木箱を狙う者達から咲智子を救ったのは、堀田勘一という青年だった…。
(途中名前があがるブアイソーとは、白洲次郎のことをイメージしてるのかな。)
番外編と言えど、いつも通りの読みやすさ。
そして人情味たっぷりの勘一も健在。
勘一の父・草平も、
「どんな問題が起ころうとも、知恵と皆の心意気で乗り越えられるものだ。顰めっ面は良くない。楽しく過ごしていきましょう」
と、もうまさに堀田家の家訓通り!
身を隠すために、勘一の嫁として堀田サチと名乗ることになった咲智子。
そしてサチと文書を守るために集まる勘一の仲間たち。
番外編であっていつもと時代は違えど、きっぷのいいキャラクターばかり揃っていて本当に読み心地がいい。
本編では紺が好きだったのだけど、すっかり勘一推しになってしまった。
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東京バンドワゴンシリーズ第4弾。
1-3は1年以上前に読んだので、若干忘れてしまっていたが、このお話は番外編で、サチの若い頃の話だったので、忘れていても問題はなかった。
相変わらず、登場人物は美男次が多く、日本のドラマのような設定だが、そう言うものと思って読めばとても面白い。勘一がカッコ良すぎ。
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過去の番外編4巻目。
東京バンドワゴン主人の勘一と今でこそ幽霊のサチさんの出会いと結婚までのお話。
出会いは終戦直後、ご令嬢だったサチさんが極秘文章を持ってアメリカ軍から逃げ、東京バンドワゴンに匿われるという話。
3巻でちょこちょこ話に上がったりした過去に東京バンドワゴンで住んでた人たちがメイン。
時代や話から暗い展開になってもおかしくないのだけど、そんな感じは全く受けずに読みやすかった。
勘一は昔から変わらないのですね。
Posted by ブクログ
東京バンドワゴンの番外編。通常版の語り手である堀田サチと勘一との出会いを含めて壮大な過去の事件の話。いつものほんわかした話とちょっと違ったが戦後の混乱期の様子が描かれていてとても面白かった。まさに東京バンドワゴンのルーツの話でした。
匿名
サチさん勘一さんの出会いからの物語を知れてよかったです。サチさんお上品な方だなと、思ってはいましたが、すごいお嬢様だったんで驚かきました。
勘一さんは今も昔もそのままで優しさに溢れてました。
日々緊張の中で生きてきて辛かったけれど、家族や仲間達の力で幸せになれてサチさんよかったです。
Posted by ブクログ
サチさんと東京バンドワゴンとの出会い。
サチさんはこれまで天の声的な役割だったけど、そこはかとなく上品な雰囲気が漂っていたのはそういうことだったのか〜と納得。
天性の動じない性格があの混乱を乗り越えられた秘訣かな。
Posted by ブクログ
☆4
シリーズ4作目(番外編)
勘一とサチさんとの出会いや、サチさんの生い立ちを知ることが出来ました。
これまでのシリーズに登場した人物も出て来て、とても楽しめた番外編でした❁⃘*.゚
Posted by ブクログ
勘一とサチの出会いがわかったお話しでした。
勘一の魅力がたっぷりで、若い頃の勘一にとても会いたくなりました。
今まで読んできた第1弾~第3弾の不思議に思った事や登場人物の事も出てきて、すっきりもしました。
ハラハラしながらもとても楽しく読めました。
Posted by ブクログ
バンドワゴンらしからぬ重大な事件かと思いきや、最終的には‥な一冊。堀田家の異常っぷりはここにあり。
個人的にはブアイソーさんの正体にニヤリとした。
Posted by ブクログ
なんて楽しい展開!
まさかの戦後の物語。登場人物は馴染みのあの人たち。
こうきたか!と、わくわくしながら読みました。
名前だけは知っていた人たちが生き生きと動き出す様子にすっかり引き込まれました。私の知っているおじいちゃん、おばあちゃんじゃない。二人の恋模様にもきゅんとする。
ちょうどこの前やっていた朝ドラ、カムカムエブリバディを少し思い出したりもして、戦後の大変な時期ながらも復興の熱気や格好いいジャズの音色が感じられるようでした。
振り返ってみると、本当に盛沢山で、読み応えがあるのですが、草平さんが特に素敵。
「何かを得た人間は、その得たものをどう使うかで値打ちが決まる」なんて考え、好きだなぁ。
時間はまたいつもの日常に戻るのかな?サチさんも今までとは違った目で見てしまうこと間違いなし。
Posted by ブクログ
サチさんがまさかのご令嬢だったとは。勘一もオトコマエで二人の若かりし頃、いえ、皆の若かりし頃を読めて幸せでした。波乱万丈な中にあっても堀田家のお節介は脈々と受け継がれていたんだなぁ。だからこそ集まるべき所に人は集まるのかな。我南人の喋り方のクセの理由も分かり、爽快に駆け抜けた戦後、からの今の東京バンドワゴン。とても面白かったです。そうと分かればサチさんには生きて語り部となっていて欲しかったかな・・・半分生きておられるようなものですが笑
Posted by ブクログ
本シリーズの語り手であるサチの堀田家の一員となったくだりを描いた番外編。若き日のサチ、勘一、前作に登場するジョーやかずみなどが生き生きとした姿で登場し、物語はあたかも時代活劇のように展開する。登場する人々の優しさ、おおらかさは変わらないが、前作までとは多少趣きの違う作品。これはこれで面白く読ませてもらった。
Posted by ブクログ
4冊目に番外編っていうのがいい!!
サチと勘一の若い頃の話。
人の思いやりが温かくて泣けました。
東京バンドワゴンの歴史を知って5冊目からはまたちょっと違う気持ちで読みすすめることになりそう。
Posted by ブクログ
「LOVEだねぇ」が聴きたくなり、久しぶりの『東京バンドワゴン』。4作目は番外編でした。
勘一がサチと結婚する前の終戦直後が舞台。
勘一とサチの人となりがよくわかり、ますます堀田一家が好きになりました。
頭でっかちになりそうな時、心を緩めてくれる小説です。
能天気=Happy Go Lucky でいこう!
Posted by ブクログ
終戦直後の東京バンドワゴン。若かりし頃の勘一と以前に少し登場した稲妻のジョー、その仲間達が活躍する。
話の始まりは子爵の娘が終戦後のゴタゴタに巻き込まれて…3.7
Posted by ブクログ
五条辻咲智子
子爵・五条政孝の長女。度胸があり、〈動ぜずのサッちゃん〉と呼ばれる。辻本サチという偽名をつけ、偽装結婚で堀田サチになった。
堀田草平
東京下町の古本屋〈東京バンドワゴン〉の2代目店主。インテリ。ケンブリッジ大卒。
堀田美稲
草平の妻。明るく朗らかだが、夫より一歩下がってしっかり家を守っている。
堀田勘一
草平の長男。がらっぱちの江戸っ子。口より先に手が出る性格。
大山かずみ
堀田家に居候する9歳の戦災孤児。
高崎ジョー
混血の若き貿易商。〈稲妻のジョー〉の異名をとる、青い眼の美男子。
和泉十郎
元、日本陸軍情報部の軍人。着流しをまとい、癖のある喋り方をする。
マリア
日本人離れした、華やかな美貌のジャズ・シンガー。さばさばした性格。〈猛獣使いのマリア〉。路子。
ブアイソー
ジョーのボスで、草平の古い友人。国の政の深い部分に深い部分に関わる、謎の人物。
顕円
近くの神社の神主。草平の幼なじみ。
祐円
顕円の息子。勘一の幼なじみ。
介山陣一郎
鉱山などを多く所有する実力者。〈東北の鬼神〉と呼ばれる。マリアの父。
ヘンリー・アンダーソン
GHQ参謀第二部の将軍。マッカーサーの最大のライバル。
ネズミ
ツイードのスーツ姿でふいに現れる町のチンピラ。ジョーの仲間。
海坊主・山坊主・川坊主
介山に仕える者たち。皆、坊主頭にしている。
東雲宣子
浜松市に住む咲智子の伯母。
玉三郎・ノラ
猫。
五条辻政孝
子爵。天皇陛下に非常に近い位置でこの激動の時節を過ごした。草平とは学生時代の友人。
堀田達吉
草平の父。三宮達吉。〈鉄塔の巨人〉と呼ばれた。明治の頃に財閥の娘と結婚し、鉄道事業手前財を成し一時代を築いた政財界の大物。
吉川
物書き。
おけいちゃん
向かいの畳屋の娘。
常本
畳屋。
幸子
マリアの妹。
ジョアン
ジョーの母。
正木
医者であり、探偵小説を書く作家。
小舟
新進の探偵作家。
松下
一本道を挟んだ隣のお風呂屋。
東集済
サチの叔父。
ブルーノ
軍曹。
Posted by ブクログ
東京バンドワゴンシリーズを再読中。
今回はある意味1番重要なところだったのかなって個人的に思う。
この巻があるから今後のシリーズも重要になってくる。
命懸けで守るもの。人。
戦後で大変ない中でも温かく楽しい毎日。
これはもう一回再再読になるかなぁ。
小路先生の文章、構成、私には結構肌に合ってるんだなって思いました☆
Posted by ブクログ
東京バンドワゴンの孫たちではなくおじいちゃんとおばあちゃんの若かりし頃のお話。外伝的な立ち位置かもしれないし、やっぱりこれも一つのシリーズの中の物語かもしれない。おじいちゃんの勘一が青年だった時代は終戦直後の復興がはじまった頃。おばあちゃんのサチは華族の娘さんで、あるものを託される。ええとこのお嬢さんらしい教養を身に着け、愛情をたっぷりと注がれたはつらつとした娘さん。激動の時代に巻き込まれたものは家柄ゆえのことではあるけれど、嘆くことも投げ出すこともせず、勘一や勘一のお父さんや仲間たちと乗り切る。家訓の一つ「些事諸問題ならいかなることでも万事解決」は伊達ではなく、人の縁の不思議さ、人情の温もりがそこにはあった。
Posted by ブクログ
話が壮大すぎるな〜とは思いつつ、みんながサチさんのために心意義を見せてくれていたり命がかかったドキドキするストーリーで読み進めるのが楽しくてしょうがない。
前三作品を読んできてずっと気になっていた我南人や藍子・紺・青の名前の由来、稲妻のジョーさんやかずみちゃんとの関係などを知れて益々本シリーズのファンになりました
Posted by ブクログ
相変わらず読みやすい!
サチおばーちゃんの過去が丸わかりの番外編!
こんな過去があって今こうなのね!!!!っていう。
人の死なないミステリのことを、日常ミステリーと呼ぶらしいが、まさにこの本はそんな本。
謎解きを家族みんなでやろーってな家族物語。キャラ立ちも半端ではないし、鬼滅の刃見たあとでも全然読めちゃう、キャラの立ち方。笑笑
あのくらいキャラ立ちすごいです。
小説で喋り言葉にインパクトつけてきたりするからね。笑笑
ホント読んでで、頭の中でその人が浮かびあがっちゃうよね。謎解き自体は毎回。ギリギリだよね。その方法。っていう、あまりスッキリ解決ってより、無理やりねじ曲げてめでたしめでたしな感じは毎度あるけど、それはそれでいいのかなーと、思える本です。笑笑