あらすじ
終戦直後の東京。華族の娘、咲智子は父親からある文書が入った「箱」を託される。それを狙う敵から、彼女の窮地を救ったのは、堀田勘一という青年だった。古本屋「東京バンドワゴン」を営む堀田家で、咲智子はひと癖もふた癖もある仲間たちと出会い、敵に連れ去られた両親の行方と「箱」の謎を探るため、奮闘する。いつも皆を温かく見守るおばあちゃん・サチの娘時代を描く人気シリーズ感動の番外編!
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Posted by ブクログ
久しぶりの東京バンドワゴン!妻から4巻目はちょっと違うよ~ということで期待度大。なるほど、今回は戦後すぐの堀田家で、番外編だったんだね。国家秘密の重要文書を託された子爵の娘・咲智子(サチ)が、両親から逃げろと言われ、浜松に移動するが、途中で米軍につかまりそうになる。そこで堀田勘一に助けられ、東京下町・古本屋に辿り着く。いつもながら堀田家の優しい仲間達に守られてサチが奮闘する。秘密文書を狙いに来るヤバいやつら。それに対応する堀田家と優しい皆さん。このコントラストが良かった。勘一とサチの馴れ初めも堪能した。⑤
堀田家の家訓「文化文明に関する些事諸問題なら、如何なる事でも万事解決」
Posted by ブクログ
サチさんがまさかのご令嬢だったとは。勘一もオトコマエで二人の若かりし頃、いえ、皆の若かりし頃を読めて幸せでした。波乱万丈な中にあっても堀田家のお節介は脈々と受け継がれていたんだなぁ。だからこそ集まるべき所に人は集まるのかな。我南人の喋り方のクセの理由も分かり、爽快に駆け抜けた戦後、からの今の東京バンドワゴン。とても面白かったです。そうと分かればサチさんには生きて語り部となっていて欲しかったかな・・・半分生きておられるようなものですが笑
Posted by ブクログ
五条辻咲智子
子爵・五条政孝の長女。度胸があり、〈動ぜずのサッちゃん〉と呼ばれる。辻本サチという偽名をつけ、偽装結婚で堀田サチになった。
堀田草平
東京下町の古本屋〈東京バンドワゴン〉の2代目店主。インテリ。ケンブリッジ大卒。
堀田美稲
草平の妻。明るく朗らかだが、夫より一歩下がってしっかり家を守っている。
堀田勘一
草平の長男。がらっぱちの江戸っ子。口より先に手が出る性格。
大山かずみ
堀田家に居候する9歳の戦災孤児。
高崎ジョー
混血の若き貿易商。〈稲妻のジョー〉の異名をとる、青い眼の美男子。
和泉十郎
元、日本陸軍情報部の軍人。着流しをまとい、癖のある喋り方をする。
マリア
日本人離れした、華やかな美貌のジャズ・シンガー。さばさばした性格。〈猛獣使いのマリア〉。路子。
ブアイソー
ジョーのボスで、草平の古い友人。国の政の深い部分に深い部分に関わる、謎の人物。
顕円
近くの神社の神主。草平の幼なじみ。
祐円
顕円の息子。勘一の幼なじみ。
介山陣一郎
鉱山などを多く所有する実力者。〈東北の鬼神〉と呼ばれる。マリアの父。
ヘンリー・アンダーソン
GHQ参謀第二部の将軍。マッカーサーの最大のライバル。
ネズミ
ツイードのスーツ姿でふいに現れる町のチンピラ。ジョーの仲間。
海坊主・山坊主・川坊主
介山に仕える者たち。皆、坊主頭にしている。
東雲宣子
浜松市に住む咲智子の伯母。
玉三郎・ノラ
猫。
五条辻政孝
子爵。天皇陛下に非常に近い位置でこの激動の時節を過ごした。草平とは学生時代の友人。
堀田達吉
草平の父。三宮達吉。〈鉄塔の巨人〉と呼ばれた。明治の頃に財閥の娘と結婚し、鉄道事業手前財を成し一時代を築いた政財界の大物。
吉川
物書き。
おけいちゃん
向かいの畳屋の娘。
常本
畳屋。
幸子
マリアの妹。
ジョアン
ジョーの母。
正木
医者であり、探偵小説を書く作家。
小舟
新進の探偵作家。
松下
一本道を挟んだ隣のお風呂屋。
東集済
サチの叔父。
ブルーノ
軍曹。