あらすじ
人に災いを為すものを祓う蘆野原の一族。
大きな戦争の後、長筋の正也の姉は行方不明になり、一族の者しか入れない蘆野原の郷への入口も閉ざされてしまった。
正也は、親戚の知水とその母と一緒に暮らしながら、周りで起きる災いを祓いつつ、姉の行方と蘆野原の入口を捜していた。
ある日、手がかりを求めて訪れた寺で出会った少女が、突然猫の姿になって……。
大好評『猫と妻と暮らす』の続篇が、ついに刊行!
壱
醇蕾(しゅんらい)
美津鑑(みずかがみ)
界鵠(かいこう)
弐
悶呶(もんどう)
儚弄(もうろう)
仮初(かりそめ)
参
燈土象(ひとかた)
巣気(すき)
肆
似岫(くき)
能菩土気(のぼとけ)
伍
浄頭(じょうず)
逆豆忌(さかずき)
陸
針句(しんく)
奉尽(ほうじん)
柒
蹊火寄(みちびき)
間崖(まがい)
封苔(ふうち)
㭭
洞崙(うろん)
興吏(おこり)
玖
柄裟(つかさ)
瑠殿(るでん)
拾
源偲(げんし)
偲郷(しきょう)
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
前作と同様にとても面白かった。
事を成す時に個人的な事情には必要以上に立ち入らないスタンス、心地良い韻を踏む呪文(?)の魅力、短編の切れ味など、文句なしに素晴らしい作品でした。
残念ながら終わり方からして続編はないだろうな。
Posted by ブクログ
「猫と妻と暮らす」を先に読むこと。その続編である。戦後、再び蘆野原の郷を探そうとする。いわゆる小路幸也ワールドとは異質な感じの幻想的な作品である。また、小路氏のネコ愛溢れる描写が楽しい。
「猫と妻と暮らす」は 戦前の昭和初期を舞台に知弥・泉水の世代が時代の中で葦野原を閉じるまで。そして「猫ヲ捜ス夢」はその子供たちの世代正也知水の世代で、戦後間もなくの昭和20年代前半。ということは続編期待。高度経済時期の時代だろうか。正也多美の子供たちの時代だろう。続編発表が待たれる。
Posted by ブクログ
前回の主人公の子供世代の話
蘆野原が閉じて入口もわからなくなっていた
相変わらず蘆野原の人達が焦る事なく淡々と時を待ち日々を暮らしいる姿がいいです
新しい猫さんも登場で癒される
人も時代も変わって行くと“事“も消える
それは寂しいなぁ