【感想・ネタバレ】猫と妻と暮らす 蘆野原偲郷のレビュー

あらすじ

ある日、若き研究者・和野和弥が帰宅すると、妻が猫になっていた。じつは和弥は、古き時代から続く蘆野原(あしのはら)一族の長(おさ)筋の生まれで、人に災厄をもたらすモノを、祓うことが出来る力を持つ。しかし一族の出でない妻が、なぜ猫などに? これは、何かが起きる前触れなのか? 同じ里の出で、事の見立てをする幼なじみの美津野泉水らとともに、和也は変わりゆく時代に起きるさまざまな禍(わざわい)に立ち向かっていく。

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Posted by ブクログ

猫が登場する物語を探していて辿り着いた。
物語に盛り上がりは全くないのだけれど、兎に角私の好きな世界観だった。
蘆野原出身の長筋である和野和弥と事の見立てをする美津濃泉水の関係性が、陰陽師の安倍晴明と博雅の関係性を思い出す。
しかし陰陽師ほど生々しい怪異が起こる訳ではなく、淡々と事を為していく様が爽やかだった。
猫好きな作者さんの目線も好ましかった。
全てをあるがままに受け止めていく、そして自分の宿業を粛々と成し遂げていく生き方も良い。
韻を踏む呪文も面白い。
こうしてどこかで誰かが知らない間に災厄を祓ってこの世が回っている事を想像すると、何だかとてもありがたいなと思う。

『書物の中にだけ存在する〈よみのくに〉への門。蘆野原は、あの世とこの世を繋ぐ境目にある土地。 そこに住む人たちは、神様と言葉を交わす。』
とある様に、「蘆野原」は古事記の『豊葦原の中つ国=高天原と黄泉国の間である地上』を意識して
付けられた名前なのだろ。

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2023年04月06日

Posted by ブクログ

ある日、帰宅すると、妻が猫になっていた。。。

などという、不思議な物語です。


ある特殊な能力を持つ一族の生まれで、

災いを祓う事が出来る力を持つ、和弥が、

親友や、妻と共に、人に災いをもたらすモノを退治していく。

陰陽師のような感じかな?

この物語りのなんともいえぬ、世界観が好きです。

シリーズ化して欲しい。。。



我が家でも、ある日帰宅すると、

「夫が猫になっていた」。。。

なんてことが起こったら、ちょっと嬉しいのだけどな。。。

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2018年08月31日

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ある日突然妻が猫になっていた場面からはじまり、その猫に手助けされながら災厄を祓う物語。
猫や幻想的な雰囲気が好きな私にはぴったりの作品でした。

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2016年07月05日

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恩田陸さんの常野物語をちょっと思い出しました。
悪いものを祓う力を持った地域の出の主人公の妻がある日猫になってしまう。
そしてそこにある日子猫の多美も加わってのんびりとお話が進んでいく感じです。
悪いものを祓いながらものんびりしたお話です。

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2022年06月14日

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ある日突然妻が猫になっていたΦωΦ

人に厄災をもたらすモノを祓う一族の話
妻が猫になってもああそうかと受け入れる和弥や周りの人達
曖昧模糊としたモノで多分そうかな?と推測するのも楽しい
こういうのも好き(*´꒳`*)
静かでゆったりとして暖かい雰囲気の話でした

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2021年05月27日

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ネタバレ

なんかよくわからないけれど、好き。
本当にその一言に尽きる。

好きな理由がわからないんじゃなくて、
話の設定も、裏側も、何者なのかも、全てがわからない。
兎に角謎ばかりなのに、
主人公が猫になった妻をあっさりと受け入れたのと同じくらい、
淡々とした調子でわからないまま話が進んでいくのを
受け止めてました(笑)
多分、主人公の無頓着さ(いい意味で)やそこに起因する描写の数々が
そうさせてるんだろうな……

とても好きなんだけど、
やっぱり作者の思い描く世界観をもっと知りたかったな
っていう矛盾した思いから、☆は4つ。

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2018年03月02日

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時代的には、戦前の日本を彷彿とさせられるような舞台設定か?
若き研究者・和野和弥は、古より続く蘆野原(あしのはら)一族の長筋。人に災難をもたらす厄を祓うのが主な務め。長でなく、長筋というところにも、意味がある。
ある日、帰宅すると妻が猫になっていた。厄の前触れには、何故か妻が猫になって、主人公・和弥を援護する。和弥の郷の幼馴染・泉水とともに。そうしたある日、猫になった妻が、子猫を連れてくる。子猫の正体とは一体?

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2016年07月18日

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一言でいえば、悪霊的なものを祓う現代に生きる祈祷師のような一族の話でしょうか。
恩田陸氏の常野物語シリーズに似た印象です。
細かく描写せずに雰囲気で済ませるところ、不思議な韻を踏む呪文の美しさ、全てをあるがままに受け入れる物静かな大らかさなど、日本的なところが好みです。この呪文は恐らく小路氏のオリジナルでしょうが、言葉のキレに類い稀なセンスを感じます。

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2015年11月02日

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なぜ?
どういうこと?
結論は?
ということは考えない物語。
心地よい…

追記
葦原の中つ国なのかな?

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2015年07月18日

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小路幸也の猫と妻と暮らす 蘆野原偲郷を読みました。

蘆野原という隠れ里はあの世に通じていると言われています。
蘆野原一族の長筋の生まれの和野和哉は厄災をもたらすモノを祓う力を持ち、見立ての力を持つ美津濃泉水とともに人々に禍を起こすモノに立ち向かっていきます。

和哉の妻優美子は和哉が厄災をもたらすモノと対峙するときに何故か猫になってしまい、猫の姿で和哉を助けることになるのでした。

穏やかな語り口で異能者の生活と禍との対峙が描かれています。
優美子は男性からみたちょっと古風な理想の女性像として描かれていて、ファンタジーとして楽しむことが出来ました。

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2015年03月29日

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タイトルだけで手に取り、読み進めました。
初め、とっつきにくいのかと思われたが、
不思議と世界に引きずり込まれた。
一つ一つの意味が分からなくても、ああ・・・そうなんだと納得させられた。面白かったような・・・・何とも言えない不思議な感覚にとらわれた・・・。

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2014年12月20日

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恩田陸の常野物語を思い出した。なんだろうなんだろうと疑問に思いつつも、するすると物語に引き込まれ楽しめた。詳細な説明などはないがほんわかし良い本だった。

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2014年11月26日

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あの世と浮き世の境にある村。その村人達が目立つ訳でもなく、かと言って他の日本人に認められない訳でもなく静かに妖(あやかし)を祓うお話。日本のどこかにあって欲しい村。いや、あるね。きっと。こういう柳田国男とか水木しげるとか民話のような話はやはり日本人にはしっくり来ます。いや、しかし、最近猫の表紙の本ばかり読んでる(笑)

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2014年10月31日

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ネタバレ

あれ?梨木さん?と思ってしまった作風。
なるほど、小路さんもこんなん書きはるんやねぇ。好きな雰囲気の作品だけど、最初数ページは予想と違ったので違和感あったかなぁ。すぐに馴染んだけど。

こういう本を読むと、山登りに行った時に出会う廃村なんかが凄く気になるようになる。その土地土地の道祖神や氏神様や道々にたたずむお地蔵さんや祠が気になりだす。

そして日本ってやっぱり多神教がしっくりくる国なんだなぁと思う。

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2014年06月22日

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嫌いじゃない。嫌いじゃないけどスッキリしない。蘆野原ってなに?「古童?」「屋鬼?」「仮祇奴?」
伝承や民話、歴史に出てくる言葉なのかな?読み進めれば分かるかと思ったけど最後まで分からなかった。
まあ、分からないのは郷の者ではないからかも知れないけど。

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2014年05月18日

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家に帰ると妻が猫になっていた、っていう設定からしてじわじわ来る。しかも妻が猫になったことを認めるまでが、1ページとちょっと。淡々とあるがままに受け入れてる。
次々に現れる怪異を鎮めていく話なんですが、派手なところはなく、静かにあるがままに受け入れて為すべきこと為す。そんな静かな物語でした。くどくどと説明がないことを良しとするか物足りないと感じるか。私は良しと感じました。

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2014年04月08日

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ネタバレ

バンドワゴンや花咲シリーズと違っての異次元もの。日本の民俗学的世界を淡々と描く。猫に変身もそのまま請けいる。淡々という感じである。「猫ヲ探ス夢」が続編というか次の世代のはなしとなる。

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2021年09月05日

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物語の基礎となる世界観が理解できていないので、ふわっとした読み心地でした。ずっと、なんで?という感じです。

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2017年05月11日

Posted by ブクログ

猫と妻と暮らすオッサン(?)のエッセイか何かだと思ったんですよね。
全然違いました。

不思議系・・・・イキナリ唐突に、主人公が帰宅したら妻が「猫」になっちゃってんの。喋れるわけじゃなくて、本当に、猫。
妖怪・・・とも違うんだけど・・この世とあの世の境・・・んー、遠野物語?不気味さのない恒川光太郎?みたいな。
個人的には好き系ですが、インパクトが弱いというか、あまり作りこまれてない感じです。本の背景、詳細設定がない・・・不気味さがない分、ちょっと平坦な感じがします。
でも(何度も繰り返しますが)個人的に好き系な分野なので、この方が描いたほかの本を見つけたら、きっとまた読むと思います。

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2015年10月02日

Posted by ブクログ

和風ファンタジーって言うか 奇譚って言うか。
恩田陸さんの「常野物語」の、光の側面って感じ。
個人的には好きなムードのお話。

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2014年08月20日

Posted by ブクログ

妻が猫になってしまう男の話。

最近の小路さんとは少し違った世界。
故郷を離れても感じられるのは素敵なことですね。
数十年後にはまた開かれることがあるのかな。

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2014年04月20日

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