小路幸也のレビュー一覧

  • 空へ向かう花

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    辛い過去を抱えた子供たちがその悩みを内に秘めながら日常を過ごす。
    特に隠すわけでもなく、同情を求めるわけでもなく。
    その描写がとてもリアルで、余計に共感してしまう。
    悲しみを抱えてしまった子供たちを守る大人たちも優しく、「大人とはどうあるべきか」をそっと私に教えてくれる。
    悲しいテーマのはずなのに心が満たされる不思議な小説だ。

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    2011年12月29日
  • うたうひと

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    音楽をテーマにした短編集。
    音楽を表す表現がどれも的を射ていて、著者の小路さんがどれだけ音楽が好きなのか伝わってくる文章だった。
    音楽好きならハマること間違いなしの本だと思う。

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    2011年12月27日
  • 21 twenty one

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    中学の仲間の死と、自分の心の闇の告白と、原因の推測と、のストーリー。
    自分の中学時代はこんなリア充ではなかったので、こんなのだったら楽しそうだな、という気持ち。
    あとは、心の闇は、勝手に推し量ることはできても、きちんと分かり合えることはできない、という当たり前の感想。
    面白い。

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    2011年12月17日
  • 空を見上げる古い歌を口ずさむ

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    物語の始まりは、主人公の息子のせりふ。みんなの顔がのっぺらぼうに見える、誰が誰だか分からない、そう言います。主人公はかつて同じせりふを口にした自分の兄に連絡をとり、理由を聞くことにしました。読者もその理由を知ろうとしているのに、兄が語る子ども時代の思い出に引き込まれます。謎が謎を呼び、重層的な物語が展開しながら、ついに理由が明らかに。その理由を知ったとき、来し方を意識するとともに、行く先を見据える勇気をもらいました。地に足をつけて生きて行こう、そう思える作品です。

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    2014年04月21日
  • 早坂家の三姉妹 brother sun

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    姉や祖父などとダブって涙出た。家族や好きな人をあんな風に想えたら、とてもしあわせだなぁ。一気に読んじゃった。最後のエピローグはいらないな。

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    2011年11月03日
  • おにいちゃんのハナビ

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    前半は軽い感じ。後半は素直に泣けるな~映画も見たくなった。
    2011.10.26

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    2011年10月26日
  • うたうひと

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    音楽にまつわる短編集。
    こんなコメントを書くのは少し照れますが、全作品に上質な愛が溢れており、音楽には無縁の私でも充分に楽しめる素晴らしい作品でした。

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    2011年10月06日
  • カレンダーボーイ

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    48歳の中年となった同級生の二人が、ある日を境に、寝て目覚める毎に小学校5年生の時の自分と現在の自分を意識が行き来するようになってしまう。
    タイムスリップやタイムパラドックスについての知識も持ち、過去をむやみに変えてはいけないと知りつつ、二人はどうしてもあることを決行しようとする。
    ストーリーの設定上、短い章で現在と過去が目まぐるしく入れ替わるというのが、最初はとっつきにくく、読みづらい部分もあったが、二人の企みが判明したあたりからは、あっという間だった。
    主人公が一人でなく二人でというのが斬新で、過去と現代の両方で相談をしながら計画を進めていく様子に、どんどんと引き込まれていった。
    ラストは

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    2011年08月24日
  • COW HOUSE カウハウス

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    ある事情から左遷同然に鎌倉へやってきた
    主人公の仕事は、今日からお屋敷の管理人。

    会社所有の大豪邸で、家賃水道光熱費無料にて
    可愛くて気の利く恋人と2人での新生活が始まる。

    しかし、あれよあれよという間に屋敷に集っていく
    人、人、人。

    予定外ばかりなのに、それでも気が付けば楽しく
    過ぎていく日常。
    その中で、主人公が立てた計画とは?


    希望を描いて何が悪い!と言わんばかりの
    楽しく前向きなお話。


    登場するそれぞれの人物に、それぞれの事情が
    あり、それぞれがどうしようも難しい問題ばかり。

    問題を抱えていても、みんな自分なりに楽しく
    生きようとしているのがまた素敵なんだよなぁ。

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    2011年08月10日
  • COW HOUSE カウハウス

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    各登場人物の性格はすぐわかるんだけど、
    彼らのバックグラウンドがわかるまで
    なかなか焦らされる。

    クロちゃんが自分の中の
    「友達になりたい小説の主人公ランキング」ベスト3に入る感じ。

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    2011年08月10日
  • ラプソディ・イン・ラブ

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    銀幕の大スターで年老いた父、同じ時代に活躍し幻の大女優と言わしめた母、その子供にあたる異母兄弟と弟嫁、そして登場人物の5人皆が時代は違えど世に知れた名俳優、所以あって今はバラバラの三人と二人の縁者が集まり家族の映画を撮る。家族が家族を演じる物語は家族以上の絆を愛おしいほどに伝えてくれました。著者:小路幸也氏の作品の多くは家族の絆がテーマですが、また一味違った人間の絆を読ませていただきました。俳優の真骨頂と俳優の性の両方が登場人物の心理と共に仔細に描かれ主人公たちの俳優魂を垣間見るものでした。

    読後感=演じることが真実の俳優魂に感服・・・・

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    2011年08月06日
  • 21 twenty one

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    誰でも他人からは見えない苦しみや、傷を抱えて生きているってことを、改めて思い起こさせる話しだった。
    そういう意味では、すごくリアルで少し重たい内容ではあった。
    でも、それでもLife goes on!なわけで、21のメンバーたちと同様、これからもこの先も精一杯、それぞれの人生を生き抜いて行くことが大事なんだなと思った。

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    2011年06月23日
  • ラプソディ・イン・ラブ

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    破天荒な役者人生を送ってきた父の最期の映画を、全員が役者という家族が、昔住んでいた家で一緒に暮らして、家族映画を撮るというお話。それぞれが何か爆弾を持ちながら、演技と素を織り交ぜて生活する中で家族のカタチというものを考えるものでした。交代で語っていく形式で、優しい物語の中でもダレることなく先が早く読みたくなるような本でした!読み終わったあとの余韻が好きです。

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    2011年05月26日
  • うたうひと

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    文庫化したので再読。音楽をテーマにした短編集。色々なことがあるけど、最後には希望が持てる温かい話たちでした。所々物語のリンクがあってそれも楽しめました。一番好きなのは「唇に愛を」、温かさは勿論のこと、終わり方が素敵です。優しい気持ちになれる一冊でした。

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    2011年04月20日
  • brother sun 早坂家のこと

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    三人姉妹それぞれの視点で書かれたお話。それぞれの考え方・捕らえ方はありながらも、話がとんとん、と進んでいく感じがいい。
    巻末に、10年位後のお話が載ってるのも好み。
    祖母も気に入った一冊。

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    2011年03月20日
  • ラプソディ・イン・ラブ

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    一人の男の人を真ん中に広がる家族。
    血縁や婚姻関係。それぞれに繋がる家族が一つの家族を演じるなかで、新しい家族の姿が見える。
    映画を見ているような小説でした。

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    2011年03月08日
  • うたうひと

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    一編ずつ読み終えるたびに、じわぁっと心の中が暖かくなったり、切なくなったりするのが実感できました。
    小路幸也さん、やっぱり大好きです。

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    2011年02月21日
  • ラプソディ・イン・ラブ

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    小路幸也さんが書く家族の関係が好きです。東京バンドワゴンはお父さんがロックミュージシャンという有名人で、他の家族は個性的ではありますが一般人です。この本は全員が一流実力派俳優という設定です。家族関係の映画撮影という特殊な環境下で、演技と素の間を揺れ動きながら家族に対する思い、自分自身が素直になることをとおして、愛情を確認する。良い話です。完全な家庭環境であったとはいえなくとも、家族という関係を築くことが出きるんですね。なんだか、元気が出てきます。不思議ですけど。

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    2011年07月16日
  • 探偵ザンティピーの休暇

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    東京バンドワゴンのアメリカ人バージョンですね。アメリカの探偵小説の雰囲気を醸し出しつつ、人情味も忘れない。この小説に出てくる場所は実在するのでしょうか?一度行ってみたいものです。

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    2011年07月16日
  • ラプソディ・イン・ラブ

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    様々な形で家族の繫がりをテーマに描いていることが多いような著者ですが、この作品がとりあえずマイベスト!かも。

    作中に漂う小津安二郎作品のような空気感とか大好き。

    往年の名優、笠松市郎。
    かつての妻で幻の大女優とされる四ノ宮睦子。
    二人の息子で俳優の園田準一。
    母違いで準一と親子程に年の違う次男で若手俳優の岡本裕。
    裕の婚約者で新進の女優のニ品真里。

    かつて市郎、睦子、準一が家族として暮らしていた家に1週間の間集い、その日常を映画に、市郎の遺作としてフィルムに納めるという企画にのった5人の、演技とも素ともつかない駆け引きのお話。

    作中、準一が子供の頃、ご飯に牛乳をかけて食べていたというこ

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    2010年11月10日