小路幸也のレビュー一覧
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48歳の中年となった同級生の二人が、ある日を境に、寝て目覚める毎に小学校5年生の時の自分と現在の自分を意識が行き来するようになってしまう。
タイムスリップやタイムパラドックスについての知識も持ち、過去をむやみに変えてはいけないと知りつつ、二人はどうしてもあることを決行しようとする。
ストーリーの設定上、短い章で現在と過去が目まぐるしく入れ替わるというのが、最初はとっつきにくく、読みづらい部分もあったが、二人の企みが判明したあたりからは、あっという間だった。
主人公が一人でなく二人でというのが斬新で、過去と現代の両方で相談をしながら計画を進めていく様子に、どんどんと引き込まれていった。
ラストは -
Posted by ブクログ
ある事情から左遷同然に鎌倉へやってきた
主人公の仕事は、今日からお屋敷の管理人。
会社所有の大豪邸で、家賃水道光熱費無料にて
可愛くて気の利く恋人と2人での新生活が始まる。
しかし、あれよあれよという間に屋敷に集っていく
人、人、人。
予定外ばかりなのに、それでも気が付けば楽しく
過ぎていく日常。
その中で、主人公が立てた計画とは?
希望を描いて何が悪い!と言わんばかりの
楽しく前向きなお話。
登場するそれぞれの人物に、それぞれの事情が
あり、それぞれがどうしようも難しい問題ばかり。
問題を抱えていても、みんな自分なりに楽しく
生きようとしているのがまた素敵なんだよなぁ。
な -
Posted by ブクログ
銀幕の大スターで年老いた父、同じ時代に活躍し幻の大女優と言わしめた母、その子供にあたる異母兄弟と弟嫁、そして登場人物の5人皆が時代は違えど世に知れた名俳優、所以あって今はバラバラの三人と二人の縁者が集まり家族の映画を撮る。家族が家族を演じる物語は家族以上の絆を愛おしいほどに伝えてくれました。著者:小路幸也氏の作品の多くは家族の絆がテーマですが、また一味違った人間の絆を読ませていただきました。俳優の真骨頂と俳優の性の両方が登場人物の心理と共に仔細に描かれ主人公たちの俳優魂を垣間見るものでした。
読後感=演じることが真実の俳優魂に感服・・・・ -
Posted by ブクログ
様々な形で家族の繫がりをテーマに描いていることが多いような著者ですが、この作品がとりあえずマイベスト!かも。
作中に漂う小津安二郎作品のような空気感とか大好き。
往年の名優、笠松市郎。
かつての妻で幻の大女優とされる四ノ宮睦子。
二人の息子で俳優の園田準一。
母違いで準一と親子程に年の違う次男で若手俳優の岡本裕。
裕の婚約者で新進の女優のニ品真里。
かつて市郎、睦子、準一が家族として暮らしていた家に1週間の間集い、その日常を映画に、市郎の遺作としてフィルムに納めるという企画にのった5人の、演技とも素ともつかない駆け引きのお話。
作中、準一が子供の頃、ご飯に牛乳をかけて食べていたというこ