小路幸也のレビュー一覧
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年に一度の楽しみ、『東京バンドワゴン』の文庫版最新刊。
安定の面白さ。
11年目にしてこのワクワク感。
設定が変わらないのに、なぜかマンネリ化しない。
凄いなぁ。
登場人物が年毎に年齢を重ね、赤ちゃんだった子が幼稚園児となり、同じように大人も老いていく。
いつか来るであろう別れを強く感じさせる今作だった。
とはいえ、みんなまだまだパワフル。
まさかこのシリーズで舞台がロンドンになる日が来るとは!
これまでそれほど前面に出てこずにそっと支えていた人達が描かれていたのも嬉しかったなぁ。
帯は良いのだけれど、フォントがちょっと…。
これだとなんだかちょっと本の内容が幼稚な印象に。
あぁ、 -
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赤星中学校は運動部と文化部の総合顧問の先生のいがみ合いからトラブルが起きていた。そのトラブルに対して架け橋となり平和をもたらす「ピースメーカー」となるのが放送部のふたりだった。
これは実に楽しい物語です。中学校の放送部の楽しさ、放送部の利点アレコレを使っての情報収集、そしてトラブル解決のカタルシス。それらが魅力たっぷりに書かれています。
短めの話がポンポンと詰められています。トラブルがあり情報収集があり解決策が思い付いたところで、ポンと結果は後日談として語られます。そのためテンポよく読めるのですが、登場人物たちとともに解決を経験するという部分では物足りなさもあります。しかし一番山となる事件に -
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今年から読み始めた東京バンドワゴンシリーズも10冊目。
文庫本の最新刊にたどり着きました。
ようやく堀田家の歩みに追いつくことが出来たので、
ここからは最新刊が発売されるペースに合わせて読もうと思います。
ゆっくり、ゆっくり、堀田家の1年の話を聞きながら自分の1年も振り返る。
そんな風にこのシリーズとは付き合っていきたいです。
この小説を読んでいると、「人は支え合っている」んだなぁと感じます。
そう感じさせてくれるところがこの小説のすごいところだと思います。
生きていくって大変です。
にこにことご機嫌に過ごせる時もありますが、
つらくてつらくて逃げ出したくなる時もあります。
そして、それは -
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東京バンドワゴン、記念すべき(文庫)10作目。
今や一年に一度の楽しみだな。
単行本で先を読んでしまいたくなるんだけれど、そこはガマンガマン。
文庫でスタートしてしまったからの楽しみとして、書店員の方の解説が読める楽しみはあるかな。
今作は、うるっと来るシーンはあるものの号泣する内容のエピソードではなかった。
でも、登場人物それぞれの個性が色濃く出ていたのと、サイドストーリーへの展開を感じさせる楽しみが満載だった。
個人的な見解として、そろそろサイドストーリー挟まないと勘一の年齢が厳しいでしょ。
読者の勝手な意見だけれど、長く続けてもらうためにも、過去の話とかも挟んで欲しいなぁ。
しかし、 -
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ネタバレ評価は5.
内容(BOOKデーターベース)
一軒家に住む早坂家の三姉妹。 再婚した父と義母、異母弟は、近所に住んでいる。 ちょっと複雑な家庭環境だが、お互いとても仲良く暮らしている。 しかし、長いこと知らなかった伯父の存在がわかったことで……。 それぞれが抱える問題に前向きに対処していく家族の姿を描きます。
データーベースを読む限り平和な一家の元へ転がり込んだ困った伯父さんが大暴れなのか?と思いきや、両親と伯父さんの過去が分かって皆が驚く・・・と言う以外と地味な内容。淡々と進んでいく三姉妹の会話や行動・・・・何よりも最後のエピローグが良かった。
小さかった陽君が高校生になり、皆それぞれ結 -
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ネタバレ【あらすじ】
写真家をめざす大学生の圭司は、公園で偶然に出会った男性から、奇妙な依頼を受ける―「妻の百合香を尾行して写真を撮ってほしい」。砧公園、世田谷公園、和田堀公園、井の頭公園…幼い娘を連れて、都内の公園をめぐる百合香を、カメラ越しに見つめる圭司は、いつしか彼女に惹かれていくが。憧れが恋へと成長する直前の、せつなくてもどかしい気持ちを、8つの公園を舞台に描いた、瑞々しい青春小説。
【感想】
読み終えてまず、ふたつのことを思った。ひとつは、無性に写真を撮りたくなったということ。それも、人物の写真を。わたしも写真を撮るのは好きだけれど、普段は、空や花、飼っている犬、観光でいった場所くらいし