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Posted by ブクログ
令和8年の8月が(早くも)やってきました。
昨年の秋に職場が変わったわたしの新年度は、まるで滑るように過ぎていき、あっという間に4ヵ月が経っていたという印象です。
そんな中、職場の方にオススメいただいた「東京バンドワゴン」(現在21巻まで刊行中)は、読み進めて10巻までたどり着きました。
1年に1冊ずつ刊行されるこの作品は、明治に開業した古本屋「東京バンドワゴン」を舞台に大家族が暮らしていく姿が描かれていますが、なんといってもその特徴は、登場人物が刊行に併せて1歳ずつ歳を重ねていくというところでしょう。
店や家族に関わる人物も年々増え、「この人、誰だったけ?」と混乱する時もありますが、巻を追ってエピソードが積み重なるのに伴い、登場人物たちへの愛着も深まっていき、今ではわたしの生活に欠かせない作品になっています。あたかも大家族の近所に住む人になったような気分です。
さて、登場人物も年齢を重ねていくと、いろいろな困難や葛藤に見舞われる訳で、この巻では2人の人物が挫折を味わうエピソードも描かれています。
今回この巻のレビューを書こうと思ったのは、物語の進行役である登場人物 堀田サチ(ほった さち)さん(いわば幽霊。古本屋店主の亡くなった奥さん)が作中で語っている言葉に感銘を受け、(備忘録としても)ぜひ残しておきたいと思ったからです。
最初の言葉は、ある登場人物が挫折し乗り越えた後に、まとめの言葉的にサチさんが語っています。長いですが引用します。
「長い人生、目標を立てて何かを目指せば、成功するときも失敗するときもあります。それはもうどうしようもないことですね。何もかも上手くいくなんてことはほとんどありません。
でも、もちろん結果は大事ですが、そこに至る過程も大事なことです。努力は報われなくても、努力をし続けたその日々は、間違いなくそれからの人生の糧になりますよ。
何よりも、目指して辿り着いたところが、目標にしていたところであろうと、違うところであろうと、その場所からどうやって生きていくかが大切ですよね。むしろそこからが本当の人生と言えるのかもしれません。
男だからこう、女だからこう、ではありません。どちらも守るつもりで守られていたり、守られていたつもりが、守ることに繋がったりもします。
何かを決断して動くときに、傍らに大切な人がいるのなら、お互いに相手のことを思い、思われていることを知って、一緒に歩んでいくことがいちばん大切なのですよ。
駆け足をしてみたり、ゆっくり歩いてみたり、坂道を登ったり、ときには少し離れてみたり。お互いの歩く速さがわかっていれば、同じ方向を見つめていれば、決して見失うことはありませんよ。」
そして、もう一人の登場人物のエピソードの後、巻末近くには、このような言葉があります。
「晴れた日もあれば、曇る日もある。
あたりまえのことですよね。良いことばかりが続くはずもなくて、悪いことだって起きてしまうのが人生です。~中略~
でも、転んだからこそ、勢いをつけてもう一度立ち上がることができますよね。~中略~
そして、自分はこれからどこへ向かおうかと空を見上げます。~中略~
ありふれた言葉ですけど、お天道さまはまた出るのです。しかも、必ず同じ方角から昇ってくるのですよ。
お天道さまが昇れば、眩しい光が満ち溢れて、青い空がそこに広がります。
心配いりません。」
これらの言葉にみなさまは何を感じられるでしょうか?
夏休み期間にまとまったお時間があるようでしたら、この作品の世界に飛び込まれて、作品中で上の言葉を味わっていただきたいと思います。
では、いつの日か、古本屋「東京バンドワゴン」でお会いできますよう♡
〔作品紹介・あらすじ〕(文庫)
高校受験をひかえた研人。はたして無事に彼女の芽莉衣ちゃんと同じ高校へ進学できるのか? また、我南人の「ラブタイマー」の活動があらためて活発に。愛され続けて第10弾!(解説/根岸裕子)
〔作品紹介・あらすじ〕(単行本)
老舗古書店「東亰バンドワゴン」に舞い込む謎を、大家族の堀田家が人情あふれる方法で解決する人気シリーズ、記念すべき第10弾。研人の高校受験、我南人のバンドの危機など、読み逃せない逸話が満載!
Posted by ブクログ
今年から読み始めた東京バンドワゴンシリーズも10冊目。
文庫本の最新刊にたどり着きました。
ようやく堀田家の歩みに追いつくことが出来たので、
ここからは最新刊が発売されるペースに合わせて読もうと思います。
ゆっくり、ゆっくり、堀田家の1年の話を聞きながら自分の1年も振り返る。
そんな風にこのシリーズとは付き合っていきたいです。
この小説を読んでいると、「人は支え合っている」んだなぁと感じます。
そう感じさせてくれるところがこの小説のすごいところだと思います。
生きていくって大変です。
にこにことご機嫌に過ごせる時もありますが、
つらくてつらくて逃げ出したくなる時もあります。
そして、それは東京バンドワゴンの登場人物達も同じで、
私と同じように笑ったり、悩んだり、落ち込んだりしています。
でも、解決不可能に見えた問題も物語の最後には一件落着。
変化も全て受け入れて、みんなで笑い合う大団円です。
もちろん都合のいい奇跡が起きてうまくいっているわけではありません。
物語の登場人物1人1人の行動がわーっと集まって大きな力になって、
解決してしまうんです。
そして解決するのは、いつも同じ人なわけではなく、
堀田家の家族の誰かだったり、ご近所さんだったり、友達だったり…、
みんなの行いによるものなんです。
すごいなぁ。
結果的には解決に関係なかった誰かの言動も解決した人を動かすきっかけになっていたりして、
そういう風に人の力って、
いえ、ここはもう大きく「森羅万象の力」ってつなっがているんだろうなぁと。
本当にそう思います。
「東京バンドワゴン」という1軒の古本屋さんで起こる出来事から、
世界のあらゆるものの力を感じられるなんて!!
なんてすごい小説なんでしょう!東京バンドワゴン!
ごほん。
…ということで、私はこれからもこの小説を読み続けていきたいと思うのです。
Posted by ブクログ
東京バンドワゴン、記念すべき(文庫)10作目。
今や一年に一度の楽しみだな。
単行本で先を読んでしまいたくなるんだけれど、そこはガマンガマン。
文庫でスタートしてしまったからの楽しみとして、書店員の方の解説が読める楽しみはあるかな。
今作は、うるっと来るシーンはあるものの号泣する内容のエピソードではなかった。
でも、登場人物それぞれの個性が色濃く出ていたのと、サイドストーリーへの展開を感じさせる楽しみが満載だった。
個人的な見解として、そろそろサイドストーリー挟まないと勘一の年齢が厳しいでしょ。
読者の勝手な意見だけれど、長く続けてもらうためにも、過去の話とかも挟んで欲しいなぁ。
しかし、シリーズものでここまで毎作読後感が良い作品って凄いな。
年代的に宗田理氏の『ぼくら』シリーズはかなりはまったけれど、あれは完全に世代として感情移入しやすかったから。
『東京バンドワゴン』シリーズは、誰かに感情移入するというより、メイン以外の人達も含めて感情移入してしまう。
っていうか、近所に住んでいるような気がしてしまう。
読み進めれば進むほど、左手で感じる薄くなる感覚が残念になる作品。
シリーズ途中から読んでも確かに大丈夫だけれど、やっぱり最初から読んだこその感動があると思うなぁ。
あ、帯の感想忘れてた。
でも、今作はこれ以外に書きようが無いよね。
ホントに「皆さんに愛された10作目」だから。
残念なのは、今作にはあまり藤島さんが登場していないところのズレかなぁ。
お役所って、ねぇ~
毎回、お家騒動とかスキャンダルとか、本気で物々しい事件が起きかけるけど、割とすんなり解決しちゃうのが凄いよね…きっと普通は、利益が絡んでしまって皆が身動き取れなくなってしまうような状況なんだろうけど、堀田家に関わる皆さんの無欲なこと、柔軟なこと。いつも助かりますね。
そして、研人くんの受験は、そんな形に終わってしまったんだね💦からの、メリイちゃんにあの発言…それはダメだわ~。花陽ちゃん、怒鳴って正解!(笑)二人ともお幸せにね✨
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