あらすじ
「会ってほしい人がいるの」男手ひとつで育てた娘の実希が結婚相手を紹介したいという。相手は昔住んでいたマンションの隣人、古市家の真だった。彼との結婚を祝福したい父・孝彦だったが、真の母と亡き妻の間には何か確執があったようなのだ。悩む孝彦の前に、学生時代の恋人・綾乃が現れ、力を貸してくれるというが……。父が娘を想う気持ちが心を打つ傑作家族小説。
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Posted by ブクログ
父娘の愛と少しのミステリー。
娘から父への言葉に涙。
うちには子供がいないので
子を想う親の気持ちは
想像の域を出ないけど
嬉しいとか寂しいとか
いろんな感情をもって
送り出すんだろうなぁと。
「娘さんと結婚させてください!」
私の父はその一言を言う隙を与えず、
というか一緒に住み始めた時点で
結婚するのだろうと既に決めつけてた笑
もし結婚せず別れてたら
父は別れた原因が何であれ
相手にめちゃくちゃ
怒ったかもしれない笑
Posted by ブクログ
人間模様があたたかく、読んでいてほっこりする作品。
母親を事故で失った父娘家庭で、一人娘が結婚に至るまでの心の葛藤を父の視点・娘の視点で交互に描く。父も決して結婚に反対しているわけではないのだが、そこに至る準備というか解決しておきたい課題にどう向き合うかが丹念に描かれていて、その姿に心打たれる。
「結婚とは、相手の何もかもをお互いに背負い続けることを約束するということ」、「親子という言葉の通り、子に支えてもらっていた親は、子がいなくなればただの親だ。木の上に立ち、我が子の行く末をただ見ていればいい」など印象に残る深い言葉も数々散りばめられており、ページ数以上に重厚感のある感涙小説に思う。
Posted by ブクログ
2018.1.16
この前テレビドラマ観て、面白かったので原作を。割と色んなところががテレビの脚本と変わっててどちらも楽しめます。うちの娘はどんな男性を連れてきて、僕はどんな心配をすることになるのでしょうか。父親がきちんと生きてる感じが好きです。
Posted by ブクログ
「会ってほしい人がいるの」
娘を持つ親ならいつか聞かされるかもしれない言葉。
自分にも娘がいるのでどうしても重ねてしまう。
まだ幸いにも学生なので当分は大丈夫だろう。
でも、いつかはと思うと複雑な気持ちになる。
ましてや、主人公の孝彦のように男手ひとつで育てた娘への愛情ははかりしれない。
そんな大切な一人娘だからどうしても慎重になるのはしょうがない。
相手の母親に変な噂があればなおさら!
結婚って当事者だけでなく相手の家族との関係もあるから、嫁がせる身としては心配だよ。
苦労するの目に見えているからね。
父親の孝彦と同じように娘にただただ「幸せになってほしい」という願い、それ一心。
結婚式で娘「実希」から父への手紙
父が手を握っていてくれた話、最高に良い!
もし、自分が結婚式で言われたら号泣しそう。
娘にそんなふうに思って貰えたら嬉しい。
最後の孝彦のこのことばもすごい好き。
「娘は私の生きる支えだった
私が実希を支えたのではない。実希が私を支えてくれていた。」
本当にこれはそう!子供の笑顔見ると頑張ろうってパワーもらってるの実感する。
あと、妻の佳美が孝彦と実希のなかで今でもちゃんと生き続けているのも良かった。
佳美が生き続けることで家族の愛の深さがより一層感じられて。やっぱり花嫁姿見たかっただろうな。
娘が結婚するまでの父と娘の感動の物語
親と娘、人間関係、結婚とは?を改めて考えさせられた。
いつかこんな日が来るのかな~
変なの連れてこなければ良いけど。
娘を信じるしかない。
自分だったら孝彦のように凛としていられるだうか?
孝彦のような父親でありたい!
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久しぶりの小路幸也。そして久しぶりの完読。
サクッと読めるけれど、小さなミステリーと大きな感動の家族小説。
監察医朝顔のイメージで読んでしまって、この父親像は時任三郎とあの監察医朝顔の家のイメージになってしまった。もちろん娘は上野樹里で。
ちょっと小津安二郎映画感の漂う昭和の残る家の雰囲気の、、、そんな情景の漂う小説でした。
そして最後の父親のセリフがとてもよかった。家族になるとは?ということを考えさせられる小説。
Posted by ブクログ
実際に娘を持つ親として、その立場になった時にどんな感じだろうと思いながら読み進めました。
通常の対応なら、景子さんと距離を置かせると思うが、そうではない対応
これはなかなかできないと感じた。
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9歳で母を亡くし、17年間男手ひとつで育てられた一人娘の、「会ってほしい人がいる」という父に向けた一言から始まる感動的な家族の物語です。
自分の娘を信じ尊重する父親なのですが、愛娘のことでオロオロと悩み心配する様子、娘も父や婚約相手へする心遣いなど、人の感情の機微が上手に描かれています。
ドタバタ劇ではなく、父娘ともに実直な性格・行動なのが、物語に奥行きを与えている気がします。
父親と娘交互の視点で物語は綴られ、ふとしたきっかけで出てくる不安材料が、大きく物語の中心に置かれます。
人に対する噂や一面をどう捉えればよいのか、憶測だけでの判断はダメだと分かっていながら疑心暗鬼になり…と、誰もが経験しているからこそ、父親の心の揺れ動きに共感するし、読み手の心に響くのだと思います。
結婚とは、家族とは、ということを改めて考えさせてくれる、心温まる物語でした。
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妻をなくして娘と二人で生きてきたお父さん。
娘から会ってほしい人がいると言われる。
お父さんと娘の関係、お父さんの昔の彼女片岡さん、お父さんの親友柴山さん、みんな温かくてじーんときた。
お父さんは自他共に認める苦虫を噛み潰したような顔らしいけど、読んでいて全然そんな感じがしなかった。ドラマでは中井貴一だったとのことで、綺麗すぎるけど合ってると思う。
この本の表紙がとても好き。
ちゃぶ台と畳というのがいい。
Posted by ブクログ
主人公の年代や立場が小路作品らしからぬ一冊。
頼りなさそうで実は強く優しい國枝さんが魅力的でした。
真君のお母さんよのうな人に会ったことがないけれど、実際に身近にいたら確かに困るかも。
Posted by ブクログ
小路幸也 著「娘の結婚」、2016.6発行(文庫)です。母親は早くに交通事故で亡くなり、男手ひとつで育てた娘の結婚に際して、娘を想う父親の心と、娘の気持ちを描いた作品。うまく書けませんが、恋人の男性の母親(悪気がないのに誤解されやすい)に対する関係者の思いが、この作品を作品たらしめてるんだと感じました。
Posted by ブクログ
娘の結婚に傷心の男親の気持ちかと思いきや、昔のお隣ゆえのちょっとしたことからすっきりしない男親がその真相を突き止めます。
その間の微妙な親心にぐっときました。
Posted by ブクログ
あらすじ(背表紙より)
「会ってほしい人がいるの」男手ひとつで育てた娘の実希が結婚相手を紹介したいという。相手は昔住んでいたマンションの隣人、古市家の真だった。彼との結婚を祝福したい父・孝彦だったが、真の母と亡き妻の間には何か確執があったようなのだ。悩む孝彦の前に、学生時代の恋人・綾乃が現れ、力を貸してくれるというが…。父が娘を想う気持ちが心を打つ傑作家族小説。
Posted by ブクログ
結婚は当人同士だけのものではないと、この歳になって気がついた。どんなに離れようとも家族が居る。あなたを育ててくれた人が居る。あなたを想っている人が居るかぎり家族は繋がるし増えてくる。結婚は家族が増える事。家族になろうよ。
Posted by ブクログ
うちの娘は結婚したのが2年前。
この父親、なんとなく私と考え方が似ているような。
娘を信用し、娘が選んだ人ならと結婚に反対する気は無いけれど、どこか不安もあって。
何やら当時を思い出すような話でした。
ちょっと渋いお父さん、父親の学生時代の恋人でいつまでも若さを失わない綾乃、同じく長い友人の柴山、気弱に見えて大きな愛情を持つ娘の結婚相手の父親。登場人物たちがみな格好良くて。