小路幸也のレビュー一覧
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高校を卒業した研人、甘利くん、渡辺くんの三人は、〈TOKYO BAND WAGON〉として音楽活動に専念しているようです。
幸運にもロンドンでアルバムのレコーディングをするという話が持ち上がり、我南人が三人に付き添って、一ヶ月間藍子とマードックの家でお世話になることに。
(もちろんサチさんもご一緒です。)
ふだん語られていない藍子とマードックのイギリスでの暮らしが見られるかと思いきや、マードックが突然警察へ連れて行かれ、その後姿を消してしまいます。
不可解な誘拐と、美術品盗難の謎に迫るミステリー仕立てのシリーズ第16弾。
美術品とかナイトとか、〈花咲小路シリーズ〉を思わせるような言葉が出て -
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シリーズ第15弾。
明治から続く古本屋さん〈東京バンドワゴン〉の物語も、とうとう令和の時代まできてしまったのですね。
堀田家でずっと一緒に暮らしていたかずみちゃんが施設に入ってしまったり、勘一が米寿を迎えたりと時間は容赦なく過ぎてゆくけれど、世の中の不思議なご縁はずっと繋がっているのです。
家族が暮らしてきた家というものは、思い出の深い大切なもの。
どんなに古ぼけてしまっても、そんなに簡単には取り壊せないものです。
〈東京バンドワゴン〉に持ち込まれる諸問題にも家族への思いやりが感じられるものばかりで、この本を読むといつも、久しぶりに我が家に帰ってこれたような嬉しい気持ちになります。
年が明け -
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ネタバレ数年ぶりに、何度目かの再読です。
普通に考えたら修学旅行の時に1億円を拾ったとか、ニューヨーク留学中にある事件に巻き込まれてそのままホームレスになって行方不明になったとか、そもそもの設定で「いやいや、そんな事ないだろー」って思う。
思うんだけど、不思議と小路さんの小説は納得出来なくて読み進めることが出来ないっていう状況にはならないのが不思議。起こる出来事とかは現実ではあり得ないことが多いけど、登場人物たちの心情とかはリアルだからそれに対しては腑に落ちないっていう事がないからなのかも知れない。改めて、小路さんの小説は好きだなぁと感じました。
以前読んだときはスルーしてて今さら気づいた嬉しい発見は -
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以前、知人から勧められた作品。
面白かったです。
死神、疫病神、貧乏神、道祖神、福の神…。
いろんな神様が出てきました。そして、そんな神様たちと人間との関わりが描かれていました。
切なくも温かい作品が多かったです。
九十九神が出てくる作品がありました。私が好きでずっと読んでいる「最後の晩ごはん」というシリーズ作品にも、とっても素敵な九十九神が出てきます。そして、主人公との掛け合いが面白いです。
今作も九十九神と登場人物が会話を楽しんでいました。
物に神様がつく(宿る?)って、日本の昔からの伝承のような考え方だと感じがします。
九十九神、実際は会えることはないのでしょうが、会話とかしてみたいな -
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小路幸也さんのハートウォーミングストーリーですね。
五歳上の姉さんが「小説家」に成ったのが、僕が中学生の時だった。僕が高校一年の夏に、二十一歳の姉さんが家を出て、都内のマンションで一人暮らしを始めた。
地味ながら何冊か出版して、一流企業の同年のOLと同じくらいの年収は、有るらしい。
僕が大学二年生になって一ヶ月が過ぎた頃。
姉さんから携帯に電話があった。そんな滅多にあることじゃないから、ちょっと驚いて電話に出た。
「もしもし」
(朗人(あきと)?今いい?)
「いいよ。大丈夫」
(あのね、今日これから、家に行こうと思うんだけど、そのときに言うんだけど、朗人に話があるの)
「