Posted by ブクログ
2010年09月14日
主人公は、デパート内部の「監査」的な役割を担う柾人。
中学の頃、とある事件をきっかけに妹と故郷から逃げた過去を持つ。
そんな理由もあって就職してからはほとんど連絡を取り合って
いなかった妹から、結婚の知らせが届くところから物語は始まる。
このまま幸せな兄妹の物語になるのかと思いきや、
けっこうミス...続きを読むテリ色の強い展開へ。
手紙が届いてしばらく経ってから、幸せなはずの妹が失踪したとの
報を受け、捜索を開始し、一度も戻ることのなかった故郷へ。
時を同じくして、妹の婚約者もまた失踪していることを知り、
様々な不安を抱きつつも事件の真相を追い求めていく。
いくつか小路さんの本を読んで分かったんだけど、彼の本は
どんな物語でも、根底にあるのは「家族」ですね。
それは必ずしも血がつながったものだけではない。
そういう部分が滲み出て、とってもあたたかな物語になっています。