小路幸也のレビュー一覧
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読み始めると「おかえり」と言ってもらっているような気分になる、東京バンドワゴンシリーズです。
サチさんが一人一人紹介していき、あー久しぶりだなと思っていると、必ず一人や二人、「どなたでしたっけ?」という方に会います笑
そしてまた、前の作品を読み返したくなるんです。
相変わらずの堀田家ですが、
子どもたちは成長し、大人たちは年を重ねていきます。
家族は変化しながらも、そこに脈々とあるものなんだなと思いました。
今回は、人生の終い方について胸がいっぱいになりました。
「もって瞑すべし」
そんなふうに思える生き方、かっこいいなあ。
かずみちゃんのエピソードも、
以前の番外編の幼い、聡明な女の子の姿 -
Posted by ブクログ
ネタバレ思ってた以上にミステリーかつエンタメ小説だった。前作「モーニング」が中年の青春群像小説という様相だったので、その路線のシリーズなのかなと思ったら、意外に骨太(前作が骨細いわけではない)で嬉しい驚き。
前作と類似点はキャラ立ちがいいところ(これは小路作品の特徴でもある)と、BGMに凝っているところ。今回は圧倒的にブルーズ、時々ジャズである。ロックが出てきてもクラプトンであり、ロッドスチュワートであるから、ブルーズ色が濃い。
しかし、少女誘拐事件と過去の覚せい剤がらみの死亡事故を絡めて、意外な黒幕をあぶりだすなんてエンタメ王道な設定は新宿鮫か沢木冬吾のようだが、しっかり小路小説に結実していると -
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秋実さん!
今回は、秋実さんと我南人さんの馴れ初め長編!
いつもは、一巻に四話くらいの短編が入ってる感じだけど、一巻に一事件でがっつりやってもらった方が読み応えがありますね!
サチさんの回もそうだったし! -
購入済み
家族の歴史を語る番外編
いつも語り手を務めている、亡き「サチさん」が、東京バンドワゴンへやってきて勘一さんと結婚する頃のお話でした!!
戦後の、各人の複雑な胸中や、力関係などなど、すごく良く描かれていて面白かったです!
サチさん、すんごいお嬢様だったんですねぇ…
なのに、この擦れてない、だけど度胸ある性格。素敵です。そりゃ勘一さんも惚れるわね。 -
Posted by ブクログ
東京バンドワゴン 13作目は「ヘイ・ジュード」
相変わらずの大家族生活は羨ましい限りの暖かさ。
今回の作品は研人や花陽の視点からの展開が強めに感じられて子供達(若者)の成長、あるいはシリーズでの主役級代替わりを感じ、最終章「秋 ヘイ・ジュード」では死期を悟ったボンさんがバンド仲間と病室で演奏するシーンに涙した。
死を悲しみと捉えるのではなく、自分の進む先と受け止めてまるで旅立ちの鼻向けのように、そして後に残る若者に贈る励ましの様に仲間と共に最期に奏でるヘイ・ジュード。
自分だったらこんな風に恐れる事無く死に向かい合うことができるだろうか。
若者達の成長や家族の旅立ち、早すぎる仲間の死さえも寄