小路幸也のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
毎年4月に単行本、文庫本がそれぞれ発行される『東京バンドワゴンシリーズ』
第1作の『東京バンドワゴン』が発行されたのは2006年。
文庫本は単行本発売から1年遅れなので、今年で第14弾!
通常、文庫化まで2~3年と言われています。
そこには出版業界の事情があり…
つまりは”出版にかかった費用の回収”ということですが…
それが『東京バンドワゴン』は翌年文庫化されます。
それだけ待ち望むファンが多いという証明かもしれません。
東京バンドワゴン公式ツイッターもありますから!
「あの頃、たくさんの涙と笑いをお茶の間に届けてくれたテレビドラマへ」
昭和のホームドラマへのオマージュが根底に流れるこの小説。
そのタイトルはずっとビートルズの曲名で、そこもまた味わい深い。
下町の老舗古書店「東京バンドワゴン」を営む堀田家の物語。
1作目では登場人物が11人だった相関図が、第14弾ではなんと46人!
14年の間に独身だった青が結婚して、鈴花ちゃんが生まれて。
紺と亜美さんにも長女のかんなちゃんが生まれて。
藍子はマードックさんと再婚して。
花陽は医大生、研人は高校3年生になって等々。
堀田家の出来事が親戚の家での出来事のように感じられる。
そんなあったかな小説です。
今回は悲しい別れもあって…
14年の間に、年を重ねるという現実もあって…
ただ、未来はやっぱり明るい!と思わせてくれるのが『東京バンドワゴンシリーズ』です。
心に響くフレーズが満載なのもまたこの小説の魅力のひとつ。
特に心に響いたところを。
人は大人になるにつれて荷物を抱えると言いますけれど、案外それは心に思ってしまった叶わぬ望みや思いなのではないでしょうか。
幼い心に抱いた無邪気な望みは成長するにつれて消えていってしまうのでしょうけど、大きくなってから心に描いた望みや思いは、いつまでも残っていってそれが荷物となり、心も体も重くして足取りはゆっくりになるのでしょう。若い頃は足に羽があるかのように、飛び回れたものを、いつか地から足が離れることもなくなってしまうのでしょう。
けれども、その重さは、強さですよね。
荷物を抱えた重さがあるからこそ、しっかりと地を踏みしめて歩いていけます。流した涙の数だけ、瞳は潤い遠くを見つめられます。心に抱えた思いがあればあるほど、他人の思いをわかって優しくなれます。
人間は社会を作ってその中で生きる社会的動物などと昔の人は行ったそうですけれど、それはつまりお互いの心の重さがわかるからこそ、お互いにそれを慮って生きていけるということですよね。
涙も悔いも希望も、叶ったことも叶わぬことも、すべてが生きる糧になることを、歩き続ける力になることを大人である私たちは知っていくのですよ。
それを若い人たちに伝えていくことが、背中で見せることが、大人として生きる意味だと私は思いますよ。
大好きな『東京バンドワゴン』
ずーっと続いてほしいシリーズです。 -
Posted by ブクログ
家族のそれぞれの視点から、結婚式に向けての話で面白かった!両家ともに温かい家庭で、結婚した日からそのまま同居で、皆がそれを楽しみにいているなんて、素晴らしい✨
真平と春香の最初の頃の会話で、真平が本のデザイナーとわかり、さらには春香がちょうど持ち歩いて読んでいた本の装丁がまさに真平が描いたもので驚いたくだりが良かった!こんな作者として嬉しいことはないし、運命を感じたことでしょう。しかも作者の小路幸也さんの本と出てきて、笑えた!
本の装丁は大事!私はまずはタイトルと装丁で、面白そうと思ったものにまず手を伸ばし、パラパラとめくり、読むかを決める。その意味では、この『明日は結婚式』のタイトルも装丁も満点で、装丁者の名前を探したけれど、見つからず残念。これからも素敵な装丁を描いてください!期待しています。 -
Posted by ブクログ
東京バンドワゴンシリーズ2作目。あいかわらず面白い。
大家族の賑やかさと、人同士の繋がりを羨ましく感じられるシリーズ。
登場人物が大勢いて、おめでたいことがあると一斉に集まったりするもんだから、「あれ、この人はなんのエピソードの時の人だっけ?」とこんがらがる。
でもメインの堀田家の人達はキャラクターがしっかり立っていて、それぞれの背景もきっちり描かれているから、一人一人が愛しく感じられる。
今回でまたもや家族が増えるし、覚えないといけないキャラがまた増えた。
素晴らしくほっこりするし、気持ちが温かくなる良書。堀田家の皆様の成長を見届けたいので、今後のシリーズも読んでいきたい。