あらすじ
ある朝目が覚めたら、小学五年生に逆戻り!? 社会人としてそれなりの地位を築いてきた二人の男が、眠りについて目が覚めるごとに現在と過去を行き来するようになってしまう。 二人は過去を変えることで、ある人を救うことができると気づく。 あたたかな切なさに満ちた物語。
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Posted by ブクログ
東京バンドワゴンシリーズの小路幸也さんの名作長編。
現代と小学生時代とを交互にタイムスリップする話だが、ふたり揃ってタイムスリップするというのが珍しい。
小学生時代の描写、自分が生まれる前だし、実際に経験したわけでは決してないのに、どこか懐かしさを感じた。
後半の”事件”のくだりがやや急展開な印象だったり、いくつか伏線が残った感はあるものの、ラストの”オチ”も含めて、間違いなく名作と思う。
Posted by ブクログ
最高のエンタメ。
なぜか眠るたびに過去と現在を行き来するようになった2人の男性。
大人としての意識を持ったまま小学生としても過ごす。
過去を変えてクラスメイトの少女を救うことはできるのか。
過去の変化が現在にも変化をもたらす。
いったいどんなラストが待っているのか。
ぐんぐん引き込まれていく。
思いがけないラスト。
全てを手に入れることはできない。
それは分かっていても切なくて。
でも、美しい結末。
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48歳の中年となった同級生の二人が、ある日を境に、寝て目覚める毎に小学校5年生の時の自分と現在の自分を意識が行き来するようになってしまう。
タイムスリップやタイムパラドックスについての知識も持ち、過去をむやみに変えてはいけないと知りつつ、二人はどうしてもあることを決行しようとする。
ストーリーの設定上、短い章で現在と過去が目まぐるしく入れ替わるというのが、最初はとっつきにくく、読みづらい部分もあったが、二人の企みが判明したあたりからは、あっという間だった。
主人公が一人でなく二人でというのが斬新で、過去と現代の両方で相談をしながら計画を進めていく様子に、どんどんと引き込まれていった。
ラストは、少し切ないながらも、小路さんらしい心のあたたまる終わり方だったと思う。
Posted by ブクログ
過去(1968年)と現在(2006年)を眠る度に行ったり来たりしている、小学校の同級生(かつ現在の同僚)充と武の物語。
最後どうなるんだろう、とハラハラしながら読んだ。二人がバラバラの時代に帰るのは予想外だったけど、現代で理事長の不正が無かったことになったり三億円が木の下に無いことになるのはなんでだろう…里美も転校せず病気も無かったことに?なっているのは、二人が過去の出来事に干渉したせいで影響が出たということかな。
それにしても武は都合の悪い事が全てなくなって帰ってきただけで、過去に囚われた格好の充に比べると、良い思いしかしてないのでは?と思ってしまう。
充も再び過去に飛ばされて取り残された様だけれど、現代で大学教授なのは変わっていないみたいだし、妻と息子はどうなっているのだろうか。姉の漫画家デビューに干渉した影響はどうなっているのか。
色々と疑問が残る終わりだった。
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40代のおっさんらが、小学生の頃の自分に、一晩おきに転移する。三億円事件が絡み、小学生とおっさんらが、わちゃわちゃするお話し。ほっこり、あっさり読みました。
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カレンダーボーイ
ちょっと変わった題名
なるほど タイムスリップか
小学生の時代を思い返しての 無念の思いを
どうにかしようと 奮闘する様子を描いている。
その内容がホロっとさせられたり なるほどと感心したり 私の琴線に触れたりで
楽しく涙しながら 読み切りました。
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ユーモア感たっぷりのタイムトラベルものだが、なかなか計算され尽くした話であると、読み終わって感じる。
ある女の子の命を救うため、得たモノと失ったモノ。
また、そこに至るまでのちょっとした謎や伏線。
タイムパラドックスをどうするのか、ということを考えた時に、この結末は切なく哀しいけれど、こういう結果で収束するのも一つの方法なのかもしれない。
Posted by ブクログ
久々に小路幸也さんの本を読みました。
東京バンドワゴンですっかりファンになった小路さんの本は大好きです。
2006年、大学教授の三都と大学職員の安斎は幼馴染み。ある日、二人が目覚めたらそこは1986年だった。
二人同時にタイムスリップ。
目覚めると1986年、翌日は2006年。
二人は1986年にやり残したことを遂行しようとする。
そこには三億円事件も絡んでいるのだが…
そのため、2006年の世界は微妙に変化する。
ラストは切ない…。
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40代の幼馴染の男性二人が眠る度に精神だけ子供時代へと戻ってはまた現代へと過去と今を行き来してしまうようになる。
そして二人は子供時代のとある後悔と大人の事情により過去を変えようと模索しだす。
読みやすい事もあって一気に読んでしまった。
ただ終盤がちょっと駆け足になり、未来を変えることになるかも知れない肝心な部分がさらっと流されているのが残念だった。
読後感は悪くは無いが切ない気持ちでいっぱいになった。
Posted by ブクログ
何かを得ると言うことは何かを失うと言うこと。ハッピーエンドは無理でももっと救いようのある結末を期待していたがそんなに甘くない。タイムスリップものの中でも毎日今と過去を行き来するものは初めてで新鮮だった。
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読み終わると、ちょこっと哀しくなる。でも満足。三都のお姉さん・おじいちゃん、それにガンガン。周りの人たちの暖かさが伝わってくるとこはやっぱり小路さんだな。
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タイムスリップ!
できたらいいなと思うけど、実際きっとこんなふうに戸惑ったり、ひずんだりするんだろうなっていうのが分かりやすい。
そして、やっぱり小路さんの本はあったかい(*^^*)
Posted by ブクログ
おじさんたちの意識だけが小学生時代にタイムスリップしちゃう話。
やっぱり、タイムスリップだとかタイムトラベルだとかの話は辻褄合わせるのが大変だねぇ。
もうちょっと詰めて欲しいところもあったけど、詰めすぎちゃうと話繋げるのが大変なんだろうなと思った 笑。
でも上手くできていると思う。
最後なんかちょっと切なくて、泣いちゃいました。。
面白かった(´▽`*)
Posted by ブクログ
小学5年生と社会人を眠るたびに行き来する不思議な現象。「三都」と「安斎」は同じ大学に勤める幼馴染。そんな2人が巻き込まれて、それぞれの「後悔」と「目標」を抱えて過去を変えるお話です。
幼馴染で同じ境遇を生き抜いた戦友の最後の展開には涙が止まらなかったです。あたたかくも切なさに満ちた素敵なお話でした。
Posted by ブクログ
何かを得るには何かを失わなければならない、
のだとしたら、このお話はその典型で、
そして、とても悲しくて暖かい。
頑張った結果が「ここ・今・この状況」なのだと各自が自覚するから、
だから明日に向かってそれぞれの場で生きていける。
そんなふうに思える作品。
ところで、私は「小さいころ、こんな大人になりたかったのかな」
改めて自問自答しています。
読み終わって、何かが自分の中でコトッと小さな音をたてて
変わった気がします。
Posted by ブクログ
小学生と中年の日を交互に繰り返すというのは珍しいと思いますが、設定はタイムスリップSFそのものです。当然ながらタイムパラドックスも出て来ますし。でも小路さんですから、そうしたSF的設定が本題ではないわけです。
小路さんらしく、子供時代のノスタルジックなところは上手いですね。私と年齢的にドンピシャですから、当時の雰囲気がひたすら懐かしく思います。
ストーリーは過去の大事件の謎や現代の不正問題を絡めながら、次々にテンポよく進んでいきます。このあたりのワクワク感はなかなかです。登場人物も一人一人良く出来ていて、その関わりも読み応えがあります。
SFとして読めば、エンディングはいささか不満が残りますが、物語としては切なさが強く印象に残る良い作品でした。
Posted by ブクログ
三都充
イッチ。大学の国文科教授。新富小学校五年二組。タイムリープする。
安斎武
小中学校は一緒で高校と大学は別々だった。同じ職場で働く同僚。事務局長。タイムリープする。
権藤健
ゴンド。クラスで一番身長が大きかった男。
安斎奈美枝
安斎の妻。
安斎未歩
安斎の娘。
小田部和臣
未歩の彼氏。大手の建設会社勤務。建築設計士を目指している。
穂波
三都の妻。
三都雄一
三都の父親。高校の数学教師。
三都潤子
三都の姉。漫画家。
真吾
三都の息子。
瞳
安斎の姉。大学卒業してアナウンサーになった。
古内里美
クラスのアイドル。
笹原家
三都たちが働く大学の創立者一族。
古内健次郎
里美の父親。三億円事件の銀行の担当者。
高杉
テレビ局KBSの報道局長。
吉永幸一
瞳の旦那。小さな商店街で八百屋をやっている。
大樹
吉永家の長男。
凌子
吉永家の長女。
真琴
学務部。三十二歳。安斎と浮気した。
原島藤子
安斎の父と浮気した。
大橋緑
三都たちと同じクラスの女の子。
相川
大学事務局の副部長。
ガンガン
リヤカーに一斗缶をたくさん積んで町を歩いている。
幸正
安斎の父親の弟。新聞社で記者をやっている。
佐久間
潤子の担当編集。
三都雪子
三都の母親。
Posted by ブクログ
【あらすじ】
ある朝目が覚めたら、小学五年生に逆戻り!?社会人としてそれなりの地位を築いてきた二人の男が、眠りについて目が覚めるごとに現在と過去を行き来するようになってしまう。二人は過去を変えることで、ある人を救うことができると気づく。あたたかな切なさに満ちた物語。
【感想】
Posted by ブクログ
ぅーーーん、微妙!
着眼点はいいと思うしね。タイムスリップで未来を変える、とか、なかなかおっきなストーリー考えましたね?とは思うけど、、、ちょっと中途半端かな~。
ドラマチックな場面が、トラウマを減らしたかったのかページ数の制限なのかライトな小説を目指したかったのか知らないが基本的に省略されて、結果だけ独白的に紹介されたりとか。
語り手もころころ変わってちょっと読みにくい、とか。
最後、答え言っちゃいますが、確かにお互いパートナーが元の相手と会えなくなったのは面白いこと考えたとは思うけど……
なんか全体的に中途半端感は否めないよなぁ。。。佐久間さんとか。
ガンガンとか。。
ぅーん。
ということで、☆3つ。
Posted by ブクログ
1968年と2006年を行ったり来たりする二人の男の様子が軽快な文章で綴られている。読みやすく続きがすごく気になり、途中からはミステリー仕立てにもなって来て興味深くなる。が、肝心の事件の様子は短く淡々と語られ拍子抜けも。でも、そこが主題じゃ無いんだと気がつく。
Posted by ブクログ
寝起きするたびに過去と現代へというちょっと変わったタイムトラベルを楽しんだ。
タイムトラベルをするからには、と目的を見出して動こうとする二人に未来は微妙に変わっていく。
タイムトラベルという神様からのプレゼントを受け取った代わりに失うものもあった。
お互いが満足した結果だったのだろうかと、ちょっと最後は切なくなった。
Posted by ブクログ
現在の知識・技能をもちながら精神だけタイムトラベル。
自分なら、何歳に飛ぶだろうか。
身勝手な妄想でなく、
必然や必要のある時期は何時なのだろうか。
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小学校5年生の頃と中年の現在を行ったり来たりするタイムトラベルのお話。
「行き来する」って設定がおもしろかった。
最後は切ないけど、小路さんらしい暖かいお話でした。
Posted by ブクログ
タイムトラベル。ありきたりな題材ではあるが。
小路氏にしては、随分とテンポが良い。
三億円強奪事件。
フィクションの中に、ノンフィクションを少し散りばめる。
妙なリアリティが生まれる。
サラリーマンが秋の憂いに耽るにはもってこいの一冊かもしれんね。
特に中年の。現在還暦前後の世代には特に。
良いよ。哀愁漂う一冊でした。
Posted by ブクログ
48歳の男二人、
同郷の幼なじみで数十年後の再会した時には
同じ大学の同僚?(事務局長と大学教授)の親友同士
ある日目が覚めたら心は48歳のまま
体と自分をとりまく世界は
小学校5年生の野原をかけまわった
懐かしい時へ
それも男二人そろいもそろって同時に!
「これは何かの符号だ」と48歳の頭脳をもった
わんぱく坊主ふたりが
昭和43年に起こったあの”大事件”にからんだ
当時の可愛いクラスメート一家の悲劇を
防ぐべく奮闘するお話!
一種のタイムスリップものですが
主人公二人は就寝することによって
現在の世界と過去の世界を一日ごとに
行き来するので 自分たちが過去の世界で
本来起きていなかったことをするたびに
現在の自分たちの身辺が少しずつ
変化していくのを目の当たりにし
”歴史を変える”という自分たちがやろうと
していることに対する報いに
おののき悩みながらも
二人の同級生だった女の子一家を
救い出す決意を固めていきます。
DSもパソコンもなく
子どもの遊びといったら外で跳ね回ること
今と比べるべくもなく
みんな貧しいながら ただがむしゃらに日々を過ごし
今 がんばれば がんばった分の幸せを自分で掴めると
心底 信じることのできた昭和時代
大人のファンタジーのなかに
のびのぼとした古き良き子ども時代が
キラキラと輝いていて
せつなさあふれる作品でした。
Posted by ブクログ
社会的地位を築いた二人の男が、大人の意識を持ったまま子供の頃にタイムスリップする物語。
昭和43年に起きた三億円事件を絡めて、大好きだった女の子を救うというノスタルジックとロマンチック溢れる大人のファンタジー。
結末は少し哀しいが、決して二人は後悔していないと思う。何かを得れば何かを失う。当たり前のことだが、人はそのことをなかなか納得出来ない。二人の決断は素晴らしい。
Posted by ブクログ
久方ぶりの小路さんの作品。
2人の主人公ってのは面白いのだけど、タイムトラベルしながらだから、途中まで頭の中がごっちゃになっていました。更に言えば、他の方がレビューに書いているように、後半の追い込み方が雑な印象を受けてしまいました。
ただ、「東京バンドワゴン」シリーズでも思ったのは、小路さんは“日常の幸せ感”というようなものを描くのが非常に上手い。だからこそ温かい。読んでいて心地良い。
ひとつ内容に触れて思ったのは、三都さんはもしかして無限ループの中にいらっしゃる?ってこと。まあいいか。
Posted by ブクログ
48歳のおっさん(失礼)のタイムスリップモノ。
難点は視点がコロコロ変わり読みにくかったのと、あそこまで膨らませた三億円事件の経緯を、驚くほど簡単に終わらせちゃったこと。それも、全てを読み終えてからは、三億円事件をあまり深く掘り下げると、物語の主格がぶれるので、アレはあれで正解なのかな?と思いもしますが、膨らませ過ぎな感は、否めません。
それでも、終盤にかけて読ませる力はあり、あざといな、と思わなくも無いですが、ラストシーンの出来は秀逸。
嫌いではないし、面白かったとは思うのですが、ちょっと消化不良。さらっと読ませるよりも、中途半端に突くならいっそガッつり人間の側面に踏み込んでほしかったなぁ、と思い、少し残念です。