あらすじ
二十一世紀に二十一歳になる二十一人。中学入学の日、クラス担任の先生が発見したその偶然が、僕たちに強烈な連帯感をもたらした。だが卒業して十年後、その仲間の一人が自殺した。僕たちに何も告げず。特別な絆で結ばれていると信じていた人を突然喪った時、胸に込み上げる思いをどうすればいいんだろう。“生きていく意味”を問いかける感動作。
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Posted by ブクログ
21世紀に21歳になる21人の同級生。
大人になりそのうちの一人が自殺してしまい
その理由を探っていくストーリー。
強い絆で結ばれた21人の同級生。
普通は大人になったらみんなそれぞれ社会に揉まれ
中には離れていく人も居るけどこの21人は違った。
個人個人の繋がりはけっこうやっかいで理想通りばかりではなく、リアルにありそうでなさそうな展開だった。
なぜ自殺したのか、を考えるストーリーだけど結局理由は本人にしか分からない。
残されたものが生きることについても考えさせられる内容だった。
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21世紀に21歳になる21人のクラスメイト。その中のアイドル的神がかった美少年が自殺する。自分のせいだと思うクラスメイトたち。というお話。
最後の、自殺の動機はそんなこと???って思いかけたけど、なにがその人にとって重大なものであるかなんて人それぞれなんだし。むしろその視点を失わずに人と接していきたいなと思った。というか、なかのよすぎる21人うらやましすぎる!!!
美少年私に寄りかかってくれればよかったのに、と思いつつ読み進める。
最後の落とし方と、そこからの引き上げ方はさすがの小路さん!
高校への行き帰りと家で、1日で一気に読んでしまった。
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中学の仲間の死と、自分の心の闇の告白と、原因の推測と、のストーリー。
自分の中学時代はこんなリア充ではなかったので、こんなのだったら楽しそうだな、という気持ち。
あとは、心の闇は、勝手に推し量ることはできても、きちんと分かり合えることはできない、という当たり前の感想。
面白い。
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誰でも他人からは見えない苦しみや、傷を抱えて生きているってことを、改めて思い起こさせる話しだった。
そういう意味では、すごくリアルで少し重たい内容ではあった。
でも、それでもLife goes on!なわけで、21のメンバーたちと同様、これからもこの先も精一杯、それぞれの人生を生き抜いて行くことが大事なんだなと思った。
Posted by ブクログ
小路さんの人と人の情や絆の描きかたはそのままに、痛みや重さもある作品でした。
ちょうど今の自分と同じ年代の子たちの話で、しかも私の場合も中学時代(人数は何倍もいたけど)割りとみんな穏やかで良い学年だったから、物語に共感を覚える点が多く、一気に読みました。
大人になってから行った、中学の同窓会で感じたあの安心感を思いだしました。
同じ地域・年齢・学校・制服・授業・給食・行事・・・
強制的にほぼ差のない環境で過ごすあの時代は大人になって考えると、凄く独特な時代だと思います。
美しい晶くんの「生きられない人種」という痛々しい言葉が、時代のせいか物凄くリアルに感じられました。
Posted by ブクログ
少路幸也さんは、とても好きな作家さん。
とても甘酸っぱい気持ちにさせると共に、悲しい話だった。
自分は今年40歳になったが、20歳頃に読んだら違う感想だったりするかなあ。若いってすばらしい。
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クラスメイトが自殺したという衝撃的な事実が、残された人物の‘生’を浮かび上がらせていく。
順々に視点が代わり、その人物の人生にスポットライトがあたる。
連作短編のおもしろさが感じられる一冊だ。
人はみんな秘密を抱えて、それを誰かのために必死に隠して、いろんなものと戦いながら生きていくんだと思った。
それが、生きるということなんだと。
金物屋のまっちゃんが翔くんに言ったセリフが好きで。
器用に立ち回るのが苦手な私は、その真っ直ぐなセリフに泣いた。
「戦え。自分の弱い心と戦って戦って、勝て。
勝ち続けて、ちゃんと生きて、ずっと俺と友達でいてくれ」
Posted by ブクログ
せつない。
仲間意識が強いほど、もしかして、自分は違うかも…みたいに疎外感を感じるものかも。
それはあくまでも主観だから、本人が疎外感を感じれば、それはもうそうなわけで⤵
強すぎる絆も時には人生の弱点になるのかな〜。
小路さんの本は大好きだけど、これは悲しくなった。
Posted by ブクログ
とても仲のよかった21人の同級生。その中の一人が自殺し、その理由は何かを考える・・・という流れでは、辻村深月を思い出したが、辻村深月が闇を描く印象があるのに対し、こちらは常にどこかに光があった気がする。
とはいえ、決してすっきりとできるような話だと言い切ることはできない。
それは人が一人、自ら死を選んだということなのだから、当然だろう。そういった、当然の哀しみや、悔いというものを、やわらかく受け止めて、その上で先に進む。
そういった世界が、とても好きだ。
Posted by ブクログ
決して順風満帆とはいえない人への優しい目線が溢れる作品を書くことが多い小路氏ですが、今回はいつもに増して他人へのいたわりを感じる一冊です。本筋からはちょっと逸れる各章のエピソードも彼らの人柄やクラスの雰囲気を表わすのに上手く効果を発揮しており、一つ一つがとても丁寧に書かれていると感じます。
読んだ時の心の状態によって受け止め方が変わりそうですが、今の私はじんわりと温かい気分になりました。
Posted by ブクログ
非常に読みやすい文章でした。
21という数字で結ばれた21人の仲間の一人が自殺し、その残された人々の思いが綴られていました。
人はいろいろなことを思い誰かのためなら嘘だってつける、そんなことを実感させられた作品です
Posted by ブクログ
卒業して10年たった今も仲良く繋がってる中学の同級生達の物語。その中の一人が自殺してしまうという悲劇が起こり皆戸惑うが、最終的にはあたたかく受けとめる。人は生き続けなきゃいけないという現実を優しく教えてもらったような気持ちになった。同級生の色々な人が主人公になりながら物語が進むところも好きだ。それぞれの気持ちがよくわかる。ミステリーなのにあたたかい一冊だ。
Posted by ブクログ
読みだしてから、前に本好きの元同僚から貸してもらって読んだなぁと思い出す。生きている年月が積み重なっていけばいくほど、誰もがいろいろな事情を抱えて、でも生きていくのだよなぁとしみじみ思った。韮山先生は、最後まで彼らの先生という姿勢を貫いたのかなと思う。
Posted by ブクログ
綺麗すぎますよ。でもそこが良い所です。
ミステリー形式を採っていることもあって、一気に物語の中に引き込まれます。残された20人(+先生)の様々な想いが交錯しながら、物語は進みます。
現実の世界では、このような事はあり得ない。人はもっと自分勝手なものだし、照れや保身や妬みで動く。この物語は絵空事。
しかし、そう有りたいと願う絵空事です。
Posted by ブクログ
今は閉校になった学校の卒業生21人。21世紀に21歳になる21人。
その中の一人晶がある日閉校になった母校で自殺してしまう。
それぞれが抱える秘密、そして先生と晶の秘密。
ちょっと重いお話ですがちゃんと未来に向かっていくお話です。
Posted by ブクログ
国道食堂に続いて読んだので 個人名でまとめられた進行に期待をして読み進めた。
微妙な感じ
面白くない訳じゃないが 盛り上がれない
そのまま ズルズルと最後のページへ
でもやはり盛り上がらない。
Posted by ブクログ
少しずつ層が厚くなるように読み進めるにつれ関係性が繋がっていくのがよかった。
21人もいるので読み手も自分と相通ずるキャラクターがいるかも。
結末はあまり好みではなかったが、独特の世界観と表現が素敵だった
Posted by ブクログ
作者買い♪
小路さんの作品に、外れはなし、今のところ。
今作も、もちろん楽しく読めた。
が、しかし・・・結末にはちょっぴり消化不良かな。
同級生同士の不倫騒動には、胸が塞いだ。。。
というわけで、
(物語にはかなり引き込まれて読んでいたけれど)
★3つ、7ポイント。
2021.01.22.古。
Posted by ブクログ
面白かったです。キレイゴトも多いけど、むしろ自殺を扱っているのに重たくなく読み易くしていると思います。続きが気になって、あっという間に読んじゃいます。
ただ、最終的な結論は最初に気付いてしまった。。。
でもこの終わりじゃあ21人の絆に相反するとおもうので、もうひと工夫あって、すとんと落ちることがあるとよかったなーとは思います。
この作者さん、大筋というより流れが面白い人のバターン?!!
Posted by ブクログ
晶みたいな人が身近にいたら…
自分はどうするんだろうな。
みんなと離れてしまって心にポッカリ穴が空いてしまって、悲しくて、淋しくて、ダメだ。死にたい。
そう思ってしまう人が居たら。
しかし、この物語はそこを考えるのではなくて、友人を亡くしたという悲しみの処理。
晶は、みんなと離れてしまって
生きていく意味を見出せなくなり
死んでしまった。
残されたみんなは
その悲しみを、どう抱えて
その悲しみと、どう寄り添って生きていくのか。
晶には晶の悲しみがあって、
みんなには晶を失った悲しみがあって。
それぞれの悲しみとの向き合い方が描かれている。
Posted by ブクログ
21世紀に21歳になる21人のクラスメイトのうちの一人が何も告げすに25歳で自殺した。それぞれの喪失感と意味付けが書かれてる。
しかし皆が出木杉君やしずかちゃんのような印象。クラスメイトの絆が強すぎて、しらけてしまい、なかなか共感できなかった。
そんな自分の感情を晶に重ねることで物語は深まるかもしれない。
Posted by ブクログ
21世紀に21歳になる21人――僕らはただの同級生じゃない。
物語は彼らが25歳のときの視点で語られる。特別な絆で結ばれていたはずなのに、なかまの一人が自殺した。場所は当時の教室だった。ミステリーっぽい設定ですけど(っぽいというかミステリーなんだろうけど)、ミステリー色は強くなくて、むしろ同級生の自殺を知ったことで、原因は自分にあるんじゃないか、生きるってなんだよ、とか登場人物が色々考える話です(アバウトで申し訳なし)。
羨ましいなあ。この設定を読んだときに最初に思った。僕が中学生のときはそんな特別なことはなかったから。2010年に21歳になる38人(ぐらい)でしたからね。ただ、こうゆう距離が近くなりすぎると、人とのちょっとした差異が気になるものです。第三者からみれば本当に些細なことなんだけど、本人にしてみれば、ましてや中学生という多感な時期ですから、他人と比べて自分は普通じゃないとか思うことってあると思うのです。ちょっと【ネタバレ】になるかもだけど、本書を開くと最初のページに名簿が載っております。よーく見てくださればわかると思うのですが、自殺した半沢だけが1981年生まれ(2月22日)、つまり、他の皆が21歳になってるときに彼だけがまだ20歳というわけなんです。このわずか数カ月が彼を悩ませ、自殺をする理由の一つになってしまいます。「俺だけ仲間はずれにされないだろうか」という不安を抱えながら。
半沢が作成した〈twenty one〉というサイトがあって、そこに皆の近況を書きこむのですが、その役目を半沢自身が担っていました。半沢が皆に電話やメールをして近況を聞きだすというものです。本文に書かれてるか忘れたけど、そうゆう目的もありながら、一方で皆とやりとりすることで繋がりを確かめるという目的もあったかもしれない。「仲間はずれにされてない」という安心感を得るために皆と連絡を取り合っていたという考えです。あと、同級生の女の子と関係もっちゃうとか、男の子と寝ちゃうとか、しちゃうんですけど、それだって、俺が役に立つならばという気持ちでやってたのだと思いますよ。皆から頼りにされてるんだこんな僕でも。みたいな。
半沢は残念がら死んでしまうわけですけど、彼の死が仲間にもたらしたものは少なくなかったと思います。最初にも書きましたけど、彼の自殺の原因を巡って、皆が思案するんだけど、その過程で秘密にしていたことを仲間に話すことになったり(奥さんに浮気を告白する決意に至ったり)、と半沢の自殺によって皮肉ながら残された20人の絆が強くなったことが感じられます。だからといって「半沢グッジョブ!」なんて手放しで褒める気なんてサラサラなくて、むしろ彼らと同じように「バカヤロウ」と思っております。やっぱり人生思い通りにいくなんてことはあまりないと思うし、楽しいことがあればその分嫌なこと苦しいことつらいこともあると思うし、だからって人生終わりだなんて投げるのは勿体ないと思う。死んだら何も残らない。「残された人たちの記憶の中で生き続けるよ」なんてそんなドラマじみたセリフ言いたくない。本書のラストで糸井が言う。
「生きていくことが、幸せへと向かう唯一の手段だと思ってる」
糸井たちは学んだんだ。残される者たちは悲しい。こんな気持ちにさせるなんて卑怯だよ、と。でも、後悔もしてるんじゃないか。あのとき、半沢の気持ちに気づいてやれなかった。でも、考えてみれば中学生だもん。自分のことで精いっぱいな時期じゃない?勉強、部活、人によっては恋愛。友達のことを深く気にかけることは僕はできてなかったと思う。その点では糸井たちの気持ちがわかる。彼らはこれからそういったつらさ、悲しみを抱えて生きていくんだ。悲しみの涙を拭いて、生き生きとした人生を歩む。それがきっと弔いになると信じて。