小路幸也のレビュー一覧
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ギターが泣いている。最初にそう言ったのは誰なのか今となってはわからない。
奴がチョーキングすると音が泣き出すんだ。
あなたのギターを聴いているとわけもなく涙が流れてきます。
雨の中を歩けば、誰にも知られず泣くことができる。
お前のギターがまさにそれだ。………
(「クラプトンの涙より」)
こんなこと書いてある本の帯につられて、ギター好きな私はハードカバーなのに買ってしまいました。
・クラプトンの涙
・左側のボーカリスト
・唇に愛を
・バラードを
・笑うライオン
・その夜に歌う
・明日を笑え
7つの音楽にまつわる短編集。
音楽とかバンドとか歌とか人それぞれの物語があるんだなーって改めて思いま -
Posted by ブクログ
21世紀に21歳になる21人――僕らはただの同級生じゃない。
物語は彼らが25歳のときの視点で語られる。特別な絆で結ばれていたはずなのに、なかまの一人が自殺した。場所は当時の教室だった。ミステリーっぽい設定ですけど(っぽいというかミステリーなんだろうけど)、ミステリー色は強くなくて、むしろ同級生の自殺を知ったことで、原因は自分にあるんじゃないか、生きるってなんだよ、とか登場人物が色々考える話です(アバウトで申し訳なし)。
羨ましいなあ。この設定を読んだときに最初に思った。僕が中学生のときはそんな特別なことはなかったから。2010年に21歳になる38人(ぐらい)でしたからね。ただ、こうゆう距 -
Posted by ブクログ
文庫本で読みました。この小説の主人公の森省吾は高校3年生。卒業するまでの文字通り青春まっただ中の1年間の出来事を回想する書き出しで始まります。時は1970年代後半、小説の舞台となる喫茶店とフォークソングやロック・ジャズなどの音楽は対になる風景、ギターなどの楽器の小道具も欠かせないアイテム”あの頃”と懐かしがる年代の方々にはそんな思い出深いキーワードが物語の進行と同時に登場します。
主人公の省吾は親友ともいうべき友人、孝生と出会います。友人の家庭には複雑な事情がありました。高校生の省吾が少し背伸びして通う喫茶店”ぶろっく”の店主、カオリさんには明かされない秘密があります・・・そこに集う大人に見え