小路幸也のレビュー一覧
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ネタバレ≪内容≫
暗い過去を持つ少年ハルは、自殺をする寸前にカホという少女と出会う。心に傷を持つ少年少女と、彼らを取り巻く大人たちの物語。
≪感想≫
大人が子供を守るということ、家族のあり方、人に対する優しさなど、どこまでも道徳的で規範的な、そんな正しさがストレートに書かれている小説だと思う。重いテーマを取り扱っているにもかかわらず、ハルの事件の真相など、暗い記述などは意識的に排除されていて、ただ事件によって生まれた苦しみや悲しみと、その先に見える少しの希望がそっと描かれる。
登場人物はみんな善良で心優しく、どこかひねくれていてもその心を覗けば不器用な優しさで溢れている。どんなに辛い過去を持ってい -
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ネタバレマンハッタンに住む探偵・ザンティピーは、日本人と結婚した妹・サンディからの電話で、彼女の嫁ぎ先である北海道の旅館を訪ねることになる。両親とは絶縁状態にある彼だが、妹のサンディとは仲が良く、この誘いの裏にある彼女の不安に気づいたのだった。サンディが婚家にも町にもなじみ、受け入れられている様子に一安心するものの、立ち入り禁止の場所になっている御浜(オンハマ)で彼女が見つけた白骨死体の話を聞き、穏当に解決すべく行動することにする。
*妹の幸せと平穏な人々の暮らしを守るための解決に安心してしまうのは甘いのだけど、徒に何でも暴けばいいというものではないのだ。 -
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何やら訳ありの過去を持つ人々が偶然に集まり、新たなことを始める物語。とってもハートフルで気持ち良い話です。
主人公は阪神の震災で孤児となった青年。孤児院で育ち、何かの理由でそこを飛び出してきた青年の恋人。冷徹だけどどこか優しさを持つ部長。ボケを装う老人と異常なピアノの才能を持つ少女。そうした人々が次々に集まる序盤は楽しく、大きな期待を抱かせます。
だけど、最終的に訳ありの過去もぼんやりとしか描かれないし、ハッピーすぎて浮ついた印象もぬぐえません。やや、最初の勢いが最後にしぼんだ感じもあります。
それにしても小路さん、ちょっと多作すぎませんかね。
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Posted by ブクログ
ネタバレ48歳のおっさん(失礼)のタイムスリップモノ。
難点は視点がコロコロ変わり読みにくかったのと、あそこまで膨らませた三億円事件の経緯を、驚くほど簡単に終わらせちゃったこと。それも、全てを読み終えてからは、三億円事件をあまり深く掘り下げると、物語の主格がぶれるので、アレはあれで正解なのかな?と思いもしますが、膨らませ過ぎな感は、否めません。
それでも、終盤にかけて読ませる力はあり、あざといな、と思わなくも無いですが、ラストシーンの出来は秀逸。
嫌いではないし、面白かったとは思うのですが、ちょっと消化不良。さらっと読ませるよりも、中途半端に突くならいっそガッつり人間の側面に踏み込んでほしかっ