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港に霧が出た夜には「赤眼の魔犬」が現れ、次の日には必ず人が死ぬ――。高くて広い空に囲まれた町で暮らす、少年・ギーガン。また見つけてしまった10人目の死体。現場には革ジャンの男が現れ、「犬笛」の歌声が聞こえてくる。父さんはなぜ自殺したのだろう。謎の糸が少しずつ解けていく優しいミステリー。(講談社文庫)
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Posted by ブクログ
悲惨だったり、凄惨だったり・・・書き手によっては、キツイことになりそうな話を、これまたさらりと書いて、印象として残るのは、優しさや温かさ、というね。。。 それでいて、生きること、死ぬこと、について、ふと立ち止まって思い巡らす、なんてことをしてみたくなったり。普段は心の奥底に眠っているような事柄を、小...続きを読む路さんの作品を読むと思い出し、引っ張り出して眺めてみたりすることがあるんですよね。
不思議だけれど、いるのかもしれない、という現実感が漂うのは、その存在が常に正さを主張するようなものではないからなのだろう。 世界には表と裏があるけれど、どちらが表なのかなんてわかりはしない。 そして、必ずしも、表がいつでも表でいることができるわけでもないのだ。
「解す者」シリーズの2作目。 もっとも前作の『空を見上げる古い歌を口ずさむ』もちゃんと読んでいるのに、最後の方に来るまで繋がりに気付きませんでした。むしろ、小路さんは「東京バンドワゴン」のイメージが強くて、今度はなんか違うなぁと思いながら読んでいました。 恩田さんの「常野物語」に通じるところのある、...続きを読むちょっと不思議な物語です。隠れ住むひ弱なエスパー(もう死語ですかね)の物語。この手の話、結構好きなんです。 さらに小路さんらしく、架空の町の設定であっても、どこかノスタルジックで優しい。もう少し、解説があっても良い結末だと思いますが、当面こういう中途半端を楽しみましょう。
子どもの頃は、小さな秘密、秘密の場所、小さな冒険、そんなものに囲まれて心が躍っていた。 描かれている場所は、ありそうな町だけど、ちょっと不思議の世界に紛れ込んだような錯覚をさせられる。 主人公・ギーガンとルームメイトの柊さんの二人の関係には憧れる。 こんな先輩と町を探検して不思議を探るのは楽しそうで...続きを読む、ギーガンが羨ましい。 ギーガンを囲む友人達もみな個性的でいて、どこにでもいるような子。 読みながら、ギーガンと町の不思議を解いて冒険する心地。 懐かしい子ども時代を思い出す一冊。
義眼の少年が、数々の死体の第一発見者になる。 そんな血生臭いと思われる物語の始まり。 しかし、そこは小路氏。 距離感の取り方が上手く、陰惨な雰囲気はまるでない。進んでゆくに連れ、そのどこにでも漂う温かさ。 彼が描く物語には、いつも温かさがともなう。 本書に限っては、日常に忘れた何かを思い出させて...続きを読むくれる一冊。 児童文学に向いていると思う。 随所に出てくる、音楽や本を見ると彼らしさを感じられる。
空を見上げる~の続編的作品。ただ前作と比べるとスケールダウンは否めない感じ。悪くはない。悪くはないんだけど切なさ、哀愁感がちょっと足りないか。
もうちょっとホラー・サスペンスに振って掘り下げていくとか押しが欲しかったかも。全体を通して今一つ物足りなさを感じました。でも、このほっこり感は好みの分野なので★3つです。
ギーガン、ルーピー、ベイサンとあだ名だけで、毎日がドキドキのあの頃を思い出す。 最後にあのシリーズだったのかと気付かされるぐらい、一物語として完成度は高い。 「暗い日曜日」のエピソードを絡めるところが、小路氏の巧さと思う。
不思議な話だった。不思議な力を持つ少年と彼を取り巻く人たちの話。彼に、不思議な力があると話せる人がいて、支えてくれる人がいてとてもよかったと思った。
小学生~中学生という、微妙な年齢の子どもたちが主人公となって物語を進めていく。 彼らは現代にはいないとも思えるくらいに純粋で優しい。 そして、それを取り囲む大人たちもまた暖かい。 連続自殺という暗いテーマながらスムーズに読めるのは、この点があるからかもしれない。 ファンタジーとして読むならまあ楽し...続きを読むめた。 ・・・・・・なのだけど、裏表紙に書かれてるようにミステリとして読んでしまったために、肩透かし感があったことはいなめない。 売り方間違えてるなぁこの頃、と思った。
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高く遠く空へ歌ううた
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小路幸也
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