小路幸也のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
NYに住むザンティピーは数カ国語を操る名探偵。ある日、ボストンにあるスパの社長・エドから依頼が入る。娘のパットが、北海道の定山渓で日本の温泉経営を学ぶ間、ボディガードを頼みたいという。ザンティピーは依頼を受けるが、定山渓に向かう途中、何者かに襲われ気を失ってしまう…。謎と爽快感が疾走する痛快ミステリ。書き下ろし第二弾(「BOOK」データベースより)
『探偵ザンティピーの休暇』に続く第2弾。
一作目に比べるとやや軽め。
でも相変わらず妹想いで温泉好きで人情に厚くていい男だザンティピー。
四角四面で解決するんじゃなくて、多少清濁併せのむことになってもみんなが幸せになれる解決法を見つけてく -
Posted by ブクログ
マンハッタンに住むザンティピーは数カ国語を操る名探偵。彼のもとに、日本人と結婚した妹・サンディから「会いに来て欲しい」と電話があった。嫁ぎ先の北海道の旅館で若女将になった妹の言葉を不審に思いながら、日本に向かった彼が目にしたのは、10年ぶりに目にする妹の姿と人骨だった―!謎と爽快感が疾走する痛快ミステリ。書き下ろし(「BOOK」データベースより)
割とさらっと読める、口休め的ミステリ。
あえて「男はつらいよ」の寅さん口調でやり取りするザンティピー。
いなせで妹想いなところも寅さんに通じる、かな?
『HEART BEAT』とのちょこっとリンクもあり。
いつかどこかでワットマン以外の人 -
Posted by ブクログ
ネタバレ≪内容≫
暗い過去を持つ少年ハルは、自殺をする寸前にカホという少女と出会う。心に傷を持つ少年少女と、彼らを取り巻く大人たちの物語。
≪感想≫
大人が子供を守るということ、家族のあり方、人に対する優しさなど、どこまでも道徳的で規範的な、そんな正しさがストレートに書かれている小説だと思う。重いテーマを取り扱っているにもかかわらず、ハルの事件の真相など、暗い記述などは意識的に排除されていて、ただ事件によって生まれた苦しみや悲しみと、その先に見える少しの希望がそっと描かれる。
登場人物はみんな善良で心優しく、どこかひねくれていてもその心を覗けば不器用な優しさで溢れている。どんなに辛い過去を持ってい -
Posted by ブクログ
ネタバレマンハッタンに住む探偵・ザンティピーは、日本人と結婚した妹・サンディからの電話で、彼女の嫁ぎ先である北海道の旅館を訪ねることになる。両親とは絶縁状態にある彼だが、妹のサンディとは仲が良く、この誘いの裏にある彼女の不安に気づいたのだった。サンディが婚家にも町にもなじみ、受け入れられている様子に一安心するものの、立ち入り禁止の場所になっている御浜(オンハマ)で彼女が見つけた白骨死体の話を聞き、穏当に解決すべく行動することにする。
*妹の幸せと平穏な人々の暮らしを守るための解決に安心してしまうのは甘いのだけど、徒に何でも暴けばいいというものではないのだ。 -
Posted by ブクログ
何やら訳ありの過去を持つ人々が偶然に集まり、新たなことを始める物語。とってもハートフルで気持ち良い話です。
主人公は阪神の震災で孤児となった青年。孤児院で育ち、何かの理由でそこを飛び出してきた青年の恋人。冷徹だけどどこか優しさを持つ部長。ボケを装う老人と異常なピアノの才能を持つ少女。そうした人々が次々に集まる序盤は楽しく、大きな期待を抱かせます。
だけど、最終的に訳ありの過去もぼんやりとしか描かれないし、ハッピーすぎて浮ついた印象もぬぐえません。やや、最初の勢いが最後にしぼんだ感じもあります。
それにしても小路さん、ちょっと多作すぎませんかね。
.