小路幸也のレビュー一覧
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再び山森と対決することになった春たち。
倒すべき相手である山森は自分には感情などないと言う。
だから何かを大切に思う気持ちもわからないし、もちろん大切な人もいない。
春の周囲の人たちを春への脅しの材料としてしか考えられないのもそれが理由だろう。
愛も憎しみ、楽しみも悲しみも、すべては策をめぐらすための道具にしか考えられないなんて山森は本当に可哀想な人間だ。
もしかしたら春にこれだけこだわるのは、春の特異な天才ぶりに興味があるだけではないかもしれない。
自分が持っていないもの…家族だったり絆だったり…そこにある信頼や絆が妬んでいるのでは?とも思ってしまう。
事件はまたも中途半端なまま次の物語へと -
Posted by ブクログ
ネタバレこの物語の主要人物が、それぞれ語っていく形で物語は進んでいくのだが、それがチョット読みづらかった。
全404ページ中、317ページまで大きな盛り上がりがなく、残り87ページで事件&解決という感じだったので、「ここから盛り上がって面白くなる」という部分が、あまりにも短く、あっさりしていて、すべてが中途半端な感じが残ってしまった。
テロリストの背景。
「遠話」メンバーの、もっと掘り下げた人物紹介やメンバー同士のつながり。
テロリストと子供達との戦い。など
もう少し後半部分に焦点をあててくれていれば、個人的には、もっと面白かったのではないかと思う。 -
Posted by ブクログ
全員母親が違うという4人の兄弟の、少し変わったかたちの家族の物語。
ずっと育ててくれた父親が突然亡くなる。
そこから家族のかたちはどう変わっていくのか。
決して家族に依存しているわけじゃない。だけどそこには確かな絆がある。
ごく普通の平和な家庭でした。自分のことをちゃんと気にかけてくれている。可愛がってくれている。本当に感謝している。
「それでも、家を早く出たかった」
何かを目指すのならそれは自分の力で目指さなきゃならない。他人の助けをあてにする時点でそれはダメになっていく。
「一緒にいたくないんじゃない。だた、そこから一歩でも遠くへ行くことが、生きていくってことだと思ったんだ」