小路幸也のレビュー一覧

  • スターダストパレード

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    刑務所から出所したばかりの元暴走族のヘッドが、自分を捕まえた因縁の刑事の依頼で、口のきけないフランス人ハーフ5歳の女の子とともにランナウェイする話。

    大物政治家、公安なんかを交えて結構大きな風呂敷を広げてきたが、回収できた伏線は少なく、何かの事情で緊急着陸させたような後味のラスト。

    ってことは、小路さんお得意のシリーズものになっていくんだろうなぁ。今後の展開に期待を馳せての星1つ追加

    0
    2018年05月13日
  • 札幌アンダーソング 間奏曲

    Posted by ブクログ

    上巻読んだのいつだっけ?
    確か上巻が文庫化されてすぐだったはず。
    それがこの間本屋に行ったら中巻どころか下巻が並んでた…。 人の繋がりや信頼が基軸になっているのは同じなのに、『東京バンドワゴン』とは正反対の印象の作品。
    人が隠したい心理や性癖、悪意なども描かれているから。

    中巻は「間奏曲」とあるだけあって、結末へ向けての助走というか連結パート。
    事件は起きるものの、上巻で起こった程の事ではないから少し拍子抜け?

    でもきっと、下巻ではここでの話が活きてくるはず。

    0
    2018年04月16日
  • 東京ピーターパン

    Posted by ブクログ

    かつていろんな形で音楽に関わっていた人たちが、とあるきっかけで集まり、音楽を通してほんの少しだけ時間を共にする話。
    小路節は出ているものの、単なるいい話で物足りない感じでした。

    0
    2018年04月14日
  • 2030年の旅

    Posted by ブクログ

    2030年の世界を描いても、作家さんによってこんなに違うものなのか。面白かった。
    2作目の、あの展開はびっくり。
    小路さんのは、あの作品の続編?その後、というとだよね。こういう設定、嬉しくなる。

    0
    2018年04月08日
  • 花咲小路一丁目の刑事

    Posted by ブクログ

    花咲小路で起こる細やかな事件を、刑事となって祖父母の家に居候することになった淳ちゃん刑事が解決していくほのぼのミステリー。忙しい刑事の職務の合間の非番の日を全ておばあちゃんが持ってくる相談事を解決するために奔走する淳が正直哀れ。休ませてやれよ…(´;ω;`)。でも街の個性的な人々と解決する小さな事件は事情も様々で、優しい人情で解決しているので、読後感は爽やかで良いです。シリーズ2作目を先に読んでしまったので、1作目を早く読もうと思います。

    0
    2018年04月04日
  • 2030年の旅

    Posted by ブクログ

    SFアンソロジー。2030年がどのような世界になっているか、それぞれの作家が自由に描いているけれど、だいたい同じような進化過程を辿っているのが面白い。予想がつく近未来だからでしょうか。個人でお喋りする小型AIロボットを携帯しているのが羨ましいです。小鳥型とかトカゲ型とか、はたまたコガネムシ型など。欲しい。トカゲいいな。『狼と香辛料』(アニメ視聴済)の支倉凍砂さん初読みでしたが面白い。ラストの坂口恭平氏のエッセイはどうしても文体が合わず放棄しました。

    0
    2018年04月04日
  • 2030年の旅

    Posted by ブクログ

    山内マリコさん目当てで手に取りました。
    東京オリンピックから10年後の世界。きっとあっという間に訪れるんだろうなー…
    中身はちょっと期待はずれ。

    0
    2018年03月14日
  • 壁と孔雀

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    小路幸也の本ならではの味を貫いてほしかった。
    作者本人が希望したのか、出版社の依頼なのか、ともかくミステリーやハードボイルドを描こうとしているのは分かるが、全然そんな風になってない(と俺は思う)

    そもそも、この小説一番の読ませどころになってるはずの、少年が座敷牢に暮らす伏線なんて、ほったらかしやわ矛盾してるわ。自由に出入りできる座敷牢に暮らす血色のいい少年なんて伏線になるか!

    それ以外の伏線回収も荒っぽさが目立つ。オーラスどんでん返しのつもりだろうが、主人公の回想シーンにすぎなくて「えーようにも悪いようにも取れる、解釈は読み手のご自由」ってな放り出し方に見える。解釈自由は鬼手やなぁと思った

    0
    2018年02月28日
  • さくらの丘で

    Posted by ブクログ


    亡き祖母が遺した一本の鍵と、祖母が輝かしい時を過ごした西洋館。
    孫娘に残された遺言。そこには、祖母の友人二人の孫にも遺されていた。
    一体何故、土地を遺し、両親ではなく孫なのか。
    ミステリ要素はあるものの、小路氏らしい優しさに溢れる。
    戦後、時代に翻弄された人々。
    日本人もアメリカ人も、国の為の名の下に。
    戦争期の表現になると、事実、心荒むが、物語の展開上触れながらも、主にならないように運ぶ筆力は小路流。
    命を生むことの尊さ、命を紡ぐことの尊さを柔らかく表した一冊でした。

    0
    2018年02月25日
  • すべての神様の十月

    Posted by ブクログ

    「東京ラブワゴン」などで知られる作家さんだけど、これが初読み。優しい作品を書く作家さんという評判通り、今作も神様にまつわる連作短編集。
    死神、疫病神、道祖神、福の神…日本には八百万の神がいるとされているが、その神様達が人間界で活躍する様子を描く。
    決して日常的ではないが、登場人物がみんないい人で、とってもほっこりする。
    神様が身近に感じられる作品。

    0
    2018年02月24日
  • 空を見上げる古い歌を口ずさむ

    Posted by ブクログ



    とある一族の小さな息子が、ある日、突然に周囲の人間の顔が「のっぺらぼう」になった、と。相貌失認の一種か。
    父には、心当たりがあった。忽然と姿を消し、20年以上一度も会わなかった実兄が、その昔、周りに顔の見えなくなった人間がいたら知らせろ、と。
    兄の過去の回想で、物語は進んで行く。
    一人死に二人死に、突然死、自殺、事故死、自然死...
    ミステリー要素だが、回想を駆け回るのは小学生たちの夏休みなので、どこか一種冒険譚的な要素もある。
    幼少期の不思議な、また非科学的な体験を思い出す。
    小路幸也氏のデビュー作。
    日本の昔話などに通じるところが窺える。
    突然の通り魔や狂乱する人間。それは魔がさすのだ

    0
    2018年01月27日
  • 2030年の旅

    Posted by ブクログ

    「2030年」をテーマにしたアンソロジー。オススメは瀬名秀明と坂口恭平。

    恩田陸/小路幸也/支倉凍砂/ 山内マリコ/宗田理/喜多喜久。

    宗田氏は2018年で80歳。

    0
    2018年01月05日
  • 花咲小路二丁目の花乃子さん

    Posted by ブクログ

    「花咲小路の聖人」、「花咲小路二丁目の刑事」に続く「花咲小路」シリーズの3作目。

    いじめで高校を中退した「めいちゃん」は、いとこの花乃子さんが花咲小路商店街で営む花屋で働くことに決めた。

    めいちゃん目線で進行するストーリーで、

    始めから終わりまで、ホワホワッとしたムード。

    悪意もなく、登場人物が全員、善人ではある。

    心を削られることもなく、安心して読み進められる。

    ワタシとしては、2作目が好きだ。

    0
    2017年12月13日
  • 2030年の旅

    Posted by ブクログ

    【収録作品】「逍遙」恩田陸/「144C」瀬名秀明/「里帰りはUFOで」小路幸也/「AI情表現」支倉凍砂/「五十歳」山内マリコ/「神さまがやってきた」宗田理/「革命のメソッド-2030年のMr.キュリー」喜多喜久/「自殺者ゼロの国」(エッセイ)坂口恭平
     喜多喜久の作品以外は、「小説BOC2」2016年7月(中央公論新社刊)初出とのこと。

    0
    2017年11月21日
  • COW HOUSE カウハウス

    Posted by ブクログ

    一緒にいたいと思えるようなやわらかーい人たちの話。
    小路さんの作品はそんな人たちがたくさん出てくる。

    周りからそんな風に思われる、物腰柔らかい人になりたい。
    って、いつも思ってはいるんだけどね。

    0
    2017年11月13日
  • そこへ届くのは僕たちの声

    Posted by ブクログ

    起承と転結が別々にはおもしろいけど、組み合わせを間違った感。
    あるいは、承と転の間が短すぎて、不燃焼感。
    三部作くらいの長編にすれば、もっと楽しめたと思う。

    0
    2017年10月12日
  • 東京カウガール

    Posted by ブクログ

    きみは知らない/きみを知りたい
    僕は動けなかった。恐怖心からではなく、男たちを叩きのめすその女性に見惚(みと)れてしまったんだ――。
    その夜、カメラマン志望の大学生・木下英志は夜景を撮っていた。人気(ひとけ)のない公園で鈍い音を聞きつけカメラを向けると、そこには一人の女性がいた。彼女は屈強な男たちを叩きのめすと、車椅子の老人を伴い車へと消えた……。後日、改めて画像を見た英志は気づく。「似ている。横顔が、あの子に」
    〈カウガール〉と名付けた彼女の画像を頼りに、その正体に近づいていく英志だったが、やがて彼女自身にも心を寄せていく。そして辿り着いた真相と、彼女の家族が背負った哀しい過去とは?

    0
    2017年09月10日
  • 探偵ザンティピーの仏心

    Posted by ブクログ


    誰しも、秘密や隠し事の一つや二つは持っているもの。
    幼少期のそれは可愛らしいものであるが、齢を重ねるごとに、墓場まで持っていかなければならない程に重大になったり。

    べらんめぇ調NYの探偵シリーズ第二弾。

    北海道の温泉街で繰り広げられる一事件。

    ほっこりでした。

    0
    2017年09月07日
  • ナモナキラクエン

    Posted by ブクログ



    湘南のとある家族の物語。

    四人の子を持つ父親。だが、兄弟は皆母親が違う。一つ屋根の下。ある日、父は「楽園の話を聞いてくれないか」と、言い残し、旅立つ。

    産むつもりではなかったのに産まれてしまった子、経済的理由で捨てられた子、虐待から逃れた子、望まれて産まれてこなかった子...
    も、世の中にはいるわけです。

    しかし、出生はなんであれ、育て上げられた環境がどんなに重要か。

    赤ちゃんポストの意義と意味を反芻する。
    賛否を問うのはそこなのか、と。

    母になったあなたはどんな気持ちで、これを読み終えるのかな。

    一冊を通して、実に爽やかで前向きな作品でした。家族ものを書かせたら、やはり小路幸

    0
    2017年09月04日
  • 話虫干

    Posted by ブクログ

    純文学を題材に、現代劇を描くタイムトラベル感がとても楽しかった。
    昔の人のライフスタイルも楽しめたし、何より主人公とそのまわりの登場人物がキュートだった。終わり方が惜しい気もする。

    0
    2017年09月03日