小路幸也のレビュー一覧
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東京バンドワゴンの孫たちではなくおじいちゃんとおばあちゃんの若かりし頃のお話。外伝的な立ち位置かもしれないし、やっぱりこれも一つのシリーズの中の物語かもしれない。おじいちゃんの勘一が青年だった時代は終戦直後の復興がはじまった頃。おばあちゃんのサチは華族の娘さんで、あるものを託される。ええとこのお嬢さんらしい教養を身に着け、愛情をたっぷりと注がれたはつらつとした娘さん。激動の時代に巻き込まれたものは家柄ゆえのことではあるけれど、嘆くことも投げ出すこともせず、勘一や勘一のお父さんや仲間たちと乗り切る。家訓の一つ「些事諸問題ならいかなることでも万事解決」は伊達ではなく、人の縁の不思議さ、人情の温もり
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ネタバレニューヨークで私立探偵を営むザンティピー。
日本の北海道で旅館の若女将となった妹サンディから連絡が来る。
妹が発見した人骨の謎を地元の小学生、義理の妹とその恋人の協力を得て解き明かす。
ザンティピーの耳は素晴らしく2、3時間話をすれば知らない外国語も話せるようになるという特殊能力を持っていて日本語は読めないけれどペラペラ。おまけに寅さんが好きで日本語の口調は寅さんと一緒といった都合の良い設定。
寅さんの様にお調子者ではないが、人情味があり探偵は他人の秘密を暴いて収入を得るのが仕事だけれど、必要以上に暴き立て広めることは無いというスタンスで事件を解決し治めるといったお話し。 -
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★州次郎がいるなら大丈夫と思ったんだろうさ(p.335)
(一)歌川国芳が出るのでもう少しで明治になろうかという江戸末期を舞台に「隠れ」という超能力っぽいものがあることを前提にした事件とその解決を描く。
(二)バンドワゴンらしくキーワードは「家族」ってことかもしれませんね。血がつながっているとかは関係なしの家族。縁とも言えるでしょう。家族を得ることができた者とできなかった者。後の堀田家の家族に惹かれ集まってくる新たな家族のような者になれるかどうか。
(三)いちおう『東京バンドワゴン』のシリーズとなっていますが雰囲気は異なります。同じ著者でも特殊能力の持ち主たちがコトに立ち向かう「マイ・ディア