小路幸也のレビュー一覧

  • ラプソディ・イン・ラブ(PHP文芸文庫)

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    破天荒な私生活が故に家族は崩壊した名優・笠松市朗の最後の映画は、愛した家族の共演による『家族』の映画。各人が秘密にしていた真実の爆弾を抱えて撮影が始まる。現実と虚構が複雑に入り交じる家族小説。
    本当の家族が映画の為に家族を演じるという設定が秀逸。ドキュメンタリーでもなくドラマでもなく、演じることが日常となる時間の経過が、とても貴重で美しく輝かしい。読み終えた後に深い余韻を残してくれる。

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    2016年11月14日
  • 花咲小路四丁目の聖人

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    かつてイギリスで活躍していた世紀の大泥棒が、日本に帰化して寂れかけの商店街に住んでいるというアニメのような舞台設定。
    元大泥棒の聖人氏がさすがはイギリス紳士という粋な言動を見せ、語り手である娘の亜弥さんの心の声が可愛いらしく、少年たちが若い真っ直ぐさを発揮する。話を広げすぎて後半に収拾がつかなくなった感がありますが、はやみねかおる氏を彷彿させる楽しい作品でした。

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    2016年10月08日
  • そこへ届くのは僕たちの声

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    読み終わればそういうことか、と思った。3分の1ほど読み進めたら一気にラストまで読み切れた。最初は登場人物の違いに戸惑ったが、読み進めていくうちにつながったいった。

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    2016年09月24日
  • 探偵ザンティピーの惻隠

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    前2作は正直そこまで面白いと思わなかったが、
    これは面白かった。
    過去のネタバレも気になるほどはなかったし。
    続編があったら読みたい位。

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    2016年08月26日
  • 蜂蜜秘密

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    他人に言ったことはないのですが、小路氏のファンタジーはかなり好きです。
    もともと純粋な登場人物が多いうえに、変に幼稚にならずに子どもが一人称で語る文章が好ましいのが理由かな。
    本書もその特徴が上手く活かされており、期待を裏切らない内容でした。
    後半に真実が明らかになるにつれて生臭さが強すぎた点がやや残念。

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    2016年10月03日
  • 娘の結婚

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    結婚は当人同士だけのものではないと、この歳になって気がついた。どんなに離れようとも家族が居る。あなたを育ててくれた人が居る。あなたを想っている人が居るかぎり家族は繋がるし増えてくる。結婚は家族が増える事。家族になろうよ。

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    2016年07月23日
  • 猫と妻と暮らす 蘆野原偲郷

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    時代的には、戦前の日本を彷彿とさせられるような舞台設定か?
    若き研究者・和野和弥は、古より続く蘆野原(あしのはら)一族の長筋。人に災難をもたらす厄を祓うのが主な務め。長でなく、長筋というところにも、意味がある。
    ある日、帰宅すると妻が猫になっていた。厄の前触れには、何故か妻が猫になって、主人公・和弥を援護する。和弥の郷の幼馴染・泉水とともに。そうしたある日、猫になった妻が、子猫を連れてくる。子猫の正体とは一体?

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    2016年07月18日
  • スタンダップダブル!

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    なるほど。小路氏がスポーツ小説を書くとこうなるのか。
    少年時代に多くの男子が憧れる魔法のような能力を、小説家として一定の評価を得た後にさらりと描いてしまうところがいいですね。
    とても楽しい一冊で、続きがあると知って嬉しくなりました。

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    2016年07月04日
  • 娘の結婚

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    うちの娘は結婚したのが2年前。
    この父親、なんとなく私と考え方が似ているような。
    娘を信用し、娘が選んだ人ならと結婚に反対する気は無いけれど、どこか不安もあって。
    何やら当時を思い出すような話でした。
    ちょっと渋いお父さん、父親の学生時代の恋人でいつまでも若さを失わない綾乃、同じく長い友人の柴山、気弱に見えて大きな愛情を持つ娘の結婚相手の父親。登場人物たちがみな格好良くて。

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    2016年07月02日
  • 荻窪 シェアハウス小助川

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    小路氏がこのタイトルで書いた作品に対して期待した通りの内容でした。
    登場人物それぞれに事情があるものの、基本的に皆善人で、前を向いて生きようとしている。若い頃なら一度ぐらいこんな環境で暮らしてみるのもいいかなと思いました。

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    2016年06月10日
  • エール!(1)

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    ネタバレ

    働く女性が苦労するも、頑張る姿を描く短編集。
    それぞれの作家がそれぞれの職業を描きます。
    平山さんの通信教育の英語講師の話と
    近藤さんのツアコンの話が好きです。

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    2016年06月05日
  • 東京公園

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    ネタバレ

    都内の公園が出てくるから読んでみようと軽い手に取った。
    が、とても良かった。
    出てきたのは、水元公園、日比谷公園、砧公園、洗足池公園、世田谷公演、和田堀公園、行船公園、井の頭公園。
    ーーー
    写真家をめざす大学生の圭司は、公園で偶然に出会った男性から、奇妙な依頼を受けるーー「妻の百合香を尾行して写真を撮ってほしい」。砧公園、世田谷公園、和田堀公園、井の頭公園……幼い娘を連れて、都内の公園をめぐる百合香を、カメラ越しに見つめる圭司は、いつしか彼女に惹かれていくが。憧れが恋へと成長する直前の、切なくてもどかしい気持ちを、8つの公園を舞台に描いた、瑞々しい青春小説。

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    2016年06月01日
  • そこへ届くのは僕たちの声

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    子供たちがいい子で健気すぎる。
    不思議な事象に気付いて調査を始める大人の目線と、それに関わる子供たちの目線。
    色んな語り手がいて、子供たちがみんないい子なのがよく伝わってきて、切ないラストに向かうのがだんだん切なくなる。
    切ないけど、希望のないラストではない。
    だから、好き。

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    2016年05月22日
  • 少年探偵 みんなの少年探偵団

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    色々設定は変えてるけれど、明智センセの冴え渡る推理などなかなか面白かったです。いやしかし二十面相の正体には…正直納得が行かない。
    そして次郎さん、貴方は一体誰なんだ。(読んでいて、個人的にクイーンズイングリッシュが流暢なあの方が頭から離れなかった)

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    2016年05月27日
  • ピースメーカー

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    「放送部」中学生のおはなし。
    姉の七光りだけではない主人公、ジャズ喫茶店経営の父を持ち校内盗聴もお手の物な相棒、けだるげだけど親身な顧問の先生。
    教師同士の確執はたかが犬猿の仲、では済まされない。短い学校生活のなかでは一大事件になってしまう。青春物語の裏方代表取締役、そんな放送部は日夜行内外を駆け回る!
    天使の声をもつ転入生、クールビューティのスーパー部長さまも御一行に加わってパワーアップしてくかんじもわくわくでした。

    がんばれわれらがピースメーカー!

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    2016年05月11日
  • エール!(1)

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    「お仕事小説アンソロジー」ですが、主人公は女性です。働く女性へのエール、なのでしょうか。
    自分の才能を頼みに仕事すること、プロフェッショナルとしての技術をもって臨むこと、女性だからといってできない仕事は少なくなったけれど、それでも女性だから悩んでしまうことや、心細い事が、正直あると思います。
    作中の彼女たちを知ることで、少しでも共感できれば、気持ちが楽になることがあるかもしれません。そして、明日も仕事頑張って!だから、絶望的なラストはありません。
    他の作品に、あの漫画家が登場したり、ちょっとしたお楽しみがあるのも嬉しい。

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    2016年04月29日
  • スタンダップダブル! 甲子園ステージ

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    甲子園大会を戦う高校球児たちの話。

    ここまで全て上手くいくわけないと思っても
    小路さんの世界なら許される。
    できるうちは次の甲子園 その先の野球も頑張ってもらいたいな。

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    2016年04月15日
  • スタンダップダブル!

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    北海道大会を戦う高校球児たちの話。

    不思議な守備の秘密はわかりかねるが
    スポーツに打ち込む少年たちには頑張ってほしいと思わされる。

    夏の甲子園で野球人生変わっていくこともあるもんね。

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    2016年04月14日
  • 蜂蜜秘密

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    遠くの国から編入生としてポロウの農学校にやってきたレオはなんだかとても不思議な少年
    なんでもできて、なんでも知っていて
    蜂蜜色のくるくるの髪の毛が似合う
    笑顔の優しい男の子だけど、時々
    おや?と思うことをしてるんだ

    食べると病気知らずになると言われている
    「ポロウの蜂蜜」は
    村の固有種であるポロウミツバチがキングサリーの花から集めた蜜だけで出来る珍しくて貴重な蜂蜜

    このお話は、そんな不思議な少年と、不思議な蜂蜜の物語


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    蜂蜜が好きなので手に取った1冊

    とても牧歌的で優しい話だった
    好きなテンポと雰囲気だ
    地の文と会話文がひとつながりに掛け合ってる感じは、好き嫌いが分かれるかも

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    2016年04月10日
  • 札幌アンダーソング

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    天才で変態な大学生の話。

    天才に限らず普通じゃない人には変態が多いんだろうな。
    どんな方にどれくらい変かっていうだけで。

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    2016年04月06日