友達っていいな。
友情って美しい。
切なすぎるヒロインの半生に心を抉られ、
元野球部の"人間のクズ"に怒りを覚えつつ、、、
奇妙なロングドライブを続ける主人公たちの青春にノスタルジーを感じ、
その絆に憧れを抱く。。。。
そんな、素敵な読書時間を過ごさせてくれた1冊。
一緒にバカやったり、一晩飲み明かしたり悩みを語り合ったりした友人は、僕にもいる。大学の4年間を共に過ごし、卒業後20年近く経っても時おり連絡を取ったり会って飲んだりする友は。
でも、
でも、、
ここで描かれた彼らほどに濃密な関係を築いたかというとそこまでではないのかも……と、一抹の寂しさを感じつつ、昔の仲間とまた会いたくなる、そんな気持ちが沸いてくる心地よさ。
★4つ、8ポイント半。
2019.04.08.古。
※弓島珈琲店の物語の、第1作。
そうとは知らず2作目を既に読んでしまっていたたため、"ああ、あそこで昔語りされていた5人の元バンド仲間のおハナシなのね"と、すんなりと物語に入り込めた。
たしかに、2作目「珈琲ブルース」に限らず、他にもいくらでも作品にできそうなエピソードを抱えていてもおかしくないくらいのキャラ造詣、舞台設定、年齢設定ではあったな。(今作の執筆時点で2作目の構想があったわけではないのだろうけど)
※物語終盤、ほぼエピローグの時点でようやく明かされた名前を見て、先に読んだ2作目の感動が甦る。
"十七歳年下の女"が46歳の喫茶店の主人と結婚したいと思うに至ったのにも、納得♪
※かなり暗い展開になり始めても、"小路さんの作品なら最後はほっこりできるはず"と安心して読めた(^_^)v。
・・・が。
最後に空かされた謎だけは、、、素直に感動の1ピースに嵌まってくれなかったあたり、自分の頭の固さというか古さというかが実感され、恥ずかしく思った。
差別意識はないはずの自分ですら、そこに一抹の嫌悪感を抱いてしまう点・・LGBTの方達の生き難さを想像し、辛くなった。