小路幸也のレビュー一覧

  • ダウンタウン

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    旭川に住む高校生が喫茶店の店員や常連さんとの交流を通して大人への階段を少しずつ登っていく話。
    感受性が高い主人公の少年と、いろいろ訳ありながらも魅力的なお姉さんたち、ここぞという時に格好いいおじさんたち、青い真っ直ぐな生き方を貫く友人や伸びやかな恋人と、登場人物それぞれがいきいきしています。
    舞台となっている時代は自分より少し上なので臨場感を感じられないのが残念だけど、いつか書きたかったという小路氏の気持ちが表れている作品だと思います。

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    2017年01月27日
  • 小路幸也 少年少女小説集

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    ネタバレ

    小路幸也が短編集なんて珍しい…と思ったものの。
    ちょーまてよ、東京バンドワゴンシリーズは連作とはいえ短編やないか!

    収録作品は、どれも小路幸也らしい優しい暖かい小説で、大好きな雰囲気を醸し出してくれるし、他の作品群に負けない小路幸也作品を読む心地よさも楽しめるんだけど。
    やっぱ、ちょっと勿体ない気持ちがするねんなぁ。

    もっとこいつらの話を読みたいってどうしても思ってしまう。キャラクターに魅力があるので、短編では味わいつくせず、まだ味残ってるガムを吐き出してしまったような勿体なさ感がどうしても残ってしまい…

    なるほど、東京バンドワゴンは短編やけど連作やから(しかも冊数多いし)、そういう不満

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    2017年01月18日
  • 花咲小路一丁目の刑事

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    田舎の商店街に戻ってきた刑事さんの話。

    四丁目の彼らも出てきて また街の問題を解決。
    優しい街の本はまだ続くようですね。

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    2017年01月04日
  • すべての神様の十月

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    ネタバレ

    か・み・さ・ま・の・い・う・と・お・り-。「幸せな死神」「貧乏神の災難」「ひとりの九十九神」など全6篇を収録した、神様たちの意外な目的が胸を打つ短篇集。月刊文庫『文蔵』掲載に書き下ろし等を加えて単行本化。

    Twitterでフォローをしているものの,初めて読みました。

    巡り巡ると繋がっていて,優しい気持ちで読み終えられました。

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    2016年12月21日
  • 僕は長い昼と長い夜を過ごす

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    少しミステリー的要素を持つ作品です。
    小路作品らしいまっすぐな心、家族や友人との信頼と愛情、困難に負けず前向きに進む強さなどは健在。後半に明らかになるナタネさんの正体には、スマートな振る舞いとのギャップに涙腺が緩みそうになりました。
    種苗屋という職業のネーミングセンスは抜群なので、森田家とは別のところでシリーズ化して欲しいな。

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    2016年12月19日
  • モーニング Mourning

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    1961年うまれ。5人組。
    真吾、ダイ、ワリョウ、ヒトシ、淳平。
    東京で喫茶店を営むダイ、人気がでてきた俳優淳平、
    水戸の教師ヒトシ、金沢の老舗豆腐屋 ワリョウ。
    20数年後、真吾が死んだことで、葬式に4人が集まる。
    大学時代 一緒に寝起きして、飯を食べ、
    大人になっていく過程の微細な記憶。
    バンドを組み、その時代の呼吸を感じた。

    大学を卒業して以来始めて 4人が出会う。
    それぞれは、自分の生活をしているのだ。
    葬式を終え みんなで空港に向かって 
    別れようとした時 俳優の淳平が 自殺すると宣言する。
    ダイ、ワリョウ、ヒトシは なぜ?自殺するな。
    というが、
    自殺する理由がわかれば、自殺しな

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    2016年12月11日
  • すべての神様の十月

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    八百万の神。
    死神、貧乏神、疫病神、道粗神、九十九神、福の神。
    みんな優しいのよねぇ…

    生きている、生きていくってことは、守られているってことなんだなぁ…

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    2016年12月04日
  • ラプソディ・イン・ラブ(PHP文芸文庫)

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    破天荒な私生活が故に家族は崩壊した名優・笠松市朗の最後の映画は、愛した家族の共演による『家族』の映画。各人が秘密にしていた真実の爆弾を抱えて撮影が始まる。現実と虚構が複雑に入り交じる家族小説。
    本当の家族が映画の為に家族を演じるという設定が秀逸。ドキュメンタリーでもなくドラマでもなく、演じることが日常となる時間の経過が、とても貴重で美しく輝かしい。読み終えた後に深い余韻を残してくれる。

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    2016年11月14日
  • 花咲小路四丁目の聖人

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    かつてイギリスで活躍していた世紀の大泥棒が、日本に帰化して寂れかけの商店街に住んでいるというアニメのような舞台設定。
    元大泥棒の聖人氏がさすがはイギリス紳士という粋な言動を見せ、語り手である娘の亜弥さんの心の声が可愛いらしく、少年たちが若い真っ直ぐさを発揮する。話を広げすぎて後半に収拾がつかなくなった感がありますが、はやみねかおる氏を彷彿させる楽しい作品でした。

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    2016年10月08日
  • そこへ届くのは僕たちの声

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    読み終わればそういうことか、と思った。3分の1ほど読み進めたら一気にラストまで読み切れた。最初は登場人物の違いに戸惑ったが、読み進めていくうちにつながったいった。

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    2016年09月24日
  • 探偵ザンティピーの惻隠

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    前2作は正直そこまで面白いと思わなかったが、
    これは面白かった。
    過去のネタバレも気になるほどはなかったし。
    続編があったら読みたい位。

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    2016年08月26日
  • 蜂蜜秘密

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    他人に言ったことはないのですが、小路氏のファンタジーはかなり好きです。
    もともと純粋な登場人物が多いうえに、変に幼稚にならずに子どもが一人称で語る文章が好ましいのが理由かな。
    本書もその特徴が上手く活かされており、期待を裏切らない内容でした。
    後半に真実が明らかになるにつれて生臭さが強すぎた点がやや残念。

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    2016年10月03日
  • 娘の結婚

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    結婚は当人同士だけのものではないと、この歳になって気がついた。どんなに離れようとも家族が居る。あなたを育ててくれた人が居る。あなたを想っている人が居るかぎり家族は繋がるし増えてくる。結婚は家族が増える事。家族になろうよ。

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    2016年07月23日
  • 猫と妻と暮らす 蘆野原偲郷

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    時代的には、戦前の日本を彷彿とさせられるような舞台設定か?
    若き研究者・和野和弥は、古より続く蘆野原(あしのはら)一族の長筋。人に災難をもたらす厄を祓うのが主な務め。長でなく、長筋というところにも、意味がある。
    ある日、帰宅すると妻が猫になっていた。厄の前触れには、何故か妻が猫になって、主人公・和弥を援護する。和弥の郷の幼馴染・泉水とともに。そうしたある日、猫になった妻が、子猫を連れてくる。子猫の正体とは一体?

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    2016年07月18日
  • スタンダップダブル!

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    なるほど。小路氏がスポーツ小説を書くとこうなるのか。
    少年時代に多くの男子が憧れる魔法のような能力を、小説家として一定の評価を得た後にさらりと描いてしまうところがいいですね。
    とても楽しい一冊で、続きがあると知って嬉しくなりました。

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    2016年07月04日
  • 娘の結婚

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    うちの娘は結婚したのが2年前。
    この父親、なんとなく私と考え方が似ているような。
    娘を信用し、娘が選んだ人ならと結婚に反対する気は無いけれど、どこか不安もあって。
    何やら当時を思い出すような話でした。
    ちょっと渋いお父さん、父親の学生時代の恋人でいつまでも若さを失わない綾乃、同じく長い友人の柴山、気弱に見えて大きな愛情を持つ娘の結婚相手の父親。登場人物たちがみな格好良くて。

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    2016年07月02日
  • 荻窪 シェアハウス小助川

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    小路氏がこのタイトルで書いた作品に対して期待した通りの内容でした。
    登場人物それぞれに事情があるものの、基本的に皆善人で、前を向いて生きようとしている。若い頃なら一度ぐらいこんな環境で暮らしてみるのもいいかなと思いました。

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    2016年06月10日
  • エール!(1)

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    ネタバレ

    働く女性が苦労するも、頑張る姿を描く短編集。
    それぞれの作家がそれぞれの職業を描きます。
    平山さんの通信教育の英語講師の話と
    近藤さんのツアコンの話が好きです。

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    2016年06月05日
  • 東京公園

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    ネタバレ

    都内の公園が出てくるから読んでみようと軽い手に取った。
    が、とても良かった。
    出てきたのは、水元公園、日比谷公園、砧公園、洗足池公園、世田谷公演、和田堀公園、行船公園、井の頭公園。
    ーーー
    写真家をめざす大学生の圭司は、公園で偶然に出会った男性から、奇妙な依頼を受けるーー「妻の百合香を尾行して写真を撮ってほしい」。砧公園、世田谷公園、和田堀公園、井の頭公園……幼い娘を連れて、都内の公園をめぐる百合香を、カメラ越しに見つめる圭司は、いつしか彼女に惹かれていくが。憧れが恋へと成長する直前の、切なくてもどかしい気持ちを、8つの公園を舞台に描いた、瑞々しい青春小説。

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    2016年06月01日
  • そこへ届くのは僕たちの声

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    子供たちがいい子で健気すぎる。
    不思議な事象に気付いて調査を始める大人の目線と、それに関わる子供たちの目線。
    色んな語り手がいて、子供たちがみんないい子なのがよく伝わってきて、切ないラストに向かうのがだんだん切なくなる。
    切ないけど、希望のないラストではない。
    だから、好き。

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    2016年05月22日