小路幸也のレビュー一覧

  • アンド・アイ・ラブ・ハー 東京バンドワゴン

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    シリーズ14作目。
    15年前のシリーズ開始一作目の登場人物相関図が11人から本作では46人に。
    これだけ登場人物が増えると、とっ散らかってキャラがぼやけそうなものだが、そこは小路氏の筆力なんでしょうな。すんなりと頭に入ってくるし、それぞれの個性が存分に表れている。

    家族ものとして、非常に心温まる作品。登場人物も皆、成長し、人間らしい営みがまま見える。生きていれば、当然死にゆくものもいる。
    一作目では生まれてもいなかった子供たちが、本作では大学生に。回を追うごとに家族が増えてゆくのを見守るのも楽しみの一つ。
    語り部の柔らかさも非常に心地好い。

    作中に出てくる初老の名言「もって瞑すべし」

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    2021年10月02日
  • すべての神様の十月(二)

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    シリーズ第2弾。今回も読み応え充分。でもページを捲るワクワク感は第1弾の方が強かったかな。ただ間違いなく第1弾から続けて読むと楽しい。心が荒んでる時に読みたい1冊

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    2021年09月30日
  • HEARTBEAT

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    少し読みにくいなと感じながら 読み進めた。
    知らず知らずのうちに 引き込まれる。
    盛り上がる感じはないが 止まらない。
    中盤からが本骨頂 
    小路幸也さんって こんな作風だったっけ
    僕は長い昼と長い夜を過ごす から続けて読んだので
    こんな風に感じた。
    五条辻家
    少しニヤッとしてしまった。笑

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    2021年09月24日
  • 夏服を着た恋人たち マイ・ディア・ポリスマン

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    シリーズ第3弾。やはりこの作者は人物描写が上手い。登場人物の何気ない一言等でその人物の想いなどが伝わる。とはいえ今回はもう少しボリュームがあったらより深く伝わって良かったのではないかと。消化不良とは違う読み足りなさがある。もっと頁数が多くても良いのになぁという感想。

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    2021年09月24日
  • 明日は結婚式

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    ネタバレ

    結婚前夜のお話です。
    当人と家族の視点でのお話となります!
    皆さんすごく優しい方ばかりです。
    読んで心が温かくなりました。

    新婦さん〜めっちゃ弟想い♪♪
    兄弟愛にウルっとしてしまいました!!

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    2021年09月19日
  • 明日は結婚式

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    結婚式前日のことを、新郎新婦と家族、それぞれの視点から描いている。
    ひとつの出来事をいろいろな人の視点から見るのはおもしろい。
    新郎の細井さんすごく素敵。両家の家族もみんな素敵。
    人との縁っておもしろいなと思えた作品。
    月の犬に夜の猫、読んでみたいな。装幀も見てみたい。

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    2021年09月08日
  • 僕は長い昼と長い夜を過ごす

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    ネタバレ

    一見ハードボイルドタッチ。それぞれが意外な成育歴を持ち、それが関連づいてチームを作る。それに対して攻撃側の人物像が雑というかはっきりしないかな。大部な割にサクサク読める。ワゴンシリーズなどにはないキャラ立ちがしている登場人物。ナタネ氏は超人的な切れ者。

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    2021年09月07日
  • 猫ヲ捜す夢 蘆野原偲郷

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    「猫と妻と暮らす」を先に読むこと。その続編である。戦後、再び蘆野原の郷を探そうとする。いわゆる小路幸也ワールドとは異質な感じの幻想的な作品である。また、小路氏のネコ愛溢れる描写が楽しい。
    「猫と妻と暮らす」は 戦前の昭和初期を舞台に知弥・泉水の世代が時代の中で葦野原を閉じるまで。そして「猫ヲ捜ス夢」はその子供たちの世代正也知水の世代で、戦後間もなくの昭和20年代前半。ということは続編期待。高度経済時期の時代だろうか。正也多美の子供たちの時代だろう。続編発表が待たれる。

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    2021年09月05日
  • 猫ヲ捜す夢 蘆野原偲郷

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    前回の主人公の子供世代の話

    蘆野原が閉じて入口もわからなくなっていた

    相変わらず蘆野原の人達が焦る事なく淡々と時を待ち日々を暮らしいる姿がいいです

    新しい猫さんも登場で癒される

    人も時代も変わって行くと“事“も消える
    それは寂しいなぁ

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    2021年08月29日
  • 夏服を着た恋人たち マイ・ディア・ポリスマン

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    第3弾ですね。季節は巡って夏。主人公たちがカップルとしては落ち着きすぎているせいもあってか、ちょっとサブタイトルはミスマッチ感がありますね。
    本作のメインキャラにお寺の副住職がいますが、夏のお坊さんは大変そう。

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    2021年08月13日
  • ヘイ・ジュード 東京バンドワゴン

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    花陽の医学部受験から恋愛、研人と芽莉依ちゃんの将来へ向けてのステップアップ、シリーズを読み始めた頃は幼な子だった二人が、そんな世代にまで成長したことを実感する本作の各編。登場人物もいつのまにか大変な数になり、まさに大家族におこる様々なドラマの広がりを感じる。

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    2021年08月09日
  • 明日は結婚式

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    明日に結婚式を控えた、信用金庫勤めの春香と、パン屋の息子でデザイナーの真平。一組のカップルとその家族がそれぞれ胸に秘めていたものとは? 結婚前夜を、当人とその家族の視点から紡ぐ物語。『コフレ』連載に加筆修正。

    結婚式当日の話も読みたい。

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    2021年08月08日
  • 三兄弟の僕らは

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    現実に起きたらかなりしんどい内容なのに、小路幸也ワールドではこれ以上ない大円団!
    思わずわたしにもイケメンで優しい三人の兄がいないかしら?などと妄想。
    父の生き方は褒められたものではないのに、あまりにも完璧すぎて←金銭面も含め
    仕方ないって思ってしまう…。
    夫だったら許せるだろうか?家庭人として支障なくてお金あったら許せるかも?
    あー、三男の幸くん、結局、好きって気持ちは消えないのーー?

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    2021年08月04日
  • スローバラード Slow ballad

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    ネタバレ

    ダイシリーズ、とりあえず中締めの1作。学生時代のダイ、喫茶店をやり始めた頃のダイ、結婚直前のダイ…今までのシリーズに出てきた事件や人物の集大成、総まとめ。アベンジャーズでいうエンドゲーム的な1作。

    物語の中で扱っている事件の中身は結構深刻で、根も深いのだが、登場人物たちのつながり、過去を振り返るシーンと、今との比較、喫茶店や大きな屋敷で親交を温めるシーンを読んでいると、なんだか久々の親戚が集まった法事を見ている気持ちなる(笑

    ダイと三栖さんVSディビアンのラストシーン、これ絶対以降の作品に残した遺恨になるんだろうなぁ。50代も半ばを迎えるダイが、この後どういう活躍をしていくのか?楽しみに次

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    2021年08月03日
  • 妻よ薔薇のように 家族はつらいよ3

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    家族でいることは、つらいけど、いいねえという感じ。山田洋次世界と小路幸也世界の融合で、善人ばかりの過程。寅さん的な空気を読めない身勝手な男ども(次男を除く)、うまくあやつる女はつらいね。

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    2021年07月29日
  • ラブ・ミー・テンダー 東京バンドワゴン

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    シリーズも読み進め、いよいよ12巻目となった。本作は、4の倍数巻ごとにある番外編の3つ目。本編だけだとある意味マンネリになるのを番外編がとてもいいスパイスの役割を果たしている。今回の番外編は藍子と紺の母である秋実さんと我南人の出会いのエピソードとそれによって起こった騒動の顛末。本編ではすでに他界しているので、殆ど登場することのない秋実さんが生き生きと魅力的に描かれている。本作の中でも触れられているが、最初の番外編で語られた勘一とサチさんの出会いと瓜二つのような出会いかたに作者の意図するドラマを感じる。

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    2021年07月28日
  • あの日に帰りたい 駐在日記

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    子どもたちが作った雪だるまが歩いていなくなった? 村を騒がせる自称霊能者の女性の目的は? 兄弟喧嘩があわや殺人事件に。その悲しき真相とは? 駐在さん×元医者の妻が人々の心をときほぐす、連作短篇警察小説。

    ほのぼの。

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    2021年07月23日
  • ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード 東京バンドワゴン

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    シリーズもここまで進むと、題材もこんな突拍子もないものもとちょっと残念に思ったのが、「チャーリング・クロスの夜は更けて」編。勘一が、英国諜報機関を相手にロンドンに乗り込んで大立ち回りを演じてしまう。あまりに非日常的過ぎて引いてしまう。それを補って余りあるのが、「ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」編。花陽の家族と将来に対する想い、研人の成長と芽莉依ちゃんに対する想い、我南人のバンド「Love Timer 」のメンバーであるボンさんの想いとメンバーの想い。それらがみごとにまとまっていて、これぞ昭和のTVドラマ。

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    2021年07月17日
  • 猫ヲ捜す夢 蘆野原偲郷

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    個人的にはまったく予想していなかった「猫と妻と暮らす」の続編。前作の次の世代のお話で、戦後が舞台となります。前作と同様に怪異ともいえる「事」を皆割と当たり前に受け入れてるところとか、どことなく現実感の薄い感じのする文体とか、妙な魅力のある小説です。

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    2021年06月29日
  • ヒア・カムズ・ザ・サン 東京バンドワゴン

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    いつものように季節ごとの4編。シリーズの他の巻と同様に、短編は独立して成り立っているが、この底流にあるちょつとした問題がバトンのように受け継がれて最後のタイトル編に繋がっていく。全てが計画的に解決していくものではない日常生活の実態を見事に連作小説に取り込んでいる。冬編では堀田家の正月模様が描かれ、遠い思い出となった自分自身の体験と重ね合わせて感慨に耽った。最後のタイトル編は、色んなことが温かく収斂していく。

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    2021年06月16日