小路幸也のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
世の中の移り変わりも目まぐるしく、つまらないことで心を悩ませ、美しいものを見逃してしまうのはもったいない…。ほんとうにそう思います。
サチさんの語りに毎回心が和みます。
カフェと古本屋。本とコーヒーの絶妙な組み合わせも、本好きにはたまらなく嬉しくて、切り離せないものですよね。
ふと気がつくと、物語のあちらこちらで恋の花が咲いていて、我南人の「LOVEだねぇ」の一言を聞くと、思わず顔がほころんでしまいます。
前作の、番外編「マイ・ブルー・ヘブン」から繋がる話もあり、家族や本の知識のことなどはもちろん、その他にも話題は盛りだくさんでいろんなことを教えてくれるし、読みどころ満載で毎回圧倒されてしま -
Posted by ブクログ
日本の様々な神様と、人間たちとの関りが描かれた短編集。
八百万の神(やおよろずのかみ)、八百万って数字ではなく、たくさんの、ほとんどすべての物に神がいるという意味。知れて良かった。
人の姿をして福をもたらし、そして消えてゆく神、
見える人にしか見えない神、
町に住んで皆の気持ちを良くしてくれる神。
ある章までは、そうかそれは神の仕業か、と合点がいくストリーだったが、だんだん深くなっていった。
人のいるところには必ずいる神様、人と共にある。人によって生かされている、と。神とはただ己が使命を全うするだけの存在、と。
「人は何も知らないで生まれ落ちる。だからこそ、無限の可能性を秘めている。何もかも -
Posted by ブクログ
9歳で母を亡くし、17年間男手ひとつで育てられた一人娘の、「会ってほしい人がいる」という父に向けた一言から始まる感動的な家族の物語です。
自分の娘を信じ尊重する父親なのですが、愛娘のことでオロオロと悩み心配する様子、娘も父や婚約相手へする心遣いなど、人の感情の機微が上手に描かれています。
ドタバタ劇ではなく、父娘ともに実直な性格・行動なのが、物語に奥行きを与えている気がします。
父親と娘交互の視点で物語は綴られ、ふとしたきっかけで出てくる不安材料が、大きく物語の中心に置かれます。
人に対する噂や一面をどう捉えればよいのか、憶測だけでの判断はダメだと分かっていながら疑心暗鬼になり…と、 -
Posted by ブクログ
家族の形・在り方を丁寧に描き、優しさに包まれるような小説です。
物語はいきなり両親の離婚から始まりますが、爽やかで温かく、優しいパステルカラーの風景画を観終わったような読後感でした。
12歳と9歳の姉弟と両親の視点でそれぞれ描かれ、短く平易な文章でとても読みやすく、(子ども視点の部分は日記でも読んでいるような)内容的にも若い世代の方、思春期の子どもさんをお持ちの親御さんにもおすすめです。
登場人物同士の関係性の良好さ、大人との会話から生き方を学ぶ子どもたち、子どもと共に成長する親、などが大きな魅力になっていると思います。
特に父親の、真摯に子どもに向き合い、決め付け等による教えでなく