小路幸也のレビュー一覧
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なんて楽しい展開!
まさかの戦後の物語。登場人物は馴染みのあの人たち。
こうきたか!と、わくわくしながら読みました。
名前だけは知っていた人たちが生き生きと動き出す様子にすっかり引き込まれました。私の知っているおじいちゃん、おばあちゃんじゃない。二人の恋模様にもきゅんとする。
ちょうどこの前やっていた朝ドラ、カムカムエブリバディを少し思い出したりもして、戦後の大変な時期ながらも復興の熱気や格好いいジャズの音色が感じられるようでした。
振り返ってみると、本当に盛沢山で、読み応えがあるのですが、草平さんが特に素敵。
「何かを得た人間は、その得たものをどう使うかで値打ちが決まる」なんて考え、好きだなぁ。
時間はまたいつもの日常に戻るのかな?サチさんも今までとは違った目で見てしまうこと間違いなし。 -
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<東京バンドワゴン>シリーズ3作目。
4世代同居の下町での日常は、やっぱり人との距離が近くて、温かい。赤ちゃんも生まれて、はいはいをするまでになった。ちょうど春にずり這いを始めたうちの子と同じ成長っぷりだったのに、本作では夏を迎えてもう追い抜かされてしまった。
季節が移りゆく中で、人が成長し、いろんなことが変化していく。一方で、「変わらない」ということは難しいながらも、変わらないものも確かにあって、その尊さを改めて感じたりもしました。
家族みんなで食卓を囲んでの朝食。いつもは和食ですが、今回は洋食もあって、それがまた美味しそうで。
「厚切りトーストに、ベーコンととうもろこしをバターで炒めたもの。冷たいコーンスープにプレーンオムレツ。研人はその中におもちを入れるのが好きなんですよ。サラダ風にほうれん草を茹でて胡麻とマヨネーズを和えたもの。レタスをちぎってトマトを細切れにして胡瓜は細切り。ドレッシングはそれぞれの好みで。牛乳にコーヒーにヨーグルト、と今日はすべてが洋風ですね」
人数も多いし食事の支度も大変だろうけど、火事にせよ育児にせよ、人手が多いのはいいですよね。
どの話も素敵だけれど、冬の章に書かれているコウさんのエピソードが今回は一番好きでした。
人との繋がりはわずらわしい部分もあるけれど、そこに救われたりするのが人間なんだよなぁと、温かい気持ちになりました。
次回作も楽しみ。 -
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冬から秋にかけて、心が温かくなる物語は続いていきます。
登場人物も多い分、日々いろんなことが起こります。
サザエさんのようにその日常を描くだけでも読ませる物語になりそうだけれど、本書の素敵なところはきちんと時間が流れているところ。
家族が増えてく、恋愛が発展していく、過去が明かされていく。
時間が流れることはいいことばかりじゃないけれど、だからこそ大切な日々の営みに目を向けることができてより愛おしくなります。
騒がしい朝の食卓でこっそり見られる勘一の素っ頓狂なチョイスも、読み進めていくうちに楽しみになってきました。胡麻豆腐にお酢、コーンスープに七味、次はどんな組み合わせを…と気にならずにはいられない。
読んでいて、楽しいなあ。 -
Posted by ブクログ
『東京バンドワゴン』シリーズ番外編。江戸時代の北町奉行所同心・堀田州次郎と、彼を補佐する役回りを担うことになる少女・るうの活躍を描く。
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まさかの時代小説。しかもサイキック!? という意表をつく設定。ワクワクしながら読み進めます。
テンポよく運ぶ展開。やや現代調の歯切れのよい文体。まるで佐藤雅美氏の作品を読むようでした。
主人公の1人が州次郎。養子として堀田家を継ぐため、彼が後の堀田家の源流となるのでしょう。長身で見目麗しい容貌を持ち、しかも腕も立つというところなどは、青と勘一を足したようだと思いました。
気になることが2つあります。
1つが、もう1人の主人公・るうで、エピローグで堀田家の養女として迎えられることになるのですが、どのようにして州次郎と結ばれるのかということです ( LOVEだねえ ) 。
もう1つが、子々孫々と受け継がれることになる「隠れ」の力。
州次郎とるう、どちらに似ようと、東京バンドワゴンの面々に「隠れ」使いがいる道理となるのではないでしょうか。 ( 幽霊のサチと話せるのがその力なのかもしれませんが……。)
ともあれ、小路さんならきっとうまく辻褄合わせができようからぜひ続編 ( 東京バンドワゴン0,5? ) を望みたいと思いました。