小路幸也のレビュー一覧

  • 〈銀の鰊亭(にしんてい)〉の御挨拶

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    老舗料亭旅館で発生した火災と身元不明遺体。唯一事情を知ってそうな女将は火災の影響で記憶喪失。そんな状況で薄皮を1枚1枚はがすように真相に近づいていく。そんなミステリーです。

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    2022年07月16日
  • すべての神様の十月(二)

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    楽しみにしていたシリーズ二弾!
    お稲荷さん、九十九神、死神、貧乏神、福の神、お地蔵様など、八咫烏も登場します。
    人間社会に紛れている神様たちにまた会えて嬉しい。

    特に好きだったのは、
    *「戌の日に」
    *「お稲荷さんをよろしく」
    *「眠れぬ夜の神様」
    *「引きこもりおじさん」

    未読の方は意味不明だと思いますが、
    「鳥おじさんがいるだけで、皆が幸せになっていく社会」
    「生きてることが全部私の栄養になっていく」という考え方
    いいな~♪

    ちょっと不思議で読むとほわっと和むシリーズ。
    スキマ読みにもピッタリだし、寝る前に読んだら良い夢が見れそう。

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    2022年07月12日
  • シー・ラブズ・ユー 東京バンドワゴン

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    〈東京バンドワゴン〉シリーズ第2弾も、前回に引き続き相変わらずのにぎやかさです。
    サチさんの目線で、古本屋、カフェ、朝の食卓、小料理居酒屋〈はる〉など次々と場面が変わっていって、本当にホームドラマを見ているようで面白いです。

    今回も、カフェに置き去りにされた赤ちゃんや、自分の売った本を一冊ずつ買い戻すおじいさんや、葉山の海の家で花陽と研人に本を託したおばあさんの謎など、どれも人情味あふれた温かいお話ばかりでした。
    そして、秋には家族が二人もいっぺんに増えるようで、大家族のお話だけあって、ほんとに話題が尽きません。

    亡くなった我南人の妻秋実さんは、家族を支える太陽のような人だったそうです。

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    2022年07月12日
  • 〈銀の鰊亭(にしんてい)〉の御挨拶

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    ネタバレ

    さすがの小路作品。四阿全焼、二人のはずが死体は4人。その謎が次々に明かされていく。すいすい読めハートフルな展開。最後まで予想がつかなかった。

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    2022年07月10日
  • オブ・ラ・ディ オブ・ラ・ダ 東京バンドワゴン

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    東京バンドワゴンシリーズも6作目。
    早いもので、鈴花ちゃんたちはもう2歳。
    生まれて、亡くなって、季節は移り変わって、おいしいものを食べて、幸せなことや悲しいことがあって、そんな愛おしい日常に触れ、温かい気持ちになりました。

    毎度思うことだけど、ごはんがとってもおいしそう。
    そして人手があるって素晴らしい、と。
    その分いろんなことが起きるけれど。豊かさって、おいしいごはんと人との繋がりと強く関連しているよなぁと改めて感じたところです。

    子育て中だからこそ響く言葉もありました。
    「親の背中を見て子供は育つんですよ。子供ばっかりを見るより、子供に見られるように普段の生活を頑張りなさい」
    ほんと

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    2022年06月20日
  • 猫と妻と暮らす 蘆野原偲郷

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    恩田陸さんの常野物語をちょっと思い出しました。
    悪いものを祓う力を持った地域の出の主人公の妻がある日猫になってしまう。
    そしてそこにある日子猫の多美も加わってのんびりとお話が進んでいく感じです。
    悪いものを祓いながらものんびりしたお話です。

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    2022年06月14日
  • イエロー・サブマリン 東京バンドワゴン

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    あの小さかった研人と芽莉衣ちゃんがついに結婚かぁ!なんて、おそらく多数の読者と同じく、親戚の一人みたいにニマニマしてしまう。さらに今回は、かんなちゃんの活躍にちょっとびっくり。これからさらなる活躍があるのかしら。
    久しぶりに読むと、さすがに登場人物が増えすぎてわからなくなることがあって、美登里さんて誰だっけ?と思ってしまった。。

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    2022年06月12日
  • 隠れの子 東京バンドワゴン零

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    面白い。
    東京バンドワゴンシリーズの時代ものとはどんな内容だろうと思いながら読み始めたら、現代と繋がるのは少なくとも今のところは堀田という名字のみ。
    本筋は「隠れ」をアクセントにした人情捕物帳なのですが、バンドワゴンという冠が無くとも充分に面白い。
    小路氏は時代ものも書けることに失礼ながら驚きました。この一冊で終わらずに、是非シリーズ化して欲しいです。

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    2022年05月31日
  • オール・マイ・ラビング 東京バンドワゴン

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    ほっこり穏やかな日常。でもないか。
    ただ、忍び寄る影は常にあるけれど、周りの人にも助けられ、収まるべきところの収まる、いつもの安心感があります。

    登場人物はやはり多くて、東京バンドワゴンのメンバーはわかるけれど、亜美さんの弟とか、藤島さんのお姉さんとか…存在は朧気ながら覚えていても、どんなエピソードだったっけ…と、続けて読まないとすぐに忘れてしまう。
    そして、子どもたちの成長のはやさに目を見張るばかり。
    特にかんなちゃんや鈴花ちゃんは我が子と比べて、もうその頃に言葉を話すの?!など、今の自分ならではの楽しみ方もあっていい。
    それにしても研人もいつの間にやら随分大人びてしまって…と、気分はすっ

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    2022年05月29日
  • すべての神様の十月(二)

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    待望の2作目でした。前回よりもう少しカジュアルに、人間味を増した八百万の神様が生き生きと、みんなの生活に関わっていました。読後はほっこりと。これだけの神々に守られた国でならば、どうかこの先も、なにとぞ平和で…と願わずにいられません。

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    2022年05月16日
  • 明日は結婚式

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    サーッと読めて少しほっこり幸せがもらえる本。結婚を周り全員が祝ってくれるってなんて素敵だろう。
    結婚前日、パン屋っていうのも良い。

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    2022年05月15日
  • マイ・ブルー・ヘブン 東京バンドワゴン

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    なんて楽しい展開!
    まさかの戦後の物語。登場人物は馴染みのあの人たち。
    こうきたか!と、わくわくしながら読みました。
    名前だけは知っていた人たちが生き生きと動き出す様子にすっかり引き込まれました。私の知っているおじいちゃん、おばあちゃんじゃない。二人の恋模様にもきゅんとする。

    ちょうどこの前やっていた朝ドラ、カムカムエブリバディを少し思い出したりもして、戦後の大変な時期ながらも復興の熱気や格好いいジャズの音色が感じられるようでした。

    振り返ってみると、本当に盛沢山で、読み応えがあるのですが、草平さんが特に素敵。
    「何かを得た人間は、その得たものをどう使うかで値打ちが決まる」なんて考え、好き

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    2022年05月14日
  • 明日は結婚式

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    ひとりの女性が結婚を迎えようとしている。
    その家族の気持ちとその関係を
    メチャほろっとする語り口で綴ってくれた1冊
    ひととひととの繋がり
    大切にしないといけない

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    2022年05月01日
  • うたうひと

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    短編集の最初 クランプトンの涙で掴まれた。
    後から考えるとオーソドックスな手法なんだが
    音痴せ歌うことが苦手な僕でも楽しめる
    うたうひとだった。

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    2022年04月25日
  • オブ・ラ・ディ オブ・ラ・ダ 東京バンドワゴン

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    今回もあったかくて面白かったー!
    6作読んできて今作で新しさを感じたのは、堀田家が留守の間に堀田家以外のメンバーが東京バンドワゴンに集まり店を守る場面。
    古本愛だけでなく堀田家の人間味をも愛している外の人間たちが何を想っているのかを語り合うシーンが素敵だった。

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    2022年04月20日
  • スタンド・バイ・ミー 東京バンドワゴン

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    <東京バンドワゴン>シリーズ3作目。
    4世代同居の下町での日常は、やっぱり人との距離が近くて、温かい。赤ちゃんも生まれて、はいはいをするまでになった。ちょうど春にずり這いを始めたうちの子と同じ成長っぷりだったのに、本作では夏を迎えてもう追い抜かされてしまった。

    季節が移りゆく中で、人が成長し、いろんなことが変化していく。一方で、「変わらない」ということは難しいながらも、変わらないものも確かにあって、その尊さを改めて感じたりもしました。

    家族みんなで食卓を囲んでの朝食。いつもは和食ですが、今回は洋食もあって、それがまた美味しそうで。
    「厚切りトーストに、ベーコンととうもろこしをバターで炒めた

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    2022年04月19日
  • 三兄弟の僕らは

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    自分の子供もこの本に出てくる三兄弟のような寛大な子になって欲しいと思いました。
    家族の中でも知らないことはもちろんあって、それを全部知ろうとしなくてもいい、あって当たり前なのだと思わせてくれる温かい小説でした。

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    2022年04月19日
  • すべての神様の十月(二)

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    神が集いし神無月。人と共に過ごし見守り、ほんの少し関わる出来事。
    ほっこりしたい時に傍らにあるべき本。
    いい本でした。

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    2022年04月16日
  • アンド・アイ・ラブ・ハー 東京バンドワゴン

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    ネタバレ

    別れがたくさんある1冊だった。
    ボンさんとの別れ。
    かずみちゃんとの別れ。
    これまで、堀田家の歴史を共に見てきたからこそ、その別れは切なく辛い。
    年数を重ねて、新たに仲間になる人もたくさんいるけど、こうやって別れなければいけない時もくるんだな…。切ないな…。

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    2022年04月04日
  • シー・ラブズ・ユー 東京バンドワゴン

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    冬から秋にかけて、心が温かくなる物語は続いていきます。
    登場人物も多い分、日々いろんなことが起こります。
    サザエさんのようにその日常を描くだけでも読ませる物語になりそうだけれど、本書の素敵なところはきちんと時間が流れているところ。
    家族が増えてく、恋愛が発展していく、過去が明かされていく。
    時間が流れることはいいことばかりじゃないけれど、だからこそ大切な日々の営みに目を向けることができてより愛おしくなります。

    騒がしい朝の食卓でこっそり見られる勘一の素っ頓狂なチョイスも、読み進めていくうちに楽しみになってきました。胡麻豆腐にお酢、コーンスープに七味、次はどんな組み合わせを…と気にならずにはい

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    2022年03月30日