小路幸也のレビュー一覧
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面白かった!ラジオパーソナリティで小説家の槙村さんは、共感覚をもち投稿者の話がうそかほんとか、色のように分かる。
このラジオの、a day in your life.投稿者の人生のある1日を綴って、それをすてきなストーリーに編んで読んでくれるのが面白い。たくさんの投稿があって、奇跡みたいな、偶然というには運命的な、投稿にワクワクした。本当にラジオを聞いてるかのよう。
で、槙村さんはこのラジオで、亡くなった父親と、それを殺した犯人を探してる…というふうに話の本筋もある。ミステリーと謳っていたが、そこはあまりミステリーというよりもただの秘密って感じで、そちらよりみんなの投稿のが面白かった。殺人犯を探してると聞くと怖い感じの本かと思ったが違った。前回読んだ
小説家の姉ともそうだったが、あまりミステリー推しで言わない方が小路さんの小説には良いと思う。魅力が減ってしまう。スラスラ2日くらいで読めた。 -
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シリーズ第14弾。
花陽が大学に合格し、藍子とマードックさんがイギリスに行き、芽莉依ちゃんが堀田家で一緒に暮らすようになり…。
前作を読んでからしばらく間があくと、人物整理をするのが大変だけれど、読んでいくうちにすぐに堀田家の世界に入っていけました。
愛に溢れた居心地のいい場所で、我南人の「LOVEだねぇ」が聞けるのが何よりも嬉しいです。
子どもたちは成長し、大人は年老いてゆくけれど、その人の人生は、その人だけのもの。
家族であっても、仕事仲間であっても、同じ方向を向いているようでもきっとそれぞれの道があり、自分の道は自分で決めることになるのです。
人生の指針になるようなことをたくさん教えてくれる「東京バンドワゴン」シリーズをまだまだ追い続けたいと思います。 -
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小路幸也さんのハートフルストーリーですね。
両親が離婚をしたが、夫婦喧嘩で離婚をしたのでなく、お父さんが会社を辞めて作家になるために、お母さんと話し合って離婚することにしたらしい。
そして、僕、天水(あまみ)九歳とお姉ちゃんの風花ちゃん十二歳は、夏休みの間だけ、お父さんの住む海の見える家に行くことになった…………
子どもたちもそうですが、別れた夫婦にとっても、自分探し、家族探しの心理模様の物語です。
それぞれが、一人語りする構成で、心模様の変化を浮かびあがらせていきます。
小路さんお得意の、どうすれば、一番良い生き方が出来るかを模索しながら、それぞれがほのぼのと答えを出していきます?
離婚はしているものの、夫婦は互いに心が繋がっていて、金銭的にも問題の無い環境なので、子どもたちの理解と、夫婦の絆の問題の和解のストーリーなので重たくなく、いつも通りに良い解決策にたどり着く、小路ストーリーなので、楽しみながら読めました。
離婚するほどでも無いように思えるけれど、子どもたちの一夏の成長と夫婦それぞれの気持ちの整理を思うと、このストーリーも有りかな(=^ェ^=) -
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東京バンドワゴンの第8弾である本作は番外編。
11章ある全てでメンバーそれぞれが語り手となり、知られざる過去のエピソードが語られる。
第1章「紺に交われば青くなる」は、堀田家に青がやってきた日のことを、紺が研人に話して聞かせる。
普段は大人数の堀田家の会話に埋もれているけれど、紺は研人のお父さんだものね、その優しい口調や目線から、改めてお父さんだなぁと実感。
第4章「愛の花咲くこともある」は、紺と結婚するよりも前の、若かりし亜美が語り手。
その紺との出会いが語られる。
第6章「野良猫ロックンロール」の語り手は、若かりし秋実さん。
『東京バンドワゴン』がスタートした時は既に鬼籍に入られていたので、読者はここで初めて秋実さんの人柄を直に知ることとなる。
えー!これからが始まりじゃん!っていうくらいに短い物語だけど。
それでも我南人との出会いを知ることが出来て嬉しかった。
本作は、普段は脇役の藤島社長や木島さん、真奈美さんや甲さんが語り手になったり。
いつものサチさん語りの『東京バンドワゴン』もいいけど、たまにはこんな番外編があっても楽しい。
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『東京バンドワゴン』の第7弾。
今回、登場人物相関図の他に、堀田家と藤島ハウスの間取り図が付いていた♪
その手書き感にほっこりにっこり。
サチさんの口上から始まるのも第7弾までくるとそろそろマンネリなのだが、逆にそれが心地いい。
サチさんの優しくて温かい語りが、バンドワゴンに帰ってきたー!って感じだ。
文庫一冊で丁度一年が過ぎる作り。
堀田家の家族たち、取り巻く人たちが、年齢を重ねてゆく様が味わい深い。
我南人を中心に仲間たちがカフェでアコースティックライブを開催するようになった。
音楽の才能が開きつつある中学生の研人も夢中になってライブの準備をする。
研人はいつか、我南人のように音楽の道に進むのかしら。
かんなちゃんと鈴花ちゃんは、早いものでもう三歳になる。
いとこ同士なのだけど、三年前のあの日、大騒ぎのうちに同じ日に生まれた。
そのことも懐かしいし、すっかりお喋りも上手になって、おしゃまな様子が可愛らしい。
個性も出てきて、活発で積極的なのはかんなちゃん、ちょっと恥ずかしがり屋なのは鈴花ちゃん。
かんなちゃんは勘も鋭い子のようで、サチさんの存在にも気付いてるような…?
そして私のイチオシである勘一、八十三歳。
今回もべらんめえ口調が心地よく、人情味に溢れて、スジの通ったところが素敵。
いつまでも東京バンドワゴンの帳場にどっかと座り、元気に堀田家を引っ張っていって欲しいなぁ。
〈文化文明に関する些事諸問題なら、如何なる事でも万事解決〉
さて、今回も堀田家の家訓どおり万事解決となるか。
我南人の「LOVEだねぇ」も聞きたいし♪
印象的だったのは「春」の研人。
ロック部の練習中、「我南人なんてもう過去の人じゃん。オワコン?」と言われて、上級生を殴ってしまう。
相手の家には研人と、親である紺と亜美に加え、我南人も一緒に謝りに行ったのだけど…。
どうしても納得できなかった研人は翌朝、置き手紙を残して学校をサボってしまう。
置き手紙には、
「学校に行ってあいつの顔を見たらまたぶん殴りそうなので、海に行って少し頭を冷やしてきます。心配しないでください。研人」
の文字。
我南人は研人の大切なおじいちゃんだもんね。
研人も音楽をやるようになって、より一層、我南人の偉大さが伝わって、今まで以上に尊敬していたんだよね。
殴ってしまったのは良くないけれど、真っ直ぐスジの通った子に育ってるじゃないか。
こういうところ、大じいちゃんの勘一に似てるなぁ。
研人が“海へ行く”と言えば葉山の龍哉さんの所と決まっているし、いざ葉山へ迎えに来てみれば、研人は律儀に学校の制服を着て、鞄も持ってきてる。
こんなところにも研人の性格が滲み出てる。
迎えにやってきたのは大じいちゃんの勘一、母親の亜美、それから池沢百合枝さん。
葉山の龍哉さんは研人に話してくれる。
人を許すことの方がはるかに難しいってこと。
暴力は何も生み出さないってこと。
代わりにそのエネルギーで曲を作れば、聴いて感動してくれた人の糧になること。
あの“我南人”の孫であり、血を受け継いで音楽をやれるなんて、くだらないことに起こってる場合じゃないぞと。
そして最終的に、オワコンなんて失礼なことを言った上級生に上手で返したのは研人の母親の亜美だった。
上級生の目の前でピシャリとスジの通ったことを言って、見事なドラムソロを叩いてみせた!
上級生も呆気。
読んでてこちらもスッキリしたし、亜美さん、格好良かったなー。
こんな風に、何か起きれば堀田家はみんなで解決する。
毎回この流れのワンパターンではあるけれど、飽きないんだよなぁ。
それは、一人一人のキャラクターが生き生きと描かれているから。
回を追うごとに堀田家や周りの人たちに対する情も湧いてくるし。
登場人物は多いけど『東京バンドワゴン』は魅力的で、いつまでも追いかけ続けたい作品だ。
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設定としてはかなりしんどい、と言うか無理がある感じがあったので星4つにしましたが、話的には面白かったです。
高校ではバイトを禁止しているところがやはり多いのではないかと思うのですか、高校生ぐらいになったら『働くってどういうこと?』とか『お金を稼ぐとはどういうことか』を身を以て知るためにもバイトをするのも悪くはないのではないかと思います。
それが本作の登場人物のように生活のために、である場合もあるでしょうし、単に小遣い稼ぎがしたいからという場合もあると思います。
ただ、いずれにせよ学業に差し支えのない範囲で、かつ高校生にふさわしくない仕事でなければ、ある程度認めていくほうがいざ社会に出たときに格段の差が出てくるのではないだろうかと思います。
というようなことを子供を持たないオッサンにも考えさせる、そんな作品でした。
追記
この作家さん、初読みで結構気に入ったので、今後また別の作品も読んでいこうかなと思っています。 -
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『東京バンドワゴン』の第6弾。
春。
ある朝の東京バンドワゴンの庇の下。
外に置かれたワゴンの本の上に、青い林檎が1つ置かれていた。
数日後、今度は赤い林檎が置かれていた。
はて、これは一体…。
檸檬だったら梶井基次郎なのにな~なんて思いながら読んでいたら、同じことを祐円さんと勘一も話していて嬉しくなった。
サチさんの結びの言葉が印象深い。
「とはいえ、人間だから悩みますよね。悩んで、でも笑って。そしてまた悩んで。
その繰り返しで日々を過ごしていくことが、暮らしているってことですよ。」
夏。
堀田家の朝御飯は洋食だってとても美味しそう。
たまごをたっぷり染み込ませたフレンチトースト、トマトの冷たいスープ、ハッシュドポテト、焼いたソーセージ、チーズ入りスクランブルエッグ、マカロニとポテトのサラダ。
みんな揃っての“いただきます”は、この日も賑やか。
これぞ堀田家!という感じで微笑ましい。
この夏の騒動は盗作!
テレビの歌番組に〈十年ぶりに登場!〉と現れた風一郎。
けれどそこで風一郎が歌ったのは、我南人(がなと)が花陽(かよ)のために作った曲だった...!
そういえば風一郎は、春の章で突然堀田家にやって来たかと思ったら、いつのまにか姿を消してしまっていたんだった。
その時に我南人の曲のデータを持ち出したのかしら???
我南人はこの件、どう解決する!?
そして同時進行するのは映画撮影!
青が子供の頃にお世話になった映画監督が、古本屋を舞台にした映画を撮影するという。
東京バンドワゴンで撮影させて欲しいと願い出た。
それに青をまた出演させたいという。
これはもう、ドタバタの予感!
堀田家、この夏をどう乗り切る!?
最終章の冬 オブ・ラ・ディ オブ・ラ・ダは胸が熱くなるお話だった。
妹である淑子さんの最後に間に合わなかった勘一。
加えて、淑子さんは日本ではなくアメリカで荼毘に伏されなければならない。
それは淑子さんが最後の時間を日本で過ごしたいが為、アメリカの家族たちと結んだ約束だった。
また別の一方で、勘一は、姉を亡くした過去を持つ藤島に対し、いい加減にその過去をきっちり葬らせろと言い聞かす。
それは、最愛の妹を亡くした勘一にしか言えない台詞だった。。。
人生は続いてゆく。
ラブ&ピースに溢れた作風に、今回もまた癒された。