小路幸也のレビュー一覧
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〔内容〕地味だがキャラや設定がいい作家と、絵は抜群だがキャラや物語がおもしろくない漫画家をむすびつけたのは/不思議な少女は招き猫を残す/不思議なタクシー運転手/禍を連れてきた女だがその後好転する/どんなクジにも当たってしまう少年の悩み/チョー強力な雨女である気象予報士の原因は/チョー強力な方向音痴の母/災害で一部分壊れてしまった古い家からお手伝いさんが消えた/夏川麻美と死神、その後/地味過ぎる霊能力者と神様たち。
〔感想〕この世界の神々は人間のために存在してるので神にしては基本優しい。優しすぎる。
〔好み度〕ここちよさ:A/キャラ:A/設定:A/文章:B/思いがけなさ:B/総合:A
■神様たちについての簡単な単語集
【明野】地下鉄忘れ物センター職員。今年入ってきた新人。声がよく通る。彼女が受け付けした忘れ物、落とし物は必ず見つかる。
【池内雅人】大庭さんに貧乏語りをしている。微妙に運がよく、自分では「小吉人生」だと言っている。二十五歳。
【伊沢史子】ベテランナース。
【榎本帆奈/えのもと・はんな】T大恩田ゼミの才媛と評判だったのだとか。死神と契約してしまった。アルコールにとても強い。広告会社勤務。二十六歳。
【縁結びの神】わりと万能。「こっち」にいないので福の神たちも合ったことがない。気まぐれ。
【逢坂】漫才コンビ「きっとキッド」のツッコミ役。
【大野原顕/おおのはら・あきら】漫画家。絵は抜群に上手いが物語やキャラを作るのが下手でおもしろくない。
【大庭】実は貧乏神。池内くんに全力で取り憑いていた。
【お釜】信哉んちにある古いお釜。ひいばあちゃんとばあちゃんが使っていた。九十九神になっている。
【河西淑子/かさい・よしこ】ユーリの上司。
【加奈子】坂崎の第一サブ。
【かのん】美耶子の連れ子。西条と美耶子が結婚したときまだ二歳だったので今のところ西条を実の父親だととらえていると思われる。
【神様】《これだけ長い間人間と関わっていれば、我々神様だって人間臭くなるんじゃないでしょうか》p.236。死神や貧乏神や福の神のはるか上に位置するかもしれない「神様」がいそうだが神様たちにもよくわからないようだ。
【キーちゃん】茶髪ギャル。進学校であるM高の生徒。フーちゃんとともに喫茶花ふじでいなり寿司を出したらいいと提案してくれた。じつはお稲荷さん。
【喫茶 花ふじ】三角商店街にある老舗喫茶店。隣は老舗古本屋の「松川伽藍堂」でそこで本を買った人たちが来るのが数少ない外部のお客さん。
【きっちゃん】シンジのアシスタントをしている。
【きっとキッド】漫才コンビ。まちゃは大ファンだが世間ではいまいちウケてない。じつは…
【キャリオット】帆奈が死神と出会ったバー。お稲荷さんに供えるいなり寿司を作る役割がある。揚げは同じ商店街の田中豆腐店から購入している。
【近藤】音楽プロデューサー。実は福の神。池内雅人くんについては出番無し。
【坂本】看護師。
【小百合】疫病神。医師は彼女が見えるようになった理由を知らねばならない。
【雑賀たね/さいか・たね】家政婦だと言ってやってきた。「僕」と折り合いの悪かった、大学教授である父の西条進からの要請で美耶子が出産するまでの間家事をやってくれると言った。人見知りのかのんがあっという間に懐いた。
【西条】イラストレーターとして成功しつつある「僕」。たぶん西条という苗字。美耶子と結婚した。
【酒井美海/さかい・みう】作家。地味な小品が多い。
【坂崎真美】フランスで行われるプロジェクトのリーダー。相手のミスをかぶりプロジェクトを続けた。貧乏くじを引きがちな人生。
【幸生】→花井幸生
【三角商店街】お稲荷さんがある。
【死後の世界】あるかどうかは死神も知らない。
【死神】すごくいい男。帆奈が頭からウイスキーをぶっかけて召喚してしまい、さらに酒を奢って契約してしまった。人が死んだことをその目で確認すること(だけ)が仕事。
【篠田】お稲荷さん。
【シュンジ】ユーリの幼馴染。長いこと引きこもりになっていたが大学に行く気になった。
【シンジ】漫画家。コインランドリーで御手洗咲子と知り合った。奇妙な夢の見方をする。
【信哉】地元で就職したい。覇気がないと言われる。小さい頃お釜の九十九神と出会い以降それで炊いたご飯しか食べなくなった。
【仙人】元は人間だが修行して神様みたいになった。特に役割はなく自由にやっている。不老不死。
【千佳】看護師。二十一歳。森山晴行の姪。叔父ともども疫病神が見える。
【九十九神】「付喪神」という表記が多いと思うがここでは「九十九神」。長い間使われてきた器物が神化したもの。妖怪扱いのことも多いがここではれっきとした神のようだ。《〈九十九神〉はな、ある意味では人間の愛が生み出す神様なんだ。》第二巻p.159
【てのひら地藏】地下鉄忘れ物センターに祀られているが知っている人はほとんどいない。
【天狗】「こっち」にはいない。
【道祖神】動かず迷い人を待っている。バーのマスターなんかもやってたりする。
【戸川みつる】三角商店街の子どもと言える。愛嬌があり皆に好かれている。就職に失敗し、実家の「喫茶 花ふじ」を守っていた母の体調不良で戻ってきている。父は膵臓がんで亡くなった。料理の腕がいい。
【十川満】三角商店街の後藤電器店従業員。偶然戸川みつると似た名前(音的には全く同じ)。
【年神】「こっち」にはいない。
【鳥おじさん】ユーリやシュンジの家の前の公園の常連で鳥にエサをやっていた。
【中島】小学四年生のみなみちゃんのお母さん。晴行先生には興味がないらしくラフな格好。
【中道】交通誘導員。
【夏川麻美】一度死んだことがあるらしい。父は警察の事務職で若い頃はセレクトショップでバイトしたこともある。母は専業主婦だが洋裁専門学校を出ている。そんな両親のもとで育ったので着るもののセンスを褒められることは多い。死神ととある約束をした。
【西川】勝手に火事が鎮火してしまいもう何年も現場で活動できていない消防士。
【二ノ宮重三】地下鉄忘れ物センターのヌシ。勤続三十三年。十万点ある忘れ物センターのブツをすべて把握しているというウワサがある。
【二ノ宮由奈】女子高生。母は極度の方向音痴。
【二ノ宮良男】会社員。妻は極度の方向音痴。
【二ノ宮喜子】主婦。極度の方向音痴。
【二ノ宮凌平】大学生。母は極度の方向音痴。
【花井正則】帆奈がクリエイターとしても男性としても憧れている先輩。
【花井幸生/はない・さちお】花屋勤務。人が救われる瞬間を七回見ている。救った人物の姿形は異なるが幸生は同一人物だと感じている。
【早川】地下鉄忘れ物センター職員。
【フーちゃん】黒髪ロング。進学校であるM高の生徒。キーちゃんとともに喫茶花ふじでいなり寿司を出したらいいと提案してくれた。じつはお稲荷さん。
【便利屋】猫探し専門。じつは…
【僕】→西条?
【まちゃ】坂上まさみ。イラストレーター。漫才コンビ「きっとキッド」の大ファン。
【マネちゃん】女子高生してた。じつは招き猫…?
【御手洗咲子】コインランドリーでシンジと知り合った。
【みっちゃん】夏川麻美の友人。目がまん丸。
【みつる】→戸川みつる
【美耶子】「僕」と結婚した。元キャバ嬢でバツイチで一人娘のかのんがいる。現在妊娠中。
【森山晴行】小児科医。母親にはぶっきらぼうに接するのはいい男すぎて母親がクラッと惚れてしまいがちだから。疫病神が見えるようになった。
【疫病神】いろんな禍を連れてくるがその後にいい方に転がっていく。小百合さゆや今成美枝子さん。
【八島】交通誘導員。
【八咫烏】迷い人を道祖神のところまで連れていく。「やたちゃん」と呼ぶ仲間もいる。自由な性格。人間と結婚して子孫ができることもある。
【ユーリ】家の玄関前に公園があった。ずっと公園を見ていた。市役所の公園係になった。
【吉田】漫才コンビ「きっとキッド」のボケ役。
【ロックウェル】上島の行きつけの店。料理が美味しく酒の種類が多く適度に騒がしくマスターは同じ会社のOBである田口なのでいろいろサービスしてくれる。 -
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『東京バンドワゴン』の第5弾。
前作が番外編だったので、久しぶりに本編のみんなに会えるのを嬉しく読んだ。
夏。
亜美の弟・修平が道ならぬ恋!?
これには亜美も心配、堀田家のみんなも放ってはおけないよね。
そして今回の同時進行は。
それはちょっぴり怖~い百物語を巡るお話。
九十九話しかないはずの和綴じの怪談本を順繰りに読んでいくと、何故か無いはずの百話目が現れた…!?
しかもその物語には自分と恋人の名前が書かれていて。。。
これってどういう事!?
秋。
ある朝、東京バンドワゴンの店先に見知らぬ段ボール箱が置き去りにされていた。
中身は『三毛猫ホームズの冒険』、『吾輩は猫である』、『What's Michael ?』・・・などなど八冊。
捨て猫ならぬ、捨て猫本。
誰が何のために???
同時進行するのは不審な新聞記者と役人。
この辺りの下町の歴史について聞いて回っているという。
それなら一番の老舗古本屋である東京バンドワゴンを訪れればよいのに、何故かなかなかやって来ない。
う~ん…何を調べてるんだろ…。
心に残った文章。
「人が生きていれば、たくさんの人と関わります。その中で背負っていくものも増えてきます。……(略)……その重さに耐え切れなくて、軋みを立てることだってあるでしょう。
でも、背負っていくものを、その身体でまっすぐにきちんと受け止めていれば、それを周りから支えてくれるものだって、たくさん増えていくんです。
人生とはそういうものだと思いますよ。」
続く冬の章、春の章も、いつも通り温かく人情で事件を解決してゆく。
『東京バンドワゴン』は既に沢山の続編が出ているので、今はのんびり追いかけているところ。
各章で毎回紹介される朝御飯のメニューはいつも美味しそう。
これはとある朝のメニュー。
レンコンのきんぴら、ニラ入り玉子焼き、鶏ささみとレタスと玉葱のサラダ、納豆汁、鮭とキャベツの炒め物、焼海苔、胡麻豆腐。
ね?
いいでしょう?
古本屋側のガラス戸にさがっている土鈴もお気に入り。
からんころんと音が鳴れば、「よぉ、いらっしゃい」と勘一の声が響く。
こんな古本屋&カフェがある下町、住んでみたいなぁ。
いつまでも東京バンドワゴンのみんなと年を重ねていきたい。
今、一番お気に入りのシリーズ本だ。
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『東京バンドワゴン』の第四弾。
今回は番外編。
いつも温かな目線で家族を見守り語る、サチさんの娘時代を描く。
終戦直後。
咲智子は父から「ある、政治に関わる文章が入っている」と木箱を託された。
その木箱を狙う者達から咲智子を救ったのは、堀田勘一という青年だった…。
(途中名前があがるブアイソーとは、白洲次郎のことをイメージしてるのかな。)
番外編と言えど、いつも通りの読みやすさ。
そして人情味たっぷりの勘一も健在。
勘一の父・草平も、
「どんな問題が起ころうとも、知恵と皆の心意気で乗り越えられるものだ。顰めっ面は良くない。楽しく過ごしていきましょう」
と、もうまさに堀田家の家訓通り!
身を隠すために、勘一の嫁として堀田サチと名乗ることになった咲智子。
そしてサチと文書を守るために集まる勘一の仲間たち。
番外編であっていつもと時代は違えど、きっぷのいいキャラクターばかり揃っていて本当に読み心地がいい。
本編では紺が好きだったのだけど、すっかり勘一推しになってしまった。
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「会ってほしい人がいるの」
娘を持つ親ならいつか聞かされるかもしれない言葉。
自分にも娘がいるのでどうしても重ねてしまう。
まだ幸いにも学生なので当分は大丈夫だろう。
でも、いつかはと思うと複雑な気持ちになる。
ましてや、主人公の孝彦のように男手ひとつで育てた娘への愛情ははかりしれない。
そんな大切な一人娘だからどうしても慎重になるのはしょうがない。
相手の母親に変な噂があればなおさら!
結婚って当事者だけでなく相手の家族との関係もあるから、嫁がせる身としては心配だよ。
苦労するの目に見えているからね。
父親の孝彦と同じように娘にただただ「幸せになってほしい」という願い、それ一心。
結婚式で娘「実希」から父への手紙
父が手を握っていてくれた話、最高に良い!
もし、自分が結婚式で言われたら号泣しそう。
娘にそんなふうに思って貰えたら嬉しい。
最後の孝彦のこのことばもすごい好き。
「娘は私の生きる支えだった
私が実希を支えたのではない。実希が私を支えてくれていた。」
本当にこれはそう!子供の笑顔見ると頑張ろうってパワーもらってるの実感する。
あと、妻の佳美が孝彦と実希のなかで今でもちゃんと生き続けているのも良かった。
佳美が生き続けることで家族の愛の深さがより一層感じられて。やっぱり花嫁姿見たかっただろうな。
娘が結婚するまでの父と娘の感動の物語
親と娘、人間関係、結婚とは?を改めて考えさせられた。
いつかこんな日が来るのかな~
変なの連れてこなければ良いけど。
娘を信じるしかない。
自分だったら孝彦のように凛としていられるだうか?
孝彦のような父親でありたい!
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『東京バンドワゴン』の第三弾。
登場人物相関図が前より立派になってる~。
人が増えてきたもんね。
かんなちゃんと鈴花ちゃんも産まれたし。
サチさんの語り口は相変わらず優しくてあったかくて読みやすい。
堀田家みんなの会話が飛び交う食卓も相変わらず。
賑やかだし、食事もいつもとても美味しそう。
さて、今作は秋の事件からスタート。
ある朝、高価本の棚の本が並べ替えられていることにすずみが気付く。
おまけに買い取った本から「ほったこん ひとごろし」と書かれた紙が見付かる。
クレヨンで書かれた子供の字だという。
「ほったこん」とは「堀田紺」のことだよねぇ。
一体、何が起きてるのか??
物騒な感じで始まったけれど、いつも通り温かく解決となるの??
冬。
コウさんが真奈美さんから求婚された!
でもコウさんはそれをお断りしたという。
それにはどうやらコウさんの過去が関係しているらしくて…。
もう一つの話題は、アメリカから届いた大量の洋書。
勘一の亡き旧友が古書に仕込んだ仕掛けとは…?
(キースの名前が出てきてちょっと興奮。それってローリング・ストーンズのキースかも!)
春は、研人の同級生であるメリーちゃんのお話。
「羊が後をついてきて困る」って、どういうこと!?
今回同時進行するのは、京都の古本屋の集まりに出掛けた青とすずみのお話。
大物相手に啖呵を切ったすずみちゃん、格好良かったし気持ち良かったなー。
夏は我南人(がなと)のお話。
近頃我南人のことを聞き回ってる奴がいるという。
我南人の次男、青の産みの親が大女優の池沢百合枝ってこと、ついに公になってしまうのか?
今回も人情でまぁるく解決!
サチさん目線で然り気無く語られる食卓のメニューや庭木の草花たちにも季節を感じられるところがまたいい。
登場人物たちも全員キャラクターが立って生き生きとしてるし、いい人ばかりだから安心して読める。
そう、安心して読めるところが大好き!
東京バンドワゴンにはいつも癒される。
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『東京バンドワゴン』の第二弾。
今回の堀田家はクリスマスの朝からスタート。
欅の一枚板の座卓に並ぶは、焼魚、だし巻き玉子、ワカメと胡瓜の酢の物、焼海苔、冷奴、おみおつけはお揚げに葱に薩摩芋に人参に玉葱と具沢山!
ああ、本当に美味しそう!
全員揃っての会話が乱れ飛んで、これまたいつも通り。
そしてこの冬の騒動は。
東京バンドワゴンに併設する藍子と亜美がきりもりしているカフェに、赤ちゃんを連れた若い女性が来店。
ちょっと目を離した隙に女性が姿を消していた……え!捨て子!?
どーする、堀田家!
季節は移って春。
堀田家に恋のつむじ風が吹く。
藍子を慕うマードックさんにライバル出現!?
夏は幽霊騒動。
我南人(がなと)の友人である正枝さん。
彼女のお孫さんが毎晩、本から出てくる幽霊と会話をしているとか。
そのうち、雨漏りでもないのに天井から水が滴ってきたり、窓ガラスがノックされたりし始めたという。
さて、これは一体…。
秋は秋実さんの七回忌。
それを機に、門外不出の目録のお話や、マードックさんと藍子のイギリス行きのお話等々。
お話も纏まって平和に幕を閉じるかと思いきや、堀田家に警察がやってきて家宅捜索!
しかも捜索の最中にすずみが産気づく!!
つられるように亜美まで!!
そうなのだ、堀田家には只今妊婦さんが二人いる。
最後までドタバタの堀田家。
ドタバタなんだけど、全てはまぁるく納まってゆく。
勘一の言葉を借りれば「終わり良ければ全て良しってな」。
我南人の言葉を借りれば「LOVEだねぇ」。
第二弾も愛に溢れたあったかいお話たちだった。
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「さくら」の季節に因んで「さくら」が入った本を読んでみようと思いました。
柔らかい語り口調が物語全体をゆったりと穏やかな雰囲気にさせ、さくらの季節にぴったりな感じがする。
だけど、ちよっとミステリ要素もあって、「遺言書」と「謎の鍵」「秘密」を現代と戦後すぐの時代とで交互に語られ、「えー、ここでー!」ってところで視点が切り替わり、1つの謎が解けるとまた次の謎か生まれるからページをめくる手が止まらない。過去の物語は童話のようで、現代の物語はミステリも楽しめて違った面白味があって良かった。
そして3人の祖母が素晴らしい。十代後半の頃、まだまだ大変な時代にもかかわらず、人を助け、思い遣り、秘密を守る強い決意と絆、あと英語もペラペラで洋服も自分で作ったり、女性は強いなぁ。
戦後すぐということもあって、戦争への憤りも感じられた。多くの登場人物が「戦争は大嫌いだ!」と言っているのと、戦争で死ぬと恩給が出るから、戦争で死んでしまった方が良かったと思う親がいるとか、家族が暮らしていく為に女の子は町に売られていくとか、これが本当にあったことなら何とも言えない気持ちになるのと、もう二度と戦争や同じあやまちをしてはいけない。
「戦争の犠牲になる女性や子供をこれ以上増やしたくないのです。」「女性が、子供達が笑っている平和な世界を望む。」本当にその通りだなと思った。
3人の孫娘が謎解きをする設定も良かったな、3人の祖母の若い頃を彷彿させるのと明るい性格が物語が華やかな感じになって。
あと、楓さんのキャラも良い味出てた、宝くじが当たって好きなことだけをして自由気ままに生きてく、羨ましいー。自分だったら何をするかな?考えたけどちょっと虚しくなってやめた。でも、これって戦争のときと比較して「平和になって自由な時代がきたんだよ」という意味かなとも思った。
全ての想いが「さくらの丘で」というタイトルにつまってるように感じる。
来年もさくらの花が見れるようにと願い、たくさんの蕾が今か今かと待っているように、明日への希望と強い絆、命の尊さがたくさんこもった、切ないけど心温まるとても良いお話。
裏表紙にも書いてあったけど、次世代に語り継ぎたいそんな1冊のうちの1つです。
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「姉の秘密」
何か凄く気になる。しかも小説家の姉
借金?ストーカー?男関係?いったいどんな秘密?
姉の笑美から「一緒に住んでほしい」と頼まれた弟の朗人、何か変だ、何か隠し事をしているのではと思いつつも同居生活を始める。
平穏な日常が続くなか幼馴染みの千葉と猫のケンタ、朗人の彼女の清香も加わり話しは進んでいく。姉の秘密を探りながら…
話のスピード、朗人の落ち着いた語り口や姉と弟の距離感とか空気、凄くいい。2人の性格がさりげなく表現されてて。
本当に登場人物がその辺の商店街とか普通に歩いてそう。
どんな秘密だ?なにか伏線が隠されてないか?とか想像しながら読むのも面白かった。
姉の秘密も最後はスッキリ爽快。さりげない優しさや思いやりのある良い話しだった。
※男女関係の女性のカンって何で鋭いのかな? -
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王道のホームドラマ!
古本屋「東京バンドワゴン」を営む堀田家は8人の大家族。
個性豊かな彼らの日常あれやこれや。
語り手は堀田家の亡くなったお祖母ちゃんであるサチ。
その、空から皆を見守っている語りが温かで心地いい。
まるで朝ドラみたいだった。
泣いたり笑ったり、平和で和やか。
お決まりの、食卓を囲んで会話が飛び交うシーンも賑やかで楽しい。
ちょっとした事件も皆でドタバタと明るく温かく解決してゆく。
さてさて、今日は一体何が起きるのやら。
登場人物が多くて初めは混乱するかと不安だったけれど、個性的な面々が並んでいるものだからまるで心配なしだった。
おまけに、どのキャラクターもみんな魅力的。
これ、かなり長く続いているシリーズものなんですね。
読み続ける楽しみ増えちゃったな~。
(ドラマ化もされてたんですね、知らなかったー)
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人間を心優しく見守って誰が何する神様でしょう〔戌の日に:やってきた謎の家政婦おばあさん〕〔お稲荷さん:商店街お稲荷さんと喫茶店〕〔天狗:消防士かってに火事が鎮火する〕〔死神に:恋をして死神とある約束す〕〔眠れぬ:またいつか会える枕の九十九神〕〔笑う門:漫才で笑う門には福来る〕〔落とした:忘れ物センターにいるお地蔵さん〕〔引きこもり:公園で鳥おじさんが福を撒く〕〔子供は:見つかって風の子はしゃぎついてきた〕〔七回目の:幸生くんどうやら神と縁がある〕
ちゃんとそこにいることを、知っていることを忘れていないことを伝えるだけです(p.217)
■神様たちについての簡単な単語集
【明野】地下鉄忘れ物センター職員。今年入ってきた新人。声がよく通る。彼女が受け付けした忘れ物、落とし物は必ず見つかる。
【池内雅人】大庭さんに貧乏語りをしている。微妙に運がよく、自分では「小吉人生」だと言っている。二十五歳。
【伊沢史子】ベテランナース。
【榎本帆奈/えのもと・はんな】T大恩田ゼミの才媛と評判だったのだとか。死神と契約してしまった。アルコールにとても強い。広告会社勤務。二十六歳。
【逢坂】漫才コンビ「きっとキッド」のツッコミ役。
【大庭】実は貧乏神。池内くんに全力で取り憑いていた。
【お釜】信哉んちにある古いお釜。ひいばあちゃんとばあちゃんが使っていた。九十九神になっている。
【河西淑子/かさい・よしこ】ユーリの上司。
【加奈子】坂崎の第一サブ。
【かのん】美耶子の連れ子。西条と美耶子が結婚したときまだ二歳だったので今のところ西条を実の父親だととらえていると思われる。
【神様】《これだけ長い間人間と関わっていれば、我々神様だって人間臭くなるんじゃないでしょうか》p.236。死神や貧乏神や福の神のはるか上に位置するかもしれない「神様」がいそうだが神様たちにもよくわからないようだ。
【キーちゃん】茶髪ギャル。進学校であるM高の生徒。フーちゃんとともに喫茶花ふじでいなり寿司を出したらいいと提案してくれた。
【喫茶 花ふじ】三角商店街にある老舗喫茶店。隣は老舗古本屋の「松川伽藍堂」でそこで本を買った人たちが来るのが数少ない外部のお客さん。
【きっちゃん】シンジのアシスタントをしている。
【きっとキッド】漫才コンビ。まちゃは大ファンだが世間ではいまいちウケてない。じつは…
【キャリオット】帆奈が死神と出会ったバー。お稲荷さんに供えるいなり寿司を作る役割がある。揚げは同じ商店街の田中豆腐店から購入している。
【近藤】音楽プロデューサー。実は福の神。池内雅人くんについては出番無し。
【小百合】疫病神。医師は彼女が見えるようになった理由を知らねばならない。
【雑賀たね/さいか・たね】家政婦だと言ってやってきた。「僕」と折り合いの悪かった、大学教授である父の西条進からの要請で美耶子が出産するまでの間家事をやってくれると言った。人見知りのかのんがあっという間に懐いた。
【三角商店街】お稲荷さんがある。
【西条】イラストレーターとして成功しつつある「僕」。たぶん西条という苗字。美耶子と結婚した。
【坂崎真美】フランスで行われるプロジェクトのリーダー。相手のミスをかぶりプロジェクトを続けた。貧乏くじを引きがちな人生。
【幸生】→花井幸生
【死後の世界】あるかどうかは死神も知らない。
【死神】すごくいい男。帆奈が頭からウイスキーをぶっかけて召喚してしまい、さらに酒を奢って契約してしまった。人が死んだことをその目で確認すること(だけ)が仕事。
【篠田】お稲荷さん。
【シュンジ】ユーリの幼馴染。長いこと引きこもりになっていたが大学に行く気になった。
【シンジ】漫画家。コインランドリーで御手洗咲子と知り合った。奇妙な夢の見方をする。
【信哉】地元で就職したい。覇気がないと言われる。小さい頃お釜の九十九神と出会い以降それで炊いたご飯しか食べなくなった。
【仙人】元は人間だが修行して神様みたいになった。特に役割はなく自由にやっている。不老不死。
【千佳】看護師。二十一歳。森山晴行の姪。叔父ともども疫病神が見える。
【九十九神】「付喪神」という表記が多いと思うがここでは「九十九神」。長い間使われてきた器物が神化したもの。妖怪扱いのことも多いがここではれっきとした神のようだ。《〈九十九神〉はな、ある意味では人間の愛が生み出す神様なんだ。》第二巻p.159
【てのひら地藏】地下鉄忘れ物センターに祀られているが知っている人はほとんどいない。
【道祖神】動かず迷い人を待っている。
【戸川みつる】三角商店街の子どもと言える。愛嬌があり皆に好かれている。就職に失敗し、実家の「喫茶 花ふじ」を守っていた母の体調不良で戻ってきている。父は膵臓がんで亡くなった。料理の腕がいい。
【十川満】三角商店街の後藤電器店従業員。偶然戸川みつると似た名前(音的には全く同じ)。
【鳥おじさん】ユーリやシュンジの家の前の公園の常連で鳥にエサをやっていた。
【中島】小学四年生のみなみちゃんのお母さん。晴行先生には興味がないらしくラフな格好。
【中道】交通誘導員。
【夏川麻美】一度死んだことがあるらしい。父は警察の事務職で若い頃はセレクトショップでバイトしたこともある。母は専業主婦だが洋裁専門学校を出ている。そんな両親のもとで育ったので着るもののセンスを褒められることは多い。死神ととある約束をした。
【西川】勝手に火事が鎮火してしまいもう何年も現場で活動できていない消防士。
【二ノ宮重三】地下鉄忘れ物センターのヌシ。勤続三十三年。十万点ある忘れ物センターのブツをすべて把握しているというウワサがある。
【花井正則】帆奈がクリエイターとしても男性としても憧れている先輩。
【花井幸生/はない・さちお】花屋勤務。人が救われる瞬間を七回見ている。救った人物の姿形は異なるが幸生は同一人物だと感じている。
【早川】地下鉄忘れ物センター職員。
【フーちゃん】黒髪ロング。進学校であるM高の生徒。キーちゃんとともに喫茶花ふじでいなり寿司を出したらいいと提案してくれた。
【便利屋】猫探し専門。じつは…
【僕】→西条?
【まちゃ】坂上まさみ。イラストレーター。漫才コンビ「きっとキッド」の大ファン。
【御手洗咲子】コインランドリーでシンジと知り合った。
【みっちゃん】夏川麻美の友人。目がまん丸。
【みつる】→戸川みつる
【美耶子】「僕」と結婚した。元キャバ嬢でバツイチで一人娘のかのんがいる。現在妊娠中。
【森山晴行】小児科医。母親にはぶっきらぼうに接するのはいい男すぎて母親がクラッと惚れてしまいがちだから。疫病神が見えるようになった。
【疫病神】→小百合
【八島】交通誘導員。
【八咫烏】迷い人を道祖神のところまで連れていく。「やたちゃん」と呼ぶ仲間もいる。
【ユーリ】家の玄関前に公園があった。ずっと公園を見ていた。市役所の公園係になった。
【吉田】漫才コンビ「きっとキッド」のボケ役。
【ロックウェル】上島の行きつけの店。料理が美味しく酒の種類が多く適度に騒がしくマスターは同じ会社のOBである田口なのでいろいろサービスしてくれる。 -
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主人公「朗人」はある日、小説家になって1人暮らしをしていた姉「美笑」から「一緒に住んでほしい」と頼まれる。
大学に通うにも不便はなく、両親も賛成なので快諾するが、弟の勘で「これは何かある。隠し事がありますね。」と考える。
そういう思いを抱えながらも、姉との暮らしは快適でお互いに口に出さない思いやりを持ちながら暮らしていく。
朗人の彼女「清香」や
近所に引っ越してきた幼なじみの「千葉」と
千葉が拾ってきた猫の「ケンタ」と交流を持ちながら、進められていくこの2人の日常。
朧気に、隠し事が見えてくる頃にはすっかり
この2人の日常に夢中になり、隠し事が明かされたときには、登場人物たちと一緒にニヤニヤ、もじもじしてしまった。
私にも弟がいるが、この絶妙な距離感はよく分かる。仲が良いとか悪いとか、好きとか嫌いとか
そんな関係ではない不思議な関係。
小路さんの小説は、商店街シリーズもそうだけど
本の登場人物たちが、本当にその辺りで生活しているような気になってしまい会いたくなってしまう。
続き、ありますよね?と、期待する1冊だった。