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探偵業も軌道に乗ってきた磯貝公太。小樽にある高級料亭旅館〈銀の鰊亭〉の主である青河文が紹介してくれた依頼主は、文の同級生で親しい間柄の有名俳優・西條真奈。真奈からの依頼は、仕事を辞めて引っ越してから、連絡が取れなくなった姉の行方捜しだった。ところがあまりにも手がかりが少ない。丹念に調査する磯貝が行き当たった最大のヒントは、古いスーツケース。混迷を極めたが、最後に予想もできない真相が待ち受ける!
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Posted by ブクログ
学ぶ読書の合間に読むには最適の本でした。気持ちのいい人たちの冴え渡る頭脳が働く探偵小説。小路幸也にはハズレが無いですね。きっと人間というものを信じているんでしょう。くつろぎました。
そういえば女優って言葉を最近は聞かなくなった。でも、やっぱり失踪した知的な女性の妹を表現するなら、俳優より女優があってる。 こんな姉妹と知り合いたいものです。
銀の鰊亭シリーズ第3弾、でいいのかな。 3冊続けて読んだのもあって、グイグイ読めたし面白かった。 ただ最後の畳み方だけちと拍子抜け。
※ 元刑事の探偵が主人公だけど、 主人公が目立って優秀という訳ではなく、 周りの人の協力を得て、試行錯誤しながら 少しずつ依頼の真相解明に繋がっていく 一歩一歩謎を解いて進む感じが良かった。 派手なスーパー探偵の華やかさではなく、 地道な探偵の背中と歩みが感じられる物語。
[1]サラサラ読めてまうお茶漬けミステリ。今回は磯貝だけのモノローグ[2]あらゆる手掛かりがすぐ途切れて行き詰まってしまうのだけど何も出てこない部分を取り除いていったらかすかに浮かび上がってくる真相、という感じは意外に新しいパターンかも。《このお話を、リアルなものかどうか確かめるためにどうしたらいい...続きを読むかしらね。》p.226。[3]警察でないからこその終わり方ここらが探偵足の止め方/小路幸也さんらしい、なんとなく収めてしまう感じの終わり方は好みのタイプ。 ・失踪人有名女優の姉捜し手掛かりなしで雲つかむよな ・調べてもすぐ行き止まるだからこそ迷路しだいに埋まっていくんだ ・あらわれてくるのはとても可能性なさそにみえるストーリー ・ファミリーがしだいに増大このままじゃスーパー探偵生まれるかもね ■簡単な単語集(累積) 【青河家/あおかわけ】小高い丘の上、明治に建てられた豪邸。町を睥睨している。一部分を高級料理旅館「銀の鰊亭」として使っているが収支は赤字気味。だが現在でもこの辺のかなりの土地を所有しているので貸賃だけでもかなりのもの。 【青河玄蕃/げんば】光の祖父、文や綾の父。 【青河晴代】玄蕃の妻。文の母、光の祖母。 【青河文/ふみ】→文 【東】光くんが通ってる大学の警備員。 【綾】→桂沢綾 【新崎】在原の友人。マンション管理会社の重役。 【在原】札幌中央署警務課勤務。警察関係者には見えない。柔剣道、合気道、空手を合わせると合計二十段くらいになりそうな猛者。 【アルバイト】光は銀の鰊亭でアルバイトすることになる。役目は若旦那として御挨拶をすること。後を継ぐかどうかは別にして常連さんたちは跡継ぎがいるんだと安心できるから意外に重要。 【安東翔子/あんどう・しょうこ】安東司警察署長の娘。磯貝の婚約者。 【安東司/あんどう・つかさ】警察署長。当日火事の連絡を最初にした。 【飯島武蔵】整理屋の飯島商会の経営者。 【磯貝公太】刑事。ドルオタ。「Juiceっ子」推し。都会の醸し出す雰囲気が、人と人が作り出すドラマが好き。《田舎には住めないな》失踪人p.141 【磯貝探偵事務所】警察を辞めた磯貝が札幌で開いた。築九十年のレトロなビルの四階で青河家の持ちビルで格安らしい。 【岩村】通いの料理人。十年選手。和食の料理人だがスイーツやパンも美味しい。 【ウルフドッグ】坂東広太郎行きつけの喫茶店。夜はパブになるような感じ。ロックのレコードをかけている。喫煙可能。オリジナルのブックマッチを作っている今では珍しい店。 【岡島】仲居さん。五十六歳。堂々とした押し出しで知らない人が見たら女将と間違えるだろうと思われる。 【勝木章/あきら】奈々の夫。ラノベ作家でペンネームは「綾桜千景/あやざくら・ちかげ」。行方不明になっている。 【勝木奈々】アートギャラリーneoの雇われ店長。鈴元とは中学・高校の同級生。旧姓西里。 【加原竜夫/かはら・たつお】青河家の遠い親戚。いろいろ外食関係の店を経営している。光は初対面でこの人の(ような人の)経営する会社には入社しないでおこう、と思った。 【桂沢綾/かつらざわ・あや】「僕」の母。 【桂沢光/ひかる】→光 【桂沢満/みつる】光の父。綾の夫。弁護士。ドルオタ。「Juiceっ子」推しで磯貝と気が合った。 【岸】岡島さんをサポートする三十代の人。 【銀の鰊亭】青河邸宅施設を利用した高級料理旅館。一晩でも多くて三組しか客を取らない。文さん、仁さん、岩村さん、岡島さん、岸さんでやっている。 【刑事】磯貝によると刑事の仕事は、〈犯罪が行われたという事実を集める〉(p.72)こと。 【ケースA】磯貝探偵事務所では浮気調査をケースAとして分類している。数は多い。 【ケースB】磯貝探偵事務所では身元調査をケースBとして分類している。ケースAに次いで多い。 【ケースC】磯貝探偵事務所では失踪人捜しをケースCとして分類している。探偵事務所が取り扱った最初の事件がこれにあたる。それ以降はしばらくなかった。また、今のところ分類はケースCで打ち止め。 【ケースZ】磯貝探偵事務所では殺人事件をケースZとして分類している。まず依頼は来ないだろうから洒落で場所だけは作っている。 【小松義則/こまつ・よしのり】青河家の昔からの知り合いで、主治医というほどではないがよく診てもらっていた医師。六十五歳。加島さんという四角い顔の人と一緒に客として来た(偽名)。 【西條真奈/さいじょう・まな】人気女優。本名は最上(もがみ)真奈。 【佐々木翔子】北海道立文芸文学センターで毎年開かれていた講座の関係者。 【事件】青河邸内の「別邸」と呼ばれていた「月舟屋」という建物が燃えたとき光の祖父と祖母は亡くなり、叔母の文だけが生き残り、他に身元不明の死体が二体あり、そのうちの一体には刃物による刺し傷があった。 【篠崎夫婦】常連さん。銀の鰊亭再開後初のお客さん。夫の雄輔は六十七歳の不動産会社社長。妻の真代さんは六十五歳。 【篠塚】光くんが通ってる大学の警備員。 【東雲】磯貝の警察内部での協力者の一人。尋常でない情報検索能力を持つ。若い女性と思われる。 【商売】文さん《商売なんて元々賭けよ》磯貝御挨拶p.186 【情報】《情報は多ければ多いほどいい。》失踪人p.167 【調べる】文さん《調べるってのは誰でもできることだけど、実は資質がとても必要なことなのよ。》磯貝御挨拶p.30 【仁さん】二瓶仁。銀の鰊亭の板前。住み込みで五十年。日本でも有数の腕と言われる。《ここにいることが、生きるってことなんですよ。》p.195 【鈴元】磯貝と同期の元同僚。巡査部長。ごつくて威圧感がある。 【星林屋/せいりんや】銀の鰊亭の敷地内にある別邸では一番小さい。 【田所】遠い親戚。商工会の元理事。 【田村香織】北海道立文芸文学センターの職員。綾桜の開いている講座の担当者。 【探偵】《探偵は、二十四時間探偵だ。》失踪人p.157 【チャオ】光くんが通ってる大学の警備員詰所で一日の大半眠っている猫。 【鉄塔】間宮ひかるさんが好きなもののひとつ。《大きなものは、下から見上げないと大きくないんですよ》磯貝御挨拶p.71 【仲野】坂東知事の秘書。特別秘書ではなく公務員の秘書。 【二瓶仁/にへい・じん】→仁 【花田ゆか】最上紗理奈が大学在学中の友人。現在東ゆか。一人息子がいる。 【坂東泉/ばんどう・いずみ】北海道知事。六十歳前後。二期目。おばちゃんといった気さくな雰囲気の、北海道初の女性知事。知事としては可も無し不可もなしといった感じ。 【坂東広太郎】「ランブリン・ストリート」というセレクトショップを経営している。坂東知事の息子。 【光/ひかる】桂沢光。語り手の「僕」。これといった特徴はないが、いろいろと察しがいいタイプ。母が文の姉。 【ひかる】間宮ひかる。光くんの大学に通う女子学生。猫のチャオの具合が悪くなったとき知り合った。同じ名前なのでびっくり。一人っ子。猫好きで実家の猫は「田中」と「スズメ」と「めろん」めろんは行方不明中。カメラ好き。古い建築物好き。鉄塔好き。実家は「アーリー・アメリカン」という喫茶店。 【文/ふみ】青河邸の火災で唯一生き残った。桂沢綾の妹で、十歳しか違わないが光の叔母。目がくりくりしたかわいい系の美人。火事のとき記憶を失ったが甥の光の名前だけ覚えていた。記憶を失った代わりに相手の態度や視線などからどういう思いでいるかがはっきりと情報としてわかるようになった。「銀の鰊亭」では女将として働くことになる。全員が優秀な探偵と言えるこの話でも中心となる安楽椅子探偵。 【古立/ふるたち】消防士。文の知人らしい(忘れているが)。 【僕】→光 【neo】磯貝探偵事務所の入っているビルにあるアートギャラリー。 【間宮ひかる】→ひかる 【宮島俊/みやじま・さとし】S大准教授。建築工学が専門。磯貝の旧友。いろいろ便利な存在のようだ。磯貝《あいつは自分の撮った写真を人に見せる機会を逃さない》磯貝御挨拶p.190 【最上賢一/もがみ・けんいち】最上紗理奈と西條真奈の父。妻がいなくなり男手一つで娘二人を育て上げた。東京在住。 【最上紗理奈/もがみ・さりな】西條真奈の実姉。北海道知事、坂東泉の特別秘書を六年間勤め最近退職し行方不明となった。三十五歳。それ以前は総合商社の日徹に勤めておりフランス語、英語、スペイン語、ドイツ語を使える。当時経済産業省にいた坂東泉と知り合い後に知事になったとき特別秘書としてスカウトされた。 【門馬電設】これまで銀の鰊亭の電気まわりのいろんなことをやってくれてた会社。七十過ぎの元社長は現場関係は引退して今は息子の敏哉に任せている。 【門馬敏哉/もんま・としや】門馬電設の現社長。なぜかリーゼントだが笑顔が優しく誠実。 【らくだ動物病院】光くんが通ってる大学の近くにある動物病院。
失踪した姉の捜索を依頼された磯貝。 うん、その失踪の謎は確かに思いもかけないものだった。 でも、その結末でいいの?なんだか中途半端に思えてしまう。 北海道知事が女性で、なんだかかっこいいのが嬉しかっただけに。そういうもやもやが、シリーズが進んですっきりしていくことに期待。
序盤から2/3くらいまでの展開は、読んでいてドキドキしたしワクワクもした。 もしかしたらこの人物が裏で動いているのでは…?みたいな感じで。 でもそこから結末に向かう終盤の展開は、ちょっと無理やり詰め込みすぎたのかな…って感じがありました。 「あれ?これで終わり?」と言った不完全燃焼気味な感じでした。
小路さんお得意のパターンで、展開が気になってズンズンと読み進める。 結果、一気読みではあったんだけど、な〜んか不完全燃焼? そんな終わり方でいいのか〜!?って感じ〜〜〜w
前作よりも面白かった。 失踪人を探す過程や、謎もとても面白いんだけどやっぱり文さんや光いる?と思ってしまう。 文さんいる? なんで微妙に上からなの?と思ってしまう。 銀の鰊亭を読んでないから、文さんがどーゆー経緯で記憶をなくしたのか等知らないけど、磯貝が文さんを頼る理由がわからん。 やっぱりファンタ...続きを読むジーなミステリーなんだよなぁ。 なんか説得力がないとうか。 面白いんだけど、微妙に合わなくて残念。 そして紗理奈が生きていて良かったけど、ラストそんな終わり方?と思った。
磯貝探偵事務所としては二作品目だが、『銀の鰊亭』も実質シリーズ作品だろう。 今回もといっていいと思うが、 小路幸也さんの作品だなと。大半の人が好い人でラストも後味の悪いものでもないし。 小路幸也ファンとしてはこれで良いんだよな~って思う。 失踪した依頼者の姉を探すことになった磯貝。たどり着いた先...続きを読むは依頼者の母の死の真相に迫ることになるわけだが、小説ならではの奇跡とも言えるトントン拍子。 これがダメな人も要るだろうなー。 でも、ファンはこれで良いんです笑
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小路幸也
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