小路幸也のレビュー一覧
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小路幸也さんのハートフルストーリーですね。
両親が離婚をしたが、夫婦喧嘩で離婚をしたのでなく、お父さんが会社を辞めて作家になるために、お母さんと話し合って離婚することにしたらしい。
そして、僕、天水(あまみ)九歳とお姉ちゃんの風花ちゃん十二歳は、夏休みの間だけ、お父さんの住む海の見える家に行くことになった…………
子どもたちもそうですが、別れた夫婦にとっても、自分探し、家族探しの心理模様の物語です。
それぞれが、一人語りする構成で、心模様の変化を浮かびあがらせていきます。
小路さんお得意の、どうすれば、一番良い生き方が出来るかを模索しながら、それぞれがほのぼのと答えを出していきま -
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東京バンドワゴンの第8弾である本作は番外編。
11章ある全てでメンバーそれぞれが語り手となり、知られざる過去のエピソードが語られる。
第1章「紺に交われば青くなる」は、堀田家に青がやってきた日のことを、紺が研人に話して聞かせる。
普段は大人数の堀田家の会話に埋もれているけれど、紺は研人のお父さんだものね、その優しい口調や目線から、改めてお父さんだなぁと実感。
第4章「愛の花咲くこともある」は、紺と結婚するよりも前の、若かりし亜美が語り手。
その紺との出会いが語られる。
第6章「野良猫ロックンロール」の語り手は、若かりし秋実さん。
『東京バンドワゴン』がスタートした時は既に鬼籍に入られてい -
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『東京バンドワゴン』の第7弾。
今回、登場人物相関図の他に、堀田家と藤島ハウスの間取り図が付いていた♪
その手書き感にほっこりにっこり。
サチさんの口上から始まるのも第7弾までくるとそろそろマンネリなのだが、逆にそれが心地いい。
サチさんの優しくて温かい語りが、バンドワゴンに帰ってきたー!って感じだ。
文庫一冊で丁度一年が過ぎる作り。
堀田家の家族たち、取り巻く人たちが、年齢を重ねてゆく様が味わい深い。
我南人を中心に仲間たちがカフェでアコースティックライブを開催するようになった。
音楽の才能が開きつつある中学生の研人も夢中になってライブの準備をする。
研人はいつか、我南人のように音楽の道 -
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設定としてはかなりしんどい、と言うか無理がある感じがあったので星4つにしましたが、話的には面白かったです。
高校ではバイトを禁止しているところがやはり多いのではないかと思うのですか、高校生ぐらいになったら『働くってどういうこと?』とか『お金を稼ぐとはどういうことか』を身を以て知るためにもバイトをするのも悪くはないのではないかと思います。
それが本作の登場人物のように生活のために、である場合もあるでしょうし、単に小遣い稼ぎがしたいからという場合もあると思います。
ただ、いずれにせよ学業に差し支えのない範囲で、かつ高校生にふさわしくない仕事でなければ、ある程度認めていくほうがいざ社会に出たときに格 -
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『東京バンドワゴン』の第6弾。
春。
ある朝の東京バンドワゴンの庇の下。
外に置かれたワゴンの本の上に、青い林檎が1つ置かれていた。
数日後、今度は赤い林檎が置かれていた。
はて、これは一体…。
檸檬だったら梶井基次郎なのにな~なんて思いながら読んでいたら、同じことを祐円さんと勘一も話していて嬉しくなった。
サチさんの結びの言葉が印象深い。
「とはいえ、人間だから悩みますよね。悩んで、でも笑って。そしてまた悩んで。
その繰り返しで日々を過ごしていくことが、暮らしているってことですよ。」
夏。
堀田家の朝御飯は洋食だってとても美味しそう。
たまごをたっぷり染み込ませたフレンチトースト、トマ -
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〔内容〕地味だがキャラや設定がいい作家と、絵は抜群だがキャラや物語がおもしろくない漫画家をむすびつけたのは/不思議な少女は招き猫を残す/不思議なタクシー運転手/禍を連れてきた女だがその後好転する/どんなクジにも当たってしまう少年の悩み/チョー強力な雨女である気象予報士の原因は/チョー強力な方向音痴の母/災害で一部分壊れてしまった古い家からお手伝いさんが消えた/夏川麻美と死神、その後/地味過ぎる霊能力者と神様たち。
〔感想〕この世界の神々は人間のために存在してるので神にしては基本優しい。優しすぎる。
〔好み度〕ここちよさ:A/キャラ:A/設定:A/文章:B/思いがけなさ:B/総合:A
■神 -
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『東京バンドワゴン』の第5弾。
前作が番外編だったので、久しぶりに本編のみんなに会えるのを嬉しく読んだ。
夏。
亜美の弟・修平が道ならぬ恋!?
これには亜美も心配、堀田家のみんなも放ってはおけないよね。
そして今回の同時進行は。
それはちょっぴり怖~い百物語を巡るお話。
九十九話しかないはずの和綴じの怪談本を順繰りに読んでいくと、何故か無いはずの百話目が現れた…!?
しかもその物語には自分と恋人の名前が書かれていて。。。
これってどういう事!?
秋。
ある朝、東京バンドワゴンの店先に見知らぬ段ボール箱が置き去りにされていた。
中身は『三毛猫ホームズの冒険』、『吾輩は猫である』、『What -
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『東京バンドワゴン』の第四弾。
今回は番外編。
いつも温かな目線で家族を見守り語る、サチさんの娘時代を描く。
終戦直後。
咲智子は父から「ある、政治に関わる文章が入っている」と木箱を託された。
その木箱を狙う者達から咲智子を救ったのは、堀田勘一という青年だった…。
(途中名前があがるブアイソーとは、白洲次郎のことをイメージしてるのかな。)
番外編と言えど、いつも通りの読みやすさ。
そして人情味たっぷりの勘一も健在。
勘一の父・草平も、
「どんな問題が起ころうとも、知恵と皆の心意気で乗り越えられるものだ。顰めっ面は良くない。楽しく過ごしていきましょう」
と、もうまさに堀田家の家訓通り!
身 -
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「会ってほしい人がいるの」
娘を持つ親ならいつか聞かされるかもしれない言葉。
自分にも娘がいるのでどうしても重ねてしまう。
まだ幸いにも学生なので当分は大丈夫だろう。
でも、いつかはと思うと複雑な気持ちになる。
ましてや、主人公の孝彦のように男手ひとつで育てた娘への愛情ははかりしれない。
そんな大切な一人娘だからどうしても慎重になるのはしょうがない。
相手の母親に変な噂があればなおさら!
結婚って当事者だけでなく相手の家族との関係もあるから、嫁がせる身としては心配だよ。
苦労するの目に見えているからね。
父親の孝彦と同じように娘にただただ「幸せになってほしい」という願い、それ一心。
結婚式