小路幸也のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
小路幸也さん初読みでしたが、優しい言葉に癒されました。癖もないのでサクッと読めますので、これから読書を習慣にしたい方へオススメします♪
〜本作の勝手に紹介文(POP)〜
八百万の神と表現されるほど、日本には様々な神さまが人間たちのそばにいる。
死神、福の神、貧乏神と、神さまによって人との関わり方は異なるが、本作で描かれる神さまは、ちょっと変わったかわいい神さまたちの心温まる物語。
あなたは、どの神さまがお気に入りですか?
感想です。
266ページと短い作品ではありますが、森絵都さんに似た優しい言葉や世界観が心地よく、サクッと読めてしまうのが、おそらく小路幸也さんの魅力なのでしょうね。ほかの作品も読んでみたいと感じました。
本作で描かれる神さまたちも、一般的なイメージより可愛らしく、少しお茶目な面も出しつつで、どの神さまも好感が持てますね。山の神とのエピソードが若干薄かったのが残念ですが、2作目に期待したいです(^o^) -
Posted by ブクログ
もう21冊目?ずっと読み続けてきたけど勘一さんが90歳になったとの事で、なんか凄いなあ…。
青くんが『ステージバス』を立ち上げて なんやかやと騒動がありながらも皆んなを巻き込んで進む感じ。いつもの東京バンドワゴンだ と思う。皆んなが何かしら才能があり、縁が繋がって悪い人がいなくて。
だけど最終章でまたちょっとした騒動。和ちゃんと元春くんの両親が集まった件で泣けた。この20年?私自身も歳を重ね、泣きポイントは変わってきたなと思う(笑)
須藤先生が訪ねてきた時の 意を決して来たのに あっという間にトンカツを食べさせられる様子に、これが掘田家だよねーと笑ってしまった。
かんなちゃん鈴花ちゃんも大きくなって…うちの娘と同い年なのが嬉しい☺️ -
Posted by ブクログ
エピソードが胸くそ…このままこのテンションで物語が進んだら読めないかも…と読み進めたが、その心配は杞憂だった。
ずっと温かさを感じる話だった。
自分はこういう、分かりやすいハッピーエンドが好き。
不思議な力を持った花乃子さん。瞳の中にガーベラを咲かせる人。
複雑な事情を抱えた人たちの恋愛や、友情を取り持つきっかけを作ろうとする人。
お節介って言われればそうかもしれないけど、自分の事を後回しにしがちなので花乃子さんには幸せになってほしい。
ファンタジー色が強い話ですが、このシリーズならあり得るかな、とスムーズに読めた。
語り手のめいちゃん。
年齢は高校生のはずなのに、中身がなんか…中年おばさんに感じることがある…。笑
若くして働いているせい? -
Posted by ブクログ
ネタバレ本書のジャンルは「ファンタジー」よりも、漢字で「幻想小説」と書く方が合っている。そう感じる作品だった。
日常の中で、その一部のように怪異と対峙する。それをサラリと『事を為し』て、何事もなかったかのようにまた日常生活が続いていく。そういった形の一話完結の物語が緩やかに続いていく。
読み始めは、妻に突然家を出て行かれて頭がおかしくなった男の話なのかと思ったが、少し読んでいくと、妻が猫になる事もそれほどおかしいわけではなさそうな雰囲気だとわかった。
怪異と共に過ごす日常のなかで、『郷』のことや『長』のことが少しずつ明らかになっていき、本書の世界観にどっぷりと浸かっていくのだが、
世界観については明瞭な説明はなく、登場人物たちの会話の中から少しずつ染み込んでくるようになっていて、妻の優美子が蘆野原のしきたりをゆっくりと感じ取っていくように読者にも馴染んでいく。
本書の特徴として感じたのが、著者の日本語に対する優れた感性やうまさだった。
物語の穏やかで優しい時間とマッチした言葉選びや文字運びは心地よく、柔らかい文章ながら冗長すぎず、登場人物達のやりとりは短くハキハキとしていてメリハリもあり、どれも気持ちの良いものだった。
また、各話の『事を為す』ときの呪(?)が、実に見事に韻を踏んでいて、言葉のリズムも良くて素晴らしい。アクションで怪異を祓う勇ましさとはまた違った絵になるシーンであった。
各話のタイトルも字面と読みでの言葉遊びがあり面白かった。目次や冒頭にはルビが振っていないので、物語を読んでいくうちにタネ明かしがあり、「なるほどそう読むか」という楽しさもあった。
派手なアクションのない、全体的におっとりとした雰囲気の物語ながら、ところどころで意表を突く(ただゆるやかに流れていくわけではない)仕掛けがあり、飽きさせない作りとなっている。
この意表を突く、予想を裏切るという点について、
タイトルに真っ先に出てくる『猫』に関しては本物の猫のように、捕まえたと思ったらニュルリと腕から抜け出ていくような、捉えどころのないトリッキーな動きをしていると思った。
読み始める前はタイトルから「ペットの猫と妻との生活を描いたお話か?(:猫が主で人間が従か?)」と思って読み出した。そう思っていたので、前述のように、猫を妻と認識する最初のページでさっそく面食らうことになった。
本書の”ノリ”が分からない序盤は「終盤まで、あるいは最後まで妻が猫のままではないか」と覚悟して読み読み進めたのだが、案外早い時期に人間に戻り、その後はコロコロと姿が入れ替わる。「妻が人間に戻ることはあるだろう」と思っていたが、猫と妻を行ったり来たりするのは予想外で、この描写を見てタイトルの意味は「猫だったり、妻だったりする者と暮らす(:猫と妻は背反の関係)なのだ」と思った。
ところが、中盤では唐突に『猫』がもう一匹増える。「猫になった妻の助けを借りながら事を為していく物語だろう」と目星を付けて読んでいたので、『肆』の冒頭で猫が2匹並んでいたのには驚いた。ここでタイトルについても、「猫および妻と暮らす(:猫と妻は並立)の意だったのか」と思い直す。
この子猫(:多美)は、子の望みが薄い主人公夫婦の養子のような扱いで物語が進み、「”猫”であり、長の薫陶を受けたこの子が(物語の後の世界で)蘆野原の長になるのだろうか」と思っていたのだが、最終盤に実子が誕生していることが発覚する。「『猫』になる妻との子供・・、この子も猫になるのか?」と疑ったが、そのような素振りもなく収まり、読み始める前から読み終わりまで『猫』にもてあそばれることとなった。
この『猫』(= 妻の優美子や多美)については、主人公のことがどんどん明らかになっていくのとは対照的に、その素性が全く明らかにならない。そういう意味でもつかみ所のなさというかミステリアスで先が読めない存在であった。
また、物語の最終盤はそれまでの成り行きとは違う、大きくうねるような展開が待っている。
郷を閉じるところで物語が終わると予想していたので、『柒』の冒頭で『祝清』ののちに郷を閉じてから3年が経っていたのは意外だった。
この章では作中はじめて主人公と泉水だけで猫の姿がない。読みながら主人公と同じ寂しい気持ちになる。意表を突かれたのとは別の気分だが、この物語には『猫』の存在が大きいのだなと感じた。それだけに『郷明』の終盤に姿を現した時には嬉しい気持ちになった。
「主人公の和弥が長としての修行を再開しながら郷で暮らしていくエピローグか」とページを開いてみればビックリ、最終節の『偲郷』では郷が再び閉じられたままの世界になっている。彼らの世界が、コチラの現実に繋がるような、不思議な余韻を残しながらのエピローグだった。
残りのページ数が少なくなると、終わるのが惜しいと思うようになっていた。
この世界の続きを読みたいが、後を引く余韻を残してキレイに終わるのが素敵だとも思う。
・・と思っていたのだが、本作の続編『猫ヲ捜ス夢 蘆野原偲郷』が出版されているのを知った。これはうれしい誤算で、早速読みたい本のリストに加えることにした。 -
Posted by ブクログ
東京バンドワゴンの第12弾は番外編。
我南人と、今は亡き秋実の出会いの物語。
これまで秋実の名前が出る度に、堀田家の太陽のような存在だったと書かれていたので、どんな方だったのだろうと気になっていた。
我南人と秋実の出会いからの流れが、偶然にも勘一とサチの出会いを準えるところがあって、“だからこそ運命的な出会い”とさせるのが、小路さん上手いなー。
ただあまりにも偶然が重なりすぎるかな……まぁまぁ、それも東京バンドワゴンの良いところ、許せてしまえるのだけれど。
もう一つ言うと、我南人が秋実に惹かれてゆく想いが、もっと丁寧に描かれていると良かったかなー。
いや、でもこの突飛なところが、“我南人ならでは”なのかな。
「LOVEだねぇ」がここから始まったのだと思うと感慨深い。
また一つ堀田家の過去を知ることができて、次回作が楽しみだ。