あらすじ
累計100万部を突破!『東京バンドワゴン』シリーズ著者が描く、家族と友情の物語。
5歳上の姉が「小説家」になったのは、僕が中学生の頃だった。
ごく普通の家族の、ごく普通の姉弟だと思っていた自分たちに降ってわいた、思いがけない出来事。
姉は一人暮らしを始め、次第に家族から離れていったが、三年後に帰ってきたときに弟の僕にこんなお願いをする。「私のマンションで、一緒に住んでくれないかな」。
表向き、人恋しさや防犯のためという理由を受け入れ、同居を始めた僕。
しかしその裏には姉の「秘密」があると感じていた……。
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Posted by ブクログ
小路幸也さんのハートウォーミングストーリーですね。
五歳上の姉さんが「小説家」に成ったのが、僕が中学生の時だった。僕が高校一年の夏に、二十一歳の姉さんが家を出て、都内のマンションで一人暮らしを始めた。
地味ながら何冊か出版して、一流企業の同年のOLと同じくらいの年収は、有るらしい。
僕が大学二年生になって一ヶ月が過ぎた頃。
姉さんから携帯に電話があった。そんな滅多にあることじゃないから、ちょっと驚いて電話に出た。
「もしもし」
(朗人(あきと)?今いい?)
「いいよ。大丈夫」
(あのね、今日これから、家に行こうと思うんだけど、そのときに言うんだけど、朗人に話があるの)
「話?」
(話っていうか、頼みかもしれない)
「頼み?」
(一緒に住んでくれないかなって思って)
「僕が姉さんと?」
(そう)
(私のマンションで、一緒に住んでくれないかなって思って)
姉さんのマンションに僕が?
こうして、僕と姉さんの二人暮らしが始まるのだが、姉さんは「何か隠している?」と、僕は思い始めた………?
女性ながら、「小説家」の生活の一端が垣間見れるのが、面白いですね。
朗人の恋人清香と、幼なじみの千葉が、二人の暮らしに顔を出すようになってくる。
千葉が仔猫を拾って、ペット可のマンションを探して、姉さんのマンションの近くに引っ越して来ると、猫好きな姉さんは、僕と一緒に千葉のマンションに、仔猫のケンタを目当てに遊びに行くようになるが…?
ミステリー仕掛けの小路さんの小説は、相変わらず面白いですね♪
小路節の会話も、端的でほのぼのとしているのもいつも通りです。
今回は、家族の心温まる物語に、潜む謎解きが、まったりと楽しめました(=゚ω゚=)
Posted by ブクログ
初読みの作家。非常に読みやすく、また悪人が出てこないのでサクサク読めた。
中学生だった少年の、どこにでもいるような普通の5歳上の姉が突然に小説家となる。小説の内容も弟から見れば普通の内容なのに、何故か熱狂的なファンがいる。この姉が1年後に家を出て、一人暮らしを始める。5年後に突然弟との同居を頼みにくる。この同居の謎解きが厄介。大学生となった少年と友人、彼女を巻き込んでの謎解き。母親の病気で明かされる姉の秘密。途中から分かってしまうが、内容がほのぼのとしているので微笑ましい。この作家の別の本も読みたくなって来た。
Posted by ブクログ
特別な何かが起きるわけでもなく、ただ小説家になった(これは特別な何かかもしれないけれど)姉と、その弟と、周りの人たちの日常が描かれているだけなのに、物語の世界観が心地よくて、温かさに浸る。
姉が抱えていた秘密も、ほっこり。
読みやすくて、心が穏やかになれる作品でした。
Posted by ブクログ
姉と弟の日常で特段驚かされる事が起こるわけでも無い日常を綴り安心して読み進めていけました。
何か自分が今まで読んだ小説の中では無い分類の小説でした。多分評価は別れるのかな。
自分は良いと感じたので小路作品をもう一冊読んでみようと思いました。
Posted by ブクログ
「姉の秘密」
何か凄く気になる。しかも小説家の姉
借金?ストーカー?男関係?いったいどんな秘密?
姉の笑美から「一緒に住んでほしい」と頼まれた弟の朗人、何か変だ、何か隠し事をしているのではと思いつつも同居生活を始める。
平穏な日常が続くなか幼馴染みの千葉と猫のケンタ、朗人の彼女の清香も加わり話しは進んでいく。姉の秘密を探りながら…
話のスピード、朗人の落ち着いた語り口や姉と弟の距離感とか空気、凄くいい。2人の性格がさりげなく表現されてて。
本当に登場人物がその辺の商店街とか普通に歩いてそう。
どんな秘密だ?なにか伏線が隠されてないか?とか想像しながら読むのも面白かった。
姉の秘密も最後はスッキリ爽快。さりげない優しさや思いやりのある良い話しだった。
※男女関係の女性のカンって何で鋭いのかな?
Posted by ブクログ
主人公「朗人」はある日、小説家になって1人暮らしをしていた姉「美笑」から「一緒に住んでほしい」と頼まれる。
大学に通うにも不便はなく、両親も賛成なので快諾するが、弟の勘で「これは何かある。隠し事がありますね。」と考える。
そういう思いを抱えながらも、姉との暮らしは快適でお互いに口に出さない思いやりを持ちながら暮らしていく。
朗人の彼女「清香」や
近所に引っ越してきた幼なじみの「千葉」と
千葉が拾ってきた猫の「ケンタ」と交流を持ちながら、進められていくこの2人の日常。
朧気に、隠し事が見えてくる頃にはすっかり
この2人の日常に夢中になり、隠し事が明かされたときには、登場人物たちと一緒にニヤニヤ、もじもじしてしまった。
私にも弟がいるが、この絶妙な距離感はよく分かる。仲が良いとか悪いとか、好きとか嫌いとか
そんな関係ではない不思議な関係。
小路さんの小説は、商店街シリーズもそうだけど
本の登場人物たちが、本当にその辺りで生活しているような気になってしまい会いたくなってしまう。
続き、ありますよね?と、期待する1冊だった。
Posted by ブクログ
何かを隠している小説家の姉と同居することになった大学生の弟が主人公。何かを隠していると察してはいても土台のしっかりした信頼関係があるので、不穏な感じはまるでないです。姉弟と弟の幼馴染、弟の彼女の4人が主な登場人物ですが、みんなちゃんと育てられてるという感じでイヤなところが全くない。小路幸也の家族小説は安心して読める。
Posted by ブクログ
一人暮らしをしてる小説家の姉から
突如、一緒に暮らさない?と言われる
登場人物達が皆いい人で、
主人公達が、その謎を解明(仮定)してからも、
良い意味で意地悪、そこもよい
謎は多分皆勘付くと思うけど
そこは問題ない
主人公と同じ目線で最終的に
どうなるのか楽しめた
Posted by ブクログ
久しぶりに、これぞ小路幸也さん!という感じの作品を読んだ感じがしました。
これまで読んだ話では、結構どんでん返しというか「そうくるか!」という展開が多かった。それだけに、結構すんなりと終わったなあという印象。
でもこの半径5メートル以内という感じの平和な作品、自分は好きです。