小路幸也のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
いかにも小路さんの作品って感じの
音楽をテーマにした
あったかい短編集。
逆に言えば
悪人が誰一人として出てこないところが、
少し物足りないと感じる人もいるかも。
泣きのギタリストが涙を流さなかった理由とは…
「クラプトンの涙」
アイドルのバックバンドが起こす
ある奇跡とは?
「唇に愛を」
怪我で休養中のドラマーを襲う
運命のいたずらを描いた
「笑うライオン」
売れっ子ピアノマンの原点は
小さな場末のバーだった…
「その夜に歌う」
売れないハワイアンバンドが
武道館ライブに出ることになった理由とは…
『明日を笑え』
など7篇。
どの話も
昭和の時代のバンドマ -
Posted by ブクログ
日本語が達者なザンティピーはマンハッタンの私立探偵。
前2作ではどちらも依頼により日本に出かけて事件に巻き込まれた。
そして、今回も仕事で北海道へ向かうことに。
依頼内容は、亡くなった祖父が大事に持っていた、ある日本兵の写真を
本人に届けに行きたいので、同行してその人を捜索して欲しいというもの。
北海道に着いた彼らは難なく本人と思しき人を見つけ出すのだが、
その家族にはみんなで隠し持っていた優しい秘密があって…
ザンティピーシリーズの中では一番好きかもしれないな。
気付いてしまって、そして真相に辿り着いても、それを暴くことはない。
みんなの優しさに、優しさで応えたザンティピーに共感です。 -
Posted by ブクログ
兄弟愛、友情、メンター(優れた助言者)、そして軽いミステリー。
小路さんらしい作品です。
でもミステリー・サスペンスを期待して読むと中途半端でしょう。ご都合主義と言うか、そんなに上手く行かないでしょうと言う所が多々ありますから。やはり暖かな愛情物語と見た方が良さそうです。
そういう意味では50時間起きて20時間眠るという主人公の特異性は、ミステリーと言う側面では有った方が話が進めやすかったのかもしれませんが、必須では無いですね。『キサトア』でも双子が交互に眠るという一種の睡眠障害を描きましたが、小路さんには何か睡眠に対する思いがあるのかもしれません。
暖かくなれる本でした。