小路幸也のレビュー一覧

  • ナモナキラクエン

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    山、紫、水、明(長男;サン、長女;ユカリ、次男;スイ、次女;メイ)と名付けられた4人の異母兄弟をめぐる物語。
    最近の小路さんには失望させられることも多く、さらに角川文庫と言うこともあって、あまり期待せずに読んだのが良かったのかもしれません。なかなか興味深い話でした。
    ちょっとしたミステリー仕立てですが、兄弟の謎は結構早めに読み解けてしまいます。しかし、4人の兄弟やその恋人、保護者役になる父親の友人たちなど、その周りを彩る人達の優しさが心地良く。
    気持ちよく読めました。

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    2016年05月29日
  • 猫と妻と暮らす 蘆野原偲郷

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    ネタバレ

    あれ?梨木さん?と思ってしまった作風。
    なるほど、小路さんもこんなん書きはるんやねぇ。好きな雰囲気の作品だけど、最初数ページは予想と違ったので違和感あったかなぁ。すぐに馴染んだけど。

    こういう本を読むと、山登りに行った時に出会う廃村なんかが凄く気になるようになる。その土地土地の道祖神や氏神様や道々にたたずむお地蔵さんや祠が気になりだす。

    そして日本ってやっぱり多神教がしっくりくる国なんだなぁと思う。

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    2014年06月22日
  • 小路幸也 少年少女小説集

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    デビューしたての頃のものを含め、これまで本になっていないものを集めた短編集。
    タイトルからも分かるように、どの短編でも主人公は子供たち。

    短編として面白いものもあれば、『リバティ』『ゆめのなか』など長編として
    もう一度書いてもらいたいなと思うものもある。
    『コレッタの夏休み』『コレッタの冬休み』ももっと書けそうだしね。
    いずれにせよ、小路さんらしい優しい物語ばかり。

    現実はそんなに甘くないって、そう言われそうな気がするけれど、
    小路さんが描くような良い話が世界に溢れればいいのにっていつも思うのです。

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    2014年06月07日
  • エール!(1)

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    ネタバレ

    職業物のアンソロジー、全6編。収録作品は全て書き下ろし
    独身女性が、仕事に悩みながらも前進していく話。
    読むまで、順風満帆のまま暮らしているの話を連想していたが、ゆずこしょうの効いた物語で一喜一憂しながら読めた。
    (窮状認識+報告連絡相談)×努力×忍耐=成長or成果

    ・大崎梢「ウェイク・アップ」→元売れっ子漫画家
    ・平山瑞穂「六畳ひと間のLA」→通信講座の英語講師
    ・青井夏海「金環日食を見よう」市営プラネタリウム解説員
    ・小路幸也「イッツ・ア・スモール・ワールド」→ディスプレイデザイナー
    ・碧野圭「わずか四分間の輝き」→スケート専門のスポーツ記者
    ・近藤史恵「終わった恋とジェット・ラグ」→団

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    2014年06月06日
  • 東京ピーターパン

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    ネタバレ

    こっち(留学先)でようやく買った文庫本
    帯に惹かれて買ったのは確かだし、表紙の「家」が「蔵」だって今気づいた

    一番最初の数ページから、次の杉田さんに移るところでやたら混乱した。
    時間違うし、人の名前出てくるし、語り口調ちがうし・・・
    たぶん帯の「東京バンドワゴン」の字につられて「あれ、東京バンドワゴンってないぞ?」ってなったんだと思う。
    (動詞おかしいけども)

    登場人物それぞれのエゴがはっきり出てきて「うっ・・・(グサリ」ってなるけど、やっぱ人間そういうもんだよなぁ、ってちょっと安心したというかがっかりしたというか。
    「ナモナキラクエン」はものすごく聞いてみたい。小路さんの本のいいところ

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    2014年06月01日
  • 東京ピーターパン

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    最初の1ページ目の印象に引っ張られて、最後にすごく腑に落ちた。
    多少のご都合主義的な部分はあるけれど、それは必要なものだから気にならない。

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    2014年05月21日
  • 猫と妻と暮らす 蘆野原偲郷

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    嫌いじゃない。嫌いじゃないけどスッキリしない。蘆野原ってなに?「古童?」「屋鬼?」「仮祇奴?」
    伝承や民話、歴史に出てくる言葉なのかな?読み進めれば分かるかと思ったけど最後まで分からなかった。
    まあ、分からないのは郷の者ではないからかも知れないけど。

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    2014年05月18日
  • さくらの丘で

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    さくらの丘を受け継ぐ話。

    戦争で失ったものがたくさんある中で
    残った人出会えた人が大切なんだ。

    小路小説の温かい世界で生きたいです。

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    2014年05月08日
  • COW HOUSE カウハウス

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    ゆっくり進むストーリーと、優しい言葉の並びがほっとさせてくれました。心に入れて持ち歩いていたい、こんな物語のような気持ちでいたいと思えるお話しでした。

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    2014年04月29日
  • 東京公園

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    ネタバレ

    パートナーとの関係、将来のことについてこんな風に話しあうことができる仲間がいることってとても素敵だって思いました。

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    2014年04月22日
  • HEARTBEAT

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    幽霊の出てくる話はあまり好きではない。
    怖いのは嫌いというのはもちろん、
    なんだか、空間、時間、いろんな壁が取っ払われて
    なんでもありになっちゃうから。

    だけど、小路さんの幽霊は
    「東京バンドワゴン」のサチさんといい
    今回の委員長といい、
    なんていうのかなぁ、人間ぽくて好き。

    とんでもなく切なくて、タイムマシンがあれば
    巻き戻してあげたくなってしまう。
    ヤオも委員長も巡矢も、それぞれに
    苦しくて、辛くて、若い。

    けれど、愛する気持ちはきちんと、
    そこだけ暖かい。

    小路さんの作品に出てくる子どもたちが
    好きだ。
    彼らがどんな大人になるのか楽しみになってくる。
    ヤオも委員長も巡矢も、そうい

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    2014年04月21日
  • ラプソディ・イン・ラブ(PHP文芸文庫)

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    ネタバレ

    さすが、小路幸也。登場人物のキャラもたっていて、彼らが織り成す家族の情景も美しく、物語中に挟まれる挿話も読み応えがあってすばらしい。王道「東京バンドワゴン」だけじゃない、少々癖のある家族の肖像を描かせても上手いなぁ、とうなってしまう。

    と褒めちぎっておいて、落とすようなことを書く

    読後、「この映画観たい。彼ら(登場人物)の演技を観たい」と思ったのもつかのま、ふと考えた。

    自分たちの現在過去振り返り、役者として自分自身を演じる。そのことを彼らはなんだか高尚なことのように思っている節があるが、それってある意味多重人格にもなりうる逃避行動じゃないのか?
    そりゃまぁ、彼らは根っから役者なんだから

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    2014年04月10日
  • 猫と妻と暮らす 蘆野原偲郷

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    家に帰ると妻が猫になっていた、っていう設定からしてじわじわ来る。しかも妻が猫になったことを認めるまでが、1ページとちょっと。淡々とあるがままに受け入れてる。
    次々に現れる怪異を鎮めていく話なんですが、派手なところはなく、静かにあるがままに受け入れて為すべきこと為す。そんな静かな物語でした。くどくどと説明がないことを良しとするか物足りないと感じるか。私は良しと感じました。

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    2014年04月08日
  • 小路幸也 少年少女小説集

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    少年少女たちの短編集。

    書かれた時期は違っても
    いつも人々が小路さんらしい温かさ。
    この人の世界で育つ子供は素敵な大人になるだろな。

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    2014年03月12日
  • 空を見上げる古い歌を口ずさむ

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    想像していた内容と全く異なる、ホラー(?)だった。
    ストーリーは面白かったが、どうして良いか分からない読後感。

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    2014年02月18日
  • うたうひと

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    音楽への愛があるから書ける作品だと思う。
    時代によって扱いは違うが、改めて考えてみると演奏家って非常に不安定な職業だと思う。好きじゃないと出来ないし、好きでも出来ないのかも。

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    2014年02月18日
  • 東京ピーターパン

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    ネタバレ

    普通の状況であれば決してつながることのない人たちが偶然が重なり出会い、一晩限りのバントを組む。
    そんな出会いのきらめきがとても素敵です。

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    2014年02月13日
  • カレンダーボーイ

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    40代の幼馴染の男性二人が眠る度に精神だけ子供時代へと戻ってはまた現代へと過去と今を行き来してしまうようになる。
    そして二人は子供時代のとある後悔と大人の事情により過去を変えようと模索しだす。
    読みやすい事もあって一気に読んでしまった。
    ただ終盤がちょっと駆け足になり、未来を変えることになるかも知れない肝心な部分がさらっと流されているのが残念だった。
    読後感は悪くは無いが切ない気持ちでいっぱいになった。

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    2014年02月08日
  • 東京公園

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    小路さんは大好きな作家さんの一人。
    東京の公園で家族の写真を撮る大学生の圭司。
    幼い子どもを連れた女性(百合香)の写真を撮ろうとしたところ、その夫から頼みごとをされてしまう。
    ファインダーを通した言葉のない会話。圭司の気持ちは揺れる・・・
    木漏れ日の中で読書しているような感じを与えてくれる本でした。
    ただ、ちょっと結末が想像していたのと違ったかな・・・
    この作品も2011年に映画化されているですね。
    主演が三浦春馬さん。このキャスティングには文句ありません。
    百合香が井川遥さん。井川遥さんと言えば昨年の「ガラスの家」のイメージがしっかり残っているので???なのですが・・・
    井川さんがとても美し

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    2014年02月07日
  • 小路幸也 少年少女小説集

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    主人公は少年少女の短編集。
    いつの時代も、どの未来も
    どのパラレルワールドでも
    少年少女は素晴らしい。
    小路さんも素晴らしい。

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    2014年02月02日