小路幸也のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
幽霊の出てくる話はあまり好きではない。
怖いのは嫌いというのはもちろん、
なんだか、空間、時間、いろんな壁が取っ払われて
なんでもありになっちゃうから。
だけど、小路さんの幽霊は
「東京バンドワゴン」のサチさんといい
今回の委員長といい、
なんていうのかなぁ、人間ぽくて好き。
とんでもなく切なくて、タイムマシンがあれば
巻き戻してあげたくなってしまう。
ヤオも委員長も巡矢も、それぞれに
苦しくて、辛くて、若い。
けれど、愛する気持ちはきちんと、
そこだけ暖かい。
小路さんの作品に出てくる子どもたちが
好きだ。
彼らがどんな大人になるのか楽しみになってくる。
ヤオも委員長も巡矢も、そういう子どもたちだったのに、きっと。
あー、切ない。
そうだ、続編を読んでみよう。 -
Posted by ブクログ
ネタバレさすが、小路幸也。登場人物のキャラもたっていて、彼らが織り成す家族の情景も美しく、物語中に挟まれる挿話も読み応えがあってすばらしい。王道「東京バンドワゴン」だけじゃない、少々癖のある家族の肖像を描かせても上手いなぁ、とうなってしまう。
と褒めちぎっておいて、落とすようなことを書く
読後、「この映画観たい。彼ら(登場人物)の演技を観たい」と思ったのもつかのま、ふと考えた。
自分たちの現在過去振り返り、役者として自分自身を演じる。そのことを彼らはなんだか高尚なことのように思っている節があるが、それってある意味多重人格にもなりうる逃避行動じゃないのか?
そりゃまぁ、彼らは根っから役者なんだからそれでいいのかも知れんが、そんなリ映像を観客に観せるってのは、それはそれでちょっとはしたない行為じゃないのか?
オモロい小説だと思う。小説だから良いのだと思う。こんな映画が出来たとして観に行くかどうか、観てオモロいかどうかはまた別問題だと思った。 -
Posted by ブクログ
小路さんは大好きな作家さんの一人。
東京の公園で家族の写真を撮る大学生の圭司。
幼い子どもを連れた女性(百合香)の写真を撮ろうとしたところ、その夫から頼みごとをされてしまう。
ファインダーを通した言葉のない会話。圭司の気持ちは揺れる・・・
木漏れ日の中で読書しているような感じを与えてくれる本でした。
ただ、ちょっと結末が想像していたのと違ったかな・・・
この作品も2011年に映画化されているですね。
主演が三浦春馬さん。このキャスティングには文句ありません。
百合香が井川遥さん。井川遥さんと言えば昨年の「ガラスの家」のイメージがしっかり残っているので???なのですが・・・
井川さんがとても美しく、演技が良かった!という評価も多々あり・・・
この映画、ぜひ観てみたい!! -
Posted by ブクログ
東京バンドワゴンが刊行されたときからずっとファンである小路幸也の作品なので読んでみた。
東京バンドワゴンよりも読みやすいように感じたので、まだそちらを読んでいなくて、小路幸也の作品ってどういう感じ?ということが気になる人は読んでみてはいかがか。
あと音楽の演奏が好きで、でも今はあんまりそういうことができていない、という方は特に共感できて良いかもしれない。
かつて(もしくは今)同じ夢を持っていたのに、そういうことは恥ずかしいと思ってしまい、会話に出さない人が多いかもしれない、と読んでいて感じた。
もしかしたら電車で隣に座っている人も好きな映画が同じかもしれないし、今日行こうと思っていたレストランに昨日行っていたかもしれない。
・・・だからと言って、無闇の周りの人に喋りかけよう、ということではない。
それにしても、見た目のみならず普段接している他人のイメージというのは、ほんの一部の面に過ぎないのに、幾つかの面だけを見て、あの人はこういう人だ、と決め付ける人が多いと感じる。
そういえば作品の中でも少し変わった引きこもりの少年が出てくるけど、この少年も見事に姉に誤解されている。
あと、ものごとは複合的に絡み合っているわけで、ひきこもりの原因はいじめである、みたいに物事の因果関係が単射のような構造であることはほとんどないと思う。
でも多くの人はそう思っていないみたいだ。
たぶん、単射的な構造はわかりやすいから安心したいのだと思う。
たとえ、それが真実でなくても。