小路幸也のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
クラスメイトが自殺したという衝撃的な事実が、残された人物の‘生’を浮かび上がらせていく。
順々に視点が代わり、その人物の人生にスポットライトがあたる。
連作短編のおもしろさが感じられる一冊だ。
人はみんな秘密を抱えて、それを誰かのために必死に隠して、いろんなものと戦いながら生きていくんだと思った。
それが、生きるということなんだと。
金物屋のまっちゃんが翔くんに言ったセリフが好きで。
器用に立ち回るのが苦手な私は、その真っ直ぐなセリフに泣いた。
「戦え。自分の弱い心と戦って戦って、勝て。
勝ち続けて、ちゃんと生きて、ずっと俺と友達でいてくれ」 -
Posted by ブクログ
表紙とタイトルに惹かれて手に取りました。
主人公は二十時間寝て五十時間起きるという特異体質の青年。
なかなか重い過去を抱えながらも強くしなやかに生きている印象です。
そんな彼が突然事件に巻き込まれて、日常が奪われてしまう…そんな話。
主人公の話し方がくどくてあんまり好きではなかったけれど、情報系の人間という背景を考えると納得。
お助けキャラとして登場するナタネさんは格好良くて好きでした。
単にかっこいいだけでは済まないところがよかった。
ただ、ヒロインとの関係には??って感じでした。
ヒロイン惚れっぽすぎだし、主人公もそれをスッと受け入れ過ぎだし。
しかもいつの間にかいい感じになっち -
Posted by ブクログ
古本屋で見かけ、なんか聞いたような題名だなと思いながら購入したのですが、映画の題名でした。
読み終えて改めて表紙を見ると、企画原案・西田征史 、著者・小路幸也となっています。そうか、映画のノベラリゼーションなのか。というか、実話に基づく話のようなので、同じ題材で映画と小説を作ったようなものなのか。映画を見ていないので、判断付きませんが。
何れにせよ、感動的な話でした。病気の妹の可愛さ、健気さ、そして(予定通りとはいえ)最後の章の感動。久しぶりに電車の中で涙腺が緩むのをこらえてました。
ただし、思いっきり"ベタ"でも有りますが。まあ、白血病の妹とひきこもりの兄の話ですからね。