【感想・ネタバレ】ラプソディ・イン・ラブ(PHP文芸文庫)のレビュー

あらすじ

おそらく、これが父の最後の映画。きっと家族で過ごす、最後の時間。俳優たちの台詞は演技か、真実か。――日本映画界を支えてきた名優・笠松市朗は、ろくでなしだった。そのせいで、家族は崩壊した。その笠松の最後の撮影がはじまった。共演者は別れた妻と息子、後妻の息子と彼の恋人、みな、かつて笠松が愛した家族だった。ひとつ屋根の下、それぞれが役者としての矜持を胸に秘め、父でもある笠松とカメラの前に立つ。彼らは「家族を演じる」ことで、再び家族に戻れるのか。虚と実の交錯する物語の幕が開く。連続TVドラマ「東京バンドワゴン―下町大家族物語」の原作者が描く、もうひとつの家族小説。解説:西山繭子。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

なんといっても舞台設定が最高にいい。
家族の微妙な機微を書くのはもともと得意な小路氏だけに、これだけの舞台が整えば面白くならない筈がありません。抜群の一冊でした。

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2015年02月08日

Posted by ブクログ

破天荒な私生活が故に家族は崩壊した名優・笠松市朗の最後の映画は、愛した家族の共演による『家族』の映画。各人が秘密にしていた真実の爆弾を抱えて撮影が始まる。現実と虚構が複雑に入り交じる家族小説。
本当の家族が映画の為に家族を演じるという設定が秀逸。ドキュメンタリーでもなくドラマでもなく、演じることが日常となる時間の経過が、とても貴重で美しく輝かしい。読み終えた後に深い余韻を残してくれる。

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2016年11月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

さすが、小路幸也。登場人物のキャラもたっていて、彼らが織り成す家族の情景も美しく、物語中に挟まれる挿話も読み応えがあってすばらしい。王道「東京バンドワゴン」だけじゃない、少々癖のある家族の肖像を描かせても上手いなぁ、とうなってしまう。

と褒めちぎっておいて、落とすようなことを書く

読後、「この映画観たい。彼ら(登場人物)の演技を観たい」と思ったのもつかのま、ふと考えた。

自分たちの現在過去振り返り、役者として自分自身を演じる。そのことを彼らはなんだか高尚なことのように思っている節があるが、それってある意味多重人格にもなりうる逃避行動じゃないのか?
そりゃまぁ、彼らは根っから役者なんだからそれでいいのかも知れんが、そんなリ映像を観客に観せるってのは、それはそれでちょっとはしたない行為じゃないのか?

オモロい小説だと思う。小説だから良いのだと思う。こんな映画が出来たとして観に行くかどうか、観てオモロいかどうかはまた別問題だと思った。

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2014年04月10日

Posted by ブクログ

東京バンドワゴンもそうだったけど、配役を妄想しながら読んだ。
皆のかかえる過去や現在の秘密(爆弾)が明かされつつ話が進む。
俳優一家の終の物語。

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2013年12月29日

Posted by ブクログ

家族を演じる俳優家族の話。

バラバラになってしまっても
気持ちが合えば時間を越えて戻れるのは
家族だからなのかな。

なんだかんだ幸せな家族の中で育ててもらったんだなと
感謝の想いでいっぱいです。

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2013年12月01日

Posted by ブクログ

不思議な設定の小説です。
登場人物は五人。名優・笠松一郎、彼の最初の妻・四ノ宮睦子、二人の息子・園田準一、準一からみたら親子ほど年の離れた異母弟・岡本裕とその婚約者・二品真里。五人は全て非常に優れた役者です。
笠松は(多分)脳を患っており、普段はごく普通の生活が出来るのですが、突然見当識を失うことがあり、余命わずかです。笠松を主人公にした最後の映画を撮る為に、五人は笠松と睦子が新婚時代を過ごした古い日本家屋に集まります。
部屋に仕掛けられた固定カメラと、たった一人のカメラマン。与えられる脚本はごく簡単な、例えば「今日は買い物にでも行って見ませんか」といったもの。セリフは全てアドリブ。監督からは「それぞれが爆弾(発言)を準備しておいて、適切なタイミングで爆発させてください」という指示が出ている。
バラバラになった家族が、一つの家に住みながら演技なのか素なのか、ドキュメントともフィクションともつかぬ映画が撮られて行く。

もともと小説なんてフィクション。その中でドキュメントともフィクションともつかぬ話が進むのですから面白い。
小路さんが描こうとしたのは、一つの家族の世界やその繋がりなのかもしれませんが、奇抜なシチュエーションの下で行われる役者たちの虚々実々の駆け引きの面白さに引かれ、本筋が見えなくなってしまうのが欠点かもしれません。

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2016年06月19日

Posted by ブクログ

映画化を意識したのかなと思わせる作品でした。

とある家族が、ままの家族を演じる映画を取るという物語。
視点の切替わりはとても面白いが、全体としては内容がいまいち薄い。

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2014年05月07日

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