【感想・ネタバレ】ラプソディ・イン・ラブ(PHP文芸文庫)のレビュー

あらすじ

おそらく、これが父の最後の映画。きっと家族で過ごす、最後の時間。俳優たちの台詞は演技か、真実か。――日本映画界を支えてきた名優・笠松市朗は、ろくでなしだった。そのせいで、家族は崩壊した。その笠松の最後の撮影がはじまった。共演者は別れた妻と息子、後妻の息子と彼の恋人、みな、かつて笠松が愛した家族だった。ひとつ屋根の下、それぞれが役者としての矜持を胸に秘め、父でもある笠松とカメラの前に立つ。彼らは「家族を演じる」ことで、再び家族に戻れるのか。虚と実の交錯する物語の幕が開く。連続TVドラマ「東京バンドワゴン―下町大家族物語」の原作者が描く、もうひとつの家族小説。解説:西山繭子。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

さすが、小路幸也。登場人物のキャラもたっていて、彼らが織り成す家族の情景も美しく、物語中に挟まれる挿話も読み応えがあってすばらしい。王道「東京バンドワゴン」だけじゃない、少々癖のある家族の肖像を描かせても上手いなぁ、とうなってしまう。

と褒めちぎっておいて、落とすようなことを書く

読後、「この映画観たい。彼ら(登場人物)の演技を観たい」と思ったのもつかのま、ふと考えた。

自分たちの現在過去振り返り、役者として自分自身を演じる。そのことを彼らはなんだか高尚なことのように思っている節があるが、それってある意味多重人格にもなりうる逃避行動じゃないのか?
そりゃまぁ、彼らは根っから役者なんだからそれでいいのかも知れんが、そんなリ映像を観客に観せるってのは、それはそれでちょっとはしたない行為じゃないのか?

オモロい小説だと思う。小説だから良いのだと思う。こんな映画が出来たとして観に行くかどうか、観てオモロいかどうかはまた別問題だと思った。

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2014年04月10日

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