小路幸也のレビュー一覧

  • 空へ向かう花

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    詳しい経緯は明らかにされないが、少女の死に関わってしまった少年ハルと少女の友人カホの出会いから始まる物語。
    空へ向かう花のように前を向く子供たちと、温かく見守る大人たち。作中のこの言葉が深い。
    「まだ弱き者に、この世で力を持たないものに、優しくしたいと思う気持ちを偽善と呼ぶのなら、私は喜んで偽善者になる。」

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    2011年11月07日
  • brother sun 早坂家のこと

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    やっぱり、小路さん…、短編サザエさんものは、うまいッ!!!

    『東京バンドワゴン』シリーズよりも、より庶民的で好感度もグぅ~!!!

    それだけに…、最後のエピローグは…いらないかも…。
    シリーズ化して…三姉妹のそれぞれの結婚までのエピソードを、
    読んでみたかったです…。

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    2011年10月25日
  • 探偵ザンティピーの仏心

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    『探偵ザンティピーの休暇』の続編。
    アメリカで温泉リゾートを展開するオーナーの娘の日本視察に
    同行するだけという気楽な仕事をもらったザンティピー。
    しかし、彼の仕事がそんなに簡単に終わるはずもなく・・・

    前作と同様、結果的に過去の悲しい事件の真相を暴くことになるのだが、
    事件の終わらせ方はまさに「仏心」というかんじ。
    真実は時として、誰かにとって、鋭い棘となりうるものだ。
    ザンティピーはその棘を少しでも丸めようと奔走する。
    こういう優しさもありだと、わたくしは思うのです。

    さらりと読めるのに、ちょっと考えさせられるところもあるという
    とても素敵な本でした。

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    2011年10月18日
  • 空へ向かう花

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    実は買おうか買うまいか悩んだ本でした。
    最近、小路さんの本が次々に出てくるので、多作ゆえの質の低下が出てきてる様に思えて。
    そんな目つきで読んでいたせいか、前半は余り良い印象ではありませんでした。常にペアで語るという章の構成は物語の繋がりを悪くしているようだし、事件の焦点をぼかした書き方も歯がゆく感じられます。重く辛い物語を、良く言えば淡々と、悪く言えば浅く語る物語。
    その中で、ハルを見守るイザざんとカホを見守るキッペイの2人が、現実を見据えながら、それでも一生懸命助けて行こうとするの姿が心地良く。
    ただ、最後の数章で一気に盛り上げてくれます。ここは圧巻と言えるでしょう。
    ご都合主義・予定調和

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    2016年07月30日
  • 探偵ザンティピーの休暇

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    休暇、とタイトルにあるとおり、さくっと読んでスッキリ終わる一冊。作者も休暇な気分で書いたんだろうな。登場人物も推理ものにしては多くなく、推理ものによくある「この人誰だっけ?」現象が起こらずにさくさく読みました。

    この話は主人公がアメリカンだから面白いんだろうなと思います。これが普通に日本人だったら印象の薄い本になっていたと思いますが、海外から見た日本(日本人)像とか、主人公の心情が強く打ち出されていて、それで面白くなっていた気がします。

    作者は人情や家族の愛情を描くのが好きなんだろうな。そしていい感じの流れ者を描くのがうまい。東京バンドネオンの我南人しかり。

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    2011年09月22日
  • COW HOUSE カウハウス

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    2011/8/25
    どちらかといえば、切ったり、撃ったり、殺したりという本ばかり読んでるんですが、こういう本も気持ちいい。

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    2011年09月04日
  • カレンダーボーイ

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    ネタバレ

    何かを得るには何かを失わなければならない、
    のだとしたら、このお話はその典型で、
    そして、とても悲しくて暖かい。
    頑張った結果が「ここ・今・この状況」なのだと各自が自覚するから、
    だから明日に向かってそれぞれの場で生きていける。
    そんなふうに思える作品。

    ところで、私は「小さいころ、こんな大人になりたかったのかな」
    改めて自問自答しています。
    読み終わって、何かが自分の中でコトッと小さな音をたてて
    変わった気がします。

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    2011年08月22日
  • 早坂家の三姉妹 brother sun

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    個人的にタイトルは単行本版の
    「brother sun 早坂家のこと」の方が
    エピローグまで込みでしっくり来て好きだった。

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    2011年08月16日
  • COW HOUSE カウハウス

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    主人公が本当に良い人。内容は好きな話しでツボにはまるなー
    2011.8.15

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    2011年08月15日
  • COW HOUSE カウハウス

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    温かくて優しいが溢れてるお話でした!小路さんの標準語、口語に最初は違和感がありましたが、すぐに慣れてどんどんキャラクターに親しみがわいてきます!


    途中で阪神淡路大震災の話しが出てきた時はびびった。でも具体的に絡んでくる内容ではなかったので、落ち着いて読んでいられました。

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    2011年08月10日
  • 探偵ザンティピーの休暇

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     映画「男はつらいよ」を見て日本語を覚えたザンティピー。寅さん言葉を巧みに話す彼は、マンハッタンの自称名探偵である。そんな彼が、日本に嫁いだ妹からの意味ありげな連絡を受ける。妹は温泉旅館の若女将修行中。ザンティピーは有り金はたいて北海道の田舎温泉旅館にやってくる。ミステリとしては事件のプロットがつまらない。でも、異文化交流は面白い。ただ、アメリカ人にしては日本文化への溶け込み方が、あまりにすんなり過ぎるかな。日本旅館の朝食を、地元のダイナーのハンバーガーよりいいと、すぐに気に入ってしまうところなんかでそう思った。著者の小路幸也さんは相変わらず、角の取れたほんわかムードの小説を書く。肩の凝らない

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    2011年09月30日
  • 探偵ザンティピーの休暇

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    寅さんを見て日本語を覚えたアメリカ人の探偵のキャラが秀逸。時代小説の人情もののようなオチのつけかたは甘いけれど、その甘さがいい。

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    2011年09月12日
  • 21 twenty one

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    卒業して10年たった今も仲良く繋がってる中学の同級生達の物語。その中の一人が自殺してしまうという悲劇が起こり皆戸惑うが、最終的にはあたたかく受けとめる。人は生き続けなきゃいけないという現実を優しく教えてもらったような気持ちになった。同級生の色々な人が主人公になりながら物語が進むところも好きだ。それぞれの気持ちがよくわかる。ミステリーなのにあたたかい一冊だ。

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    2011年07月24日
  • 21 twenty one

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    読みだしてから、前に本好きの元同僚から貸してもらって読んだなぁと思い出す。生きている年月が積み重なっていけばいくほど、誰もがいろいろな事情を抱えて、でも生きていくのだよなぁとしみじみ思った。韮山先生は、最後まで彼らの先生という姿勢を貫いたのかなと思う。

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    2011年07月19日
  • おにいちゃんのハナビ

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    うっかり飲んだ帰りに電車で読んで失敗
    わかりやすく、すなおに泣けてしまう
    いろんな人の気持ちを感じられ入り込みやすい

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    2011年07月13日
  • 21 twenty one

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    綺麗すぎますよ。でもそこが良い所です。

    ミステリー形式を採っていることもあって、一気に物語の中に引き込まれます。残された20人(+先生)の様々な想いが交錯しながら、物語は進みます。

    現実の世界では、このような事はあり得ない。人はもっと自分勝手なものだし、照れや保身や妬みで動く。この物語は絵空事。
    しかし、そう有りたいと願う絵空事です。

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    2016年07月30日
  • 空を見上げる古い歌を口ずさむ

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    人の顔がのっぺらぼうに見えてしまう。一体なぜ?この本はその謎一つしかありません。
    しかし、ものすごいリーダビリティ。やわらかい話し言葉でつづる奇妙な物語は謎解きへの渇望のみならず、古き日本の情景を読む人の心に浮かばせる。登場人物たちも現実にひょっこり現れてもおかしくないようなやつらばかり。
    オチはともかくとして、こういったノスタルジックな小説は好きです。謎解きよりも空気を楽しむ小説だと思います。ちなみに謎は絶対解けないでしょう。
    あとメフィスト賞受賞作は第一回の『すべてがFになる』の影響か、物語の最後で最強キャラがでてくる傾向がありますね。まあいいですけれども。

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    2011年06月28日
  • 探偵ザンティピーの休暇

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    続編に期待[BOOKデータベースより] マンハッタンに住むザンティピーは数カ国語を操る名探偵。彼のもとに、日本人と結婚した妹・サンディから「会いに来て欲しい」と電話があった。嫁ぎ先の北海道の旅館で若女将になった妹の言葉を不審に思いながら、日本に向かった彼が目にしたのは、10年ぶりに目にする妹の姿と人骨だった―!謎と爽快感が疾走する痛快ミステリ。書き下ろし。

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    2011年08月06日
  • brother sun 早坂家のこと

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    一度読んだかどうか、
    最後までおもいだせなかった…
    でもなんかいいなぁと思ったよ。
    あんなふうに、きれいでないこともきれいに生きられたらすてき。
    そんな心を持ちたいと思う。

    あと、日本家屋住みたい!

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    2011年05月22日
  • ラプソディ・イン・ラブ

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    名優の最後の映画の為に、その家族として側にいたかもしれない俳優達が自分自身という役を当てられて、一つの家族として過ごした映画の物語。頑張って一文でまとめようとしたけど、ややこしくてしょうがないです。でもこの人生の苦難を乗り越えた先にある温かくて静かな雰囲気がすごく好き。最後の別れのシーンの余韻も素晴らしいです。僕にとってはここ最近の小路さんの作品で一番です。

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    2011年04月20日